矢野経済研究所
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2020年の国内PLM市場規模は前年比6.2%減の2,616億円

~新型コロナウイルスの影響で、製造業の設備投資が落ち込み8年ぶりにマイナスに転じる~

株式会社矢野経済研究所(代表取締役 水越孝)は、PLM世界市場を調査し、アプリケーションや業種別の動向、参入企業動向、市場展望を明らかにした。ここでは、日本国内のPLM市場規模推移・予測について、公表する。

国内PLM市場規模推移・予測

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1.市場概況

2020年の国内PLM市場規模は、システムメーカー出荷金額ベースで前年比6.2%減の2,615億7,000万円となった。
新型コロナウイルス感染拡大による経済活動の停滞で世界的に製造業の設備投資は落ち込んでおり、PLM世界市場はマイナスに転じた。日本国内の市場は、東日本大震災の影響を受けた2012年以来8年ぶりのマイナスとなった。国内市場は2020年1~3月までは前年同様好調に推移していたが、コロナ禍が本格化した2020年4月以降、一転して低調なトレンドが続いている。

2.注目トピック

テレワークにより設計部門の働き方が変化

新型コロナウイルス感染症の流行により、企業ではテレワークやWeb会議の利用が急速に拡大し、設計部門においても働き方は大きく変化した。

設計部門でもテレワーク環境で、Web会議を使って3次元CADや2次元CADの設計データを共有し、打ち合わせなどを行うようになっている。但し、Web会議システムの画面共有でデザインレビューまで行うのは難しいことが想定され、今後は3Dビューワを使ったデザインレビューシステムの普及が見込まれる。
また、テレワークの普及とともにクラウドの利用も急速に拡大した。日本の製造業はこれまでクラウドに対して根強い抵抗感を持っていたが、コロナ禍を契機としてクラウドが定着したことも大きな変化である。大手ITベンダーがSaaS提供に舵を切る動きも見られ、今後はPLMがSaaSに移行していくことも見込まれる。

3.将来展望

2021年の国内PLM市場は、システムメーカー出荷金額ベースで前年比1.7%増の2,660億円になると予測する。
PLM市場はこれまでも経済動向、とくに製造業の設備投資に連動しており、海外では中国及び米国では既に成長に転じており、PLM世界市場はこれらの国々が牽引する見込みである。日本国内においては現在も緊急事態宣言が発出されるなど、非常に不透明な状況が続いているが、今後、大企業における設備投資が再び活性化すれば国内のPLM市場も本格的に回復すると見込まれ、2024年の同市場は3,020億円に達すると予測する。

調査要綱

1.調査期間: 2021年1月~5月
2.調査対象: PLMシステムメーカー
3.調査方法: 当社専門研究員による直接面談、電話・e-mailによるヒアリング調査併用
<PLMとは>
PLM(Product Lifecycle Management)とは、開発・生産からメンテナンス、あるいはリサイクルにいたるまでの、製品のライフサイクル全般にわたり管理しようという概念である。本調査におけるPLM市場とは、それを実現するためのツールとして、CAD/CAM/CAE、PDM(Product Data Management)、デジタル・ファクトリー、ビューワ/DMU(Digital Mock-Up)等のシステムツールを対象としている。
<市場に含まれる商品・サービス>
PLM、CAD/CAM/CAE、PDM、デジタルファクトリー、ビューワ/DMU

出典資料について

資料名2021 PLM市場の実態と展望
発刊日2021年05月28日
体裁A4 244ページ
定価198,000円 (本体価格 180,000円)

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