NEW・日本の経営者たち〜サステイナブルな社会を作る挑戦〜

「メイドインジャパン」を支えてきた職人技は日本が世界に誇るべき長所の1つだ。
そんな職人技が後継者不足や「技術がお金にならない」状況から危機的状況に陥っている。

この現状を憂い、日本の職人やアーティストが世界で活躍できる土壌を作るべく、アメリカで和菓子ブランド「MISAKY.TOKYO(ミサキ・トーキョー)」をスタートさせた女性起業家がいる。

アメリカではどのような戦略でビジネスを展開してきたか、また将来何を目指すのか、その思いを三木アリッサさんにインタビューした。

日本の将来は明るいのか?現実を目の当たりにしたことが原動力に

永井 三木さんはこれまですばらしいご活躍をされてきましたが、その原動力はどこにあるのでしょうか。

三木 現在の「MISAKY.TOKYO」を立ち上げるために7年前から準備をしてきました。その原体験はアーティストの母にあります。

母は陶器の人形を作る作家です。その分野では沢山の賞をとり、多くの百貨店に招待されるほど評価されているアーティストでした。ただ、一方でその作品が収入に結びついていなかった。それが私にとってすごく悔しかったのです。そこから、職人やアーティストの力になれればと思いました。

そして、藤巻百貨店在籍時に職人さんとお話する機会があったのですが、彼らは助成金などで生計を立てている方も多く、ビジネスで成功しているケースが非常に少なかったのです。こんなに才能豊かで、技術があって、すばらしいものが作れるのに、「もしも補助金が打ち切られてしまったらどのくらいの職人さんが残る事ができるのだろうか…」と思うと、背筋が寒くなりました。

同時に疑問に思ったのは、「なぜ職人さんは作品作り以外の部分も全て、自分で管理しなければならないのだろうか」ということです。たとえば、演劇の世界では、役者さんは演じ、マネージメント会社が公演マーケティング・ブランディングを管理することで、うまく回っています。