【第7回】事業を進める上で、資金調達の手段をデッドとエクイティの判断基準を教えていただけると幸いです。
(画像=THE OWNER編集部)

THE OWNER特別連載「経営者のお悩み相談所 〜経営コンサルタントが一問一答!〜」第三回目は「資金調達の手段、デッドとエクイティの判断基準は?」という経営者のお悩みについてお答えします。

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【今回のご質問】
事業を進める上で、資金調達の手段をデッドとエクイティの判断基準を教えていただけると幸いです。

【ご回答】
リスクや不確実性の低いものはデッド(融資)、高いものはエクイティ(出資)で資金調達を行います。

ご質問ありがとうございます。簡潔に申しますと、デッド(融資)の場合には返済がありますので、返済が見込めない場合はエクイティ(出資)による資金調達を検討します。

杉野 洋一(すぎの よういち)
杉野 洋一(すぎの よういち)
(同)Initiatives代表。IT系企業、会計ファームにて広くクライアントを支援する傍ら、韓国・インドにて教育・指導・通訳に従事するなど多様な文化・企業環境において活躍。中小企業診断士として独立後は中小企業を中心に「真にクライアントに寄添う経営支援」を信条とし、目標制度や管理会計に取り組んでいる。▶https://initiatives.jp/

返済が見込める場合はデッド(融資)

融資の特徴と利点

融資契約は将来的な返済を約束した上で、借り入れた金銭を使っても良いという契約です。つまり、返済を約束するので、その返済の見込みが立たなければ融資による資金調達は避けた方が無難です。この時に検討すべきなのが返済可能額とリスクです。

一方で融資には入金までが速い、金利が安いという大きな利点があります。融資の場合、市中には金融機関が多数あり、手続きや審査方法も確立していることから、融資申し込みから入金まで最短1か月程度で資金調達が可能です。金利についても一般的な金融機関であれば2%前後で借りられますので、他の資金調達手段と比べると、だいぶ安い計算になります。

返済可能額の計算方法とは?

「返済の見込み」と抽象的に書きましたが、月次の返済可能額は、計画平均月次利益+減価償却費-運転資金増加額で計算できます。つまり将来の平均的な月の利益に減価償却費などの非資金費用を足して簡易キャッシュフローを計算する訳です。ビジネスモデル次第で、運転資金が増加する業種はこの増加分を簡易キャッシュフローから減算します。逆に運転資金が減少する業種は加算します。

融資契約で定めた返済額が、この計画返済可能額を上回ってしまうと、長期的には現預金が減っていく計算になります。最終的に現預金が0になってしまい、そうなる前に借り換えや折り返し融資を検討する必要があります。