M&A大学卒業生にインタビュー 日本M&Aセンターが行うM&A大学。
その卒業生として最前線で活躍するOB・OGバンカーにインタビューする企画の第14弾。 今回は佐賀銀行 唐津支店 光岡菜美子氏にインタビューした。
――まず、佐賀銀行さんに就職された理由をお聞かせください。
両親や地元の先輩からの薦めもあって、地元の企業を受けてみました。「銀行なら社長に直接会えるし、いろんな業種の方にも会えるよ。それが銀行の魅力だよ。」という話を聞いて、地元に貢献しながら仕事をしていけたらいいなと思い、佐賀銀行を就職先に選びました。
――入行して今、何年目になられたのですか?
今年で10年目になります。
――当社に出向していただく前には支店勤務も経験されたのですか?
営業店3カ店で勤務しました。M&A業務の経験はほとんどなく、預金の窓口、融資や住宅ローンの窓口、個人事業主や法人に対する営業をやっていました。小規模法人の事業譲渡の話しを受け始めた、ちょうどその頃に日本M&Aセンターへの出向の話をいただきました。
――出向が日本M&Aセンターですと言われた時に、最初はどう感じられましたか?
「なぜ私が???」という感じでした。
――出向が決まって準備されたことはありましたか?
当時は銀行のM&A業務を担当する部署にいたわけではなく、M&Aについて良く分かっていなかったので、実際、銀行がどういったM&Aの実績があるのかという資料を沢山見て、M&Aについて勉強しました。それ以外では、日本M&Aセンターからいただいた書籍を読んだりしました。
――半年間、ご出向していただき、研修や勉強、担当コンサルタント同行のなど、いろいろなご経験をされたと思います。その中で思い出に残ったこと、勉強になったことはありましたか?
コンサルタントの方など、同行する人の話しぶりや、話題の展開の仕方などがすごく勉強になりました。銀行では誰かに同行することはあまりなく、他の人はどうやっているのだろうかと気にはなっていたのですが、出向では、いろんな人の営業スタイルを見ることができたので、それがすごく参考になりました。
また、出向期間の後半に、当行経由で取引先からM&Aの契約をいただいたときのことですが、取引先の会長様から、『案件として魅力的だから契約をしたということもあるけど、この案件を“佐賀銀行”が持ってきてくれたから、この話を聞いてみようと思ったんだよ。』とお言葉をいただきました。改めて、お客様と銀行との信頼関係の大切さを実感しました。
――出向期間中には、主にどういったことをされていましたか?
まずは支店の啓蒙活動を行いました。日本M&Aセンターのご担当の方々に協力いただきながら臨店をして勉強会を開催しました。また、各支店ブロックをひたすら回り、その大口の取引先に同行していたのですが、エリアが広く1人では十分に回り切れませんでした。その後、本部の推進役からの通達で、全店の支店長から私宛てにM&Aのニーズを挙げる体制をとってもらいました。そこから支店長と直接やりとりできるようになり、動きやすくなりました。
――M&A大学を卒業後、営業店へ戻ってからの抱負をお聞かせください。
今まではM&Aという知識はなく、大きな武器が一つ加わったという思いです。私が今後、新しく担当していくお客様は、後継者がいらっしゃらなかったり、いらっしゃってもこれからどうしようというお客様も多いと思います。すぐにM&Aとはならないかもしれませんが、担当が変わるタイミングというのは、お客様に何かと聞きやすいタイミングでもあると思います。「コロナ禍も含めて、今後どうされるのですか。」とお尋ねして将来の構想を、共有させていただけるような関係づくりに努めようと思っています。また、その地区の支店でM&Aの啓蒙活動を行っていきたいと思っています。
――支店の中に、お一人でもこういうできる方がいらっしゃると、周りも影響されると思いますので、ぜひ頑張っていただきたいです。今後、佐賀銀行のお客様に広げていきたいサービスなどはございますか?
M&Aだけではなく、TPM( TOKYO PRO Market 上場支援サービス)のターゲットになりそうなお取引先もありますので、それも含めて幅広く提案できればと思っています。TPMは、オーナーシップを持ったまま上場することができ、マザーズやJASDAQよりも柔軟な制度だと聞いています。地方でのスター企業を作っていくには打ってつけのサービスですね。
銀行のサービスはいろいろありますが、TPMは特にお客様に前向きな提案ができるものですから、どんどん活用していければと思います。また、佐賀銀行がそういったサービスを提供できる銀行だとアピールしていきたいですね。
――最後に、日本M&Aセンターに対して、期待されることはありますか?
M&A業務は、まだ銀行だけでは十分なサービス提供は難しい部分もあると思いますので、今後も協業してやっていけたらと思います。銀行の、地元に対する使命感もありますから、お互いの状況に配慮しあいながら、より一層の協業ができればと思います。
また、私の支店でも、日本M&Aセンターのセミナーや勉強会をたくさんしていただきたいと思っています。