顧問先の不満の声から、契約解消を防ぐヒントを紹介。
今回は、担当者が何度も替わってしまったために解約へつながってしまったケースです。
会うたびに替わる担当者に不信感爆発!
飲食店を始めて30年。10年前から現在の税理士事務所と顧問契約を結んでいます。
確定申告料も含めて年35万円と、その安さが何よりも魅力的でしたし、
2〜3カ月に一度は弊社への訪問もあり、
よく相談にも乗ってもらっていたので、特に不満はありませんでした。
しかし、ここ数年は、訪問のたびに担当者が替わっているような状態でした。
「こんなにコロコロ担当者が替わるなんて、大丈夫かな……」と、心配になってしまいました。
そんな不安が的中。確定申告が迫る2月に、ある事件が起こりました。
今年度の確定申告に必要な書類一式を送ったにもかかわらず、
そこから一切連絡が来なくなったのです。
さすがに心配になり、事務所へ連絡をしたところ
「今は確定申告の手続きに追われていて、ほかの業務もあり、とにかく忙しい」と言われ、
進捗の報告も訪問もありませんでした。
その後、3月のはじめに、会ったことのない職員が突然訪問してきたのです。
連絡がなかった理由を聞いてみると、
「前任者からの引き継ぎが上手く行われておらず、対応が遅くなってしまった」とのこと。
申告自体も不慣れな様子で、なんとも頼りなかったですね。
今後は店舗の大規模修繕を行う予定です。そのため、銀行からの資金調達や、
ゆくゆくは事業承継も考えているので、
新たに税理士事務所を探して、そこに相談したいと思っています。
このままこの税理士事務所にお願いするのは不安なので……。
引き継ぎの仕組み化と、離職防止が解決へのヒント
今回の問題点は大きく二つ。
担当を引き継ぐ際の仕組みが整っていなかったことと、職員の離職率が高いことです。
後任の担当へ引き継ぐ際には、誰でもわかるようなフォーマットを作成して、
必要な顧問先の情報を管理していく仕組みを、職員全員に習慣づけさせることが大切です。
離職防止に関しては、職員の事務所への愛着度を高めることが大切です。
そのために従業員一人ひとりの資質を見極めて育成することや、
上司や所長と1対1でのミーティングを定期的に行って
職員の現状を把握することが、効果的な解決策といえるでしょう。
※月刊プロパートナー2019年10月号より抜粋
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