顧問先の不満の声から、契約解消を防ぐヒントを紹介。
今回は、顧客との旧知の関係が崩せず、解約につながったケースです。
大学時代の上下関係はもうたくさん!
父が経営する建設会社を承継して、もうすぐ3年になります。
会計事務所は父の代からお世話になっているところなのですが、
うちが代替わりするタイミングで顧問担当も新しくなり、
偶然にも私の大学時代の先輩が担当してくれることになりました。
ともにラグビー部で汗を流し、ぶつかり合った仲間なので、気心も知れているのですが、
そのぶん体育会系のノリの上下関係は維持されたまま。
心配ごとがあって連絡しても、背中をバシンバシン叩きながら励まされたり、
お互いにそのまま直帰できるような日は必ず飲みに行き、
ラグビー部時代の武勇伝を延々と語られます。
悪い人ではないのですが、仕事とプライベートの境界線が見えづらく、
さすがに少し疲れてきました。
加えて、会計に関しても、ミスはないにしろプラスアルファのサービスを感じることもほとんどなく、
来期の経営アドバイスがもう少しあってもいいんじゃないかなと物足りなさを感じるようになりました。
一度、もう少し経費計算を柔軟にできないかと相談したのですが、
「先輩である俺のやり方に注文つけようってのか!」と笑い飛ばされてしまいました。
担当が替わっても父の代の頃と顧問料は同じなので、会計の質も能率も下がったように感じる今、
支払っている金額が妥当だとも思えません。
今の担当のレベルにあわせた顧問料にしてほしいという申請は可能なのでしょうか?
もしくは、担当ごと替えてもらってもいいくらいです。
親密だからこそ丁寧な対応を心がけよう
プライベートで交友があるからといって、その流れでサービス提供をするのはご法度です。
特に、紹介での案件受注が大半の士業業界では、
顧客対応の丁寧さといった接客面が他事務所と差別化するポイントにもなります。
だからこそ、きめ細やかな対応を行い、
何かあれば親密に相談できる関係を目指しましょう。
また、交友関係があるからこそ、顧問料の交渉は通常よりも勇気が必要です。
後々の交渉ごとを避けるために、
契約締結時に一定期間内での総業務時間に応じて
自動的に顧問料が増額される規定を盛り込んでおくなど、
予め決めておくと良いでしょう。
※月刊プロパートナー2019年12月号より抜粋
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