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7年間ダメ営業マンだったという営業コンサルタントの菊原智明氏。
そんな彼をトップ営業マンに返り咲かせたのは、顧客との接触ツール「営業レター」だといいます。
菊原氏自ら営業術を伝授していただきました。
【成果が出る営業術①】では
〝お客様を育てるツールを持っている人だけが生き残る〞ということについて解説しました。
人材も営業スキルも必要としない〝営業レター〞は、会社の強力な武器になります。
今回は、その営業レターについて具体的な内容をお伝えします。
営業レターを送るのは8割の中長期見込み客
訪問の代わりに営業レターでお客様をフォローする方法をお勧めします。
しかし、営業レターはすべてのお客様に送ればよいというものではありません。
そこでまず、2割の〝すぐ話が進むお客様〞
8割の〝いつ話が進むかわからないお客様〞に分けることを提案します。
例えば「今すぐ提案をしてくれ」、「見積書を出してくれ」というお客様に対して、
のんびりと手紙でフォローしていたらどうでしょうか?
そんな悠長なことをしていれば、間違いなくそのお客様は他社に奪い取られてしまいます。
そのため〝すぐ話が進むお客様〞は、今まで通りアポを取り、 直接お会いして商談をしましょう。
それ以外の〝いつ話が進むかわからないお客様〞つまり
「名刺交換をしたがそのまま」、「資料請求はあったが連絡はとれない」
「紹介していただいたが一度電話をしただけ」といった
少しだけ接点があるようなお客様に対しては、 営業レターを送りましょう。
定期的に接点を持てば選ばれる事務所に
9割以上の士業事務所は
〝いつ話が進むかわからないお客様〞に対して、ほとんどフォローをしていません。
ということは、このタイプのお客様に対して営業レターでフォローしていけば、おのずと結果は出ます。
フォローが後回しになりお客様の不満が溜まれば、「他の事務所に相談したい」と思うでしょう。
その際、一度会っただけの担当者と、
定期的にお役立ち情報を送ってくれる担当者のどちらに声をかけるでしょうか?
多くのお客様はしっかりとフォローしてくれる担当者に声をかけるものです。
あらかじめスケジュールを組んで営業レターを送り、
定期的に接点を持つようにすれば、必ずチャンスが訪れます。
最も重要な営業レターは『アプローチレター』
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今は警戒心も強く、時間的にも忙しいお客様が多くいます。
そうしたお客様には、アポなしで訪問や電話をするより、
営業レターでソフトに接触したほうがうまくいきます。
営業レターは、効率よくお客様との信頼関係を築いていく『アプローチレター』、
返事や反応をもらうための『レスポンスレター』、
商談までランクアップしたお客様を逃がさないための『クロージングレター』の
3つのステージで構成されています。
そのなかで最も重要なのはアプローチレターです。
アプローチレターでは、まず一度面談したお客様にハガキを出しましょう。
その際に「○○でお会いしましたね」という一言を添えるとよいでしょう。
そして3〜4日後、10〜20日後、30日後にそれぞれ『お役立ち情報』を送ります。
1ヵ月の間に4回接触すればお客様は記憶してくれる
1カ月の間に4回接触すれば、お客様は
「最近、この人がよく情報を送ってくれる」と認識してくれます。
『エビングハウスの忘却曲線』によると人間は24時間経つと74%の記憶を忘れてしまうのですが、
コンスタントにアプローチすると「この人はこういう人だ」という記憶が定着します。
いったん記憶のデータとして残った場合、あとは1カ月に5%の忘却率となると言われています。
そのため、はじめの1カ月は記憶を定着させるために週単位で送り、
「情報をよく送ってくれる人だ」 と印象に残すことができれば、
その後は1カ月に一度のペースに落とし半年〜1年間フォローを続けるのです。
ただし、まったく必要のないお客様に半年〜1年間も送り続けるのは避けたいところです。
4回送ったところで確認の電話をします。
電話に出てくれる確率を上げるために、挨拶文の中に
「今週末、お役立ち情報が今後必要かどうかをお聞きするためのお電話をします」
と前もって伝えてもよいでしょう。
その後、「今までお送りしましたが、今後も必要でしょうか?」とお伺いし、
必要であればその後も送り続けます。
この電話で、「実は相談がありまして」と言ってくるお客様が少なからずいらっしゃいます。
そこで面談のチャンスをつかめることもよくあります。
ぜひ参考にしてみてください。
※月刊プロパートナー2019年9月号より抜粋
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関東学園大学経済学部講師
トヨタホームに営業マンとして入社後、7年間クビ寸前の苦しい時代を過ごす。
訪問から「営業レター」に変えたことをきっかけにダメ営業マンから4年連続トップ営業マンに返り咲き。
現在は上場企業を中心に営業研修・講演を行う。