今回ののテーマは、「高収益体質をつくるための業務効率化」。
FSG税理士事務所の藤田耕司先生が業務効率を上げるために「やらない」と決めていること、
士業事務所が高収益体質に移行するために必要な考え方などをお話しいただきました。

最大の業務改善は所長の時間をつくること

近い将来、パソコン内で完結できる単純作業は、
テクノロジーによって自動化されていきます。
技術の進化によって起こることは、低コスト化による相場の下落です。

つまり、低コスト化できていない企業は利益が出ず、
一方で年功序列的な人件費増が追い打ちをかけることになります。

士業事務所も同様で、一件あたりのお客様にかける時間を減らし、
低価格で受注しても利益が出る体質をつくる
と同時に、
自動化されにくい高付加価値サービスをつくり、収益率を上げることが必要です。

では、高収益な体質をつくるためにはどうするか?
それは、「所長の時間を高収益率実現のための仕事に使うこと」です。

高収益率を実現するための仕事、例えば戦略立案や新事業の創出、
人脈づくりなどは、「緊急性は低いが重要性は高い」仕事です。
所長の時間は、この仕事に割くべきですが、
どうしても申告書などの作成やお客様との打ち合わせなど、
締め切りの見える「重要性は低いが緊急性は高い」仕事に時間を取られがちです。

そこで私は毎年、自分が何の業務にどれくらいの時間をかけたかを
2週間分、 15分刻みで記録するようにしています。
すると、自分がいかに雑務に追われているのかが見えて愕然とします。
ですから、高収益率を実現するための仕事をする時間を先に予定表に書き込み、
強制的に時間を確保
するようにしています。

そして、部下を育成してプレイヤーやマネージャーとしての自分の仕事を任せること、
業務を効率化することが重要です。

また、Chatwork、クラウド会計ソフト、
スプレッドシート、Dropboxを活用しながら、
「やらないこと」を決めました。
例えば、訪問のための移動、仕訳の手入力、
資料がぐちゃぐちゃの記帳代行、紙資料の郵送・整理などです。

そして、業務効率化のもう一つのカギは、職員の意識の統一。
業務を効率化すること、ITツールを使いこなすことについて意識の浸透が必要です。

そのために重要なのが経営理念です。
経営理念に沿った行動ができているかを随時フィードバックし、
できていたら褒める、できていなかったら注意する。
所長には、それをやりきる強いリーダーシップが必要なのです。

士業は、お客様の経営参謀として、
「今後、どういう会社にしていきたいのか?」
「経営者としてどんな人生を歩みたいのか?」を聞き出し、
お客様にとっての魅力的な未来を共有すること

そして、その未来の実現を支援するための事業の創出
専門業者との提携によるサポートが求められています。

プロパートナーONLINE
(画像=プロパートナーONLINE)

・自動化されにくい高付加価値サービスで収益率を上げることが必要
・所長の時間を高収益率実現のための仕事に使うこと
・ビジネスモデルに合わない仕事は「やらない」と決める
・経営理念を浸透させて事務所一丸となって業務改善に取り組む

プロパートナーONLINE
(画像=プロパートナーONLINE)

※月刊プロパートナー2021年1月号より抜粋

いかがだったでしょうか?
『プロパートナーONLINE』は、士業のための「明日役立つ」
記事やセミナー動画などオンラインのコンテンツに加え
毎月1冊、士業専門雑誌「月刊プロパートナー」をお届けするサービスです。
月額3,000円のサービスを今なら14日間無料でお試しいただけます。

▼14日間の無料体験はこちらから▼

プロパートナーONLINE
(画像=プロパートナーONLINE)
プロフィール
藤田耕司氏
藤田耕司氏
FSG税理士事務所 代表
一般社団法人日本経営心理士協会 代表理事

大手監査法人を経て、2012年にFSG税理士事務所を設立。
融資、採用、M&A、経費削減まで、多くの企業と連携し、「お客様の経営参謀」として経営課題の解決をサポートしている。
著書に『経営参謀としての経営戦略』(日本能率協会マネジメントセンター)ほか。
プロパートナー
記事提供
士業の成功をサポートする実践経営マガジン
『月刊プロパートナー』
月刊プロパートナーは、顧客獲得のためのマーケティング手法や営業力強化の実践的なメソッド士業事務所の経営に必要な情報、ノウハウをわかりやすく解説する最強の実践型の経営マガジンです。
その他にも他士業や他業界との連携など、今日から使える情報が満載です。