
自動車用燃料電池システムの世界市場は2032年に54万台の市場形成を予測
~中国に加え、日本や欧州でも商用車向けの需要本格化へ~
株式会社矢野経済研究所(代表取締役社長:水越孝)は、燃料電池システムおよび部材の世界市場を調査し、水素・燃料電池関連の各国政策、用途別の市場動向、参入企業・大学の動向、将来展望を明らかにした。ここでは自動車用燃料電池システム、及び業務・産業用燃料電池システムの分析結果を公表する。
自動車用燃料電池システム世界市場規推移

1.市場概況
2024年の自動車用燃料電池システムの世界市場規模(メーカー出荷台数ベース)は、前年比75.0%11,960台になったものと推計する。2024年は中国市場において補助金支給の遅れや水素価格の高止まりなどにより、商用車向けの需要が伸び悩んだ。また、乗用車向けでは、①車両・燃費価格が高い、②水素ステーションが少ないという二つの要因から減速傾向が鮮明となったため、市場全体は縮小した。
2.注目トピック
業務・産業用燃料電池システムの世界市場
2024年の業務・産業用燃料電池システムの世界市場規模(メーカー出荷容量ベース)は550MW、前年比103.6%で推移したものと推計する。世界的な電力需要の増加や燃料電池産業の育成に係る支援施策の拡充が燃料電池システムの需要を押し上げており、なかでもデータセンター、人工知能(AI)、暗号通貨セクターなどでの電力需要の急増が追い風になっている。
3.将来展望
2025年以降、主要自動車メーカーからFCV(燃料電池車)の新モデルが市場に投入されることで、乗用車向け燃料電池システム市場は回復基調に転じると想定する。商用車向けでは中国に加え、欧州や日本でもトラックやトレーラー用の需要が本格化し、乗用車向けよりも高い市場成長率で推移するとみる。この結果、2032年の自動車用燃料電池システムの世界市場規模(メーカー出荷台数ベース)は540,000台になるものと予測する。
調査要綱
1.調査期間: 2024年11月~2025年3月 2.調査対象: 燃料電池システムおよび部材メーカー、大学 3.調査方法: 当社専門研究員による直接面談(オンライン含む)、ならびに文献調査併用 |
<燃料電池システムおよび部材市場とは> 本調査における燃料電池システムとは、自動車や住宅、業務・産業、その他用途の各種機器の動力源として組み込まれているPEFC、SOFC、PAFC、MCFCなどの燃料電池をさす。 燃料電池部材においては、PEFCを構成する電解質膜や触媒層、GDL、セパレータ、SOFCを構成する電解質、燃料極、空気極、セパレータ(インターコネクタ)に使用される材料を対象としている。ここでは自動車用燃料電池システム、及び業務・産業用燃料電池システムの分析結果を公表する。 ※PEFC:固体高分子形燃料電池、SOFC:固体酸化物形燃料電池、PAFC:リン酸形燃料電池、MCFC:溶融炭酸塩形燃料電池 |
<市場に含まれる商品・サービス> 燃料電池システム(自動車用、住宅用、業務・産業用、その他)、PEFC部材(電解質膜、触媒層、GDL、セパレータ)、SOFC部材(電解質、燃料極、空気極、セパレータ) |
出典資料について
資料名 | 2025年版 燃料電池システム・部材市場の現状と将来展望 |
発刊日 | 2025年03月28日 |
体裁 | A4 137ページ |
価格(税込) | 220,000円 (本体価格 200,000円) |
お問い合わせ先
部署 | マーケティング本部 広報チーム |
住所 | 〒164-8620 東京都中野区本町2-46-2 |
電話番号 | 03-5371-6912 |
メールアドレス | press@yano.co.jp |
©2025 Yano Research Institute Ltd. All Rights Reserved.
本資料における著作権やその他本資料にかかる一切の権利は、株式会社矢野経済研究所に帰属します。
報道目的以外での引用・転載については上記広報チームまでお問い合わせください。
利用目的によっては事前に文章内容を確認させていただく場合がございます。