常識を覆す!自由すぎる岐阜モーニングの世界へようこそ【岐阜エリア】
常識を覆す!自由すぎる岐阜モーニングの世界へようこそ【岐阜エリア】

こんにちは!名古屋出身ライターのゆららです。

突然ですが、皆さんは「モーニング」と聞いて、どんなメニューを思い浮かべますか?
朝に飲み物を注文すると、無料で朝食がついてくる――そんなモーニングサービス。

その内容で多いのは「トースト・ゆで卵・サラダ・ヨーグルト」などといった組み合わせではないでしょうか。

実際、モーニング文化が盛んな名古屋で育った私も、それ以外のメニューには、あまり出会ったことがありません。

ところが!お隣の岐阜県では、そんな常識をくつがえすモーニングが、次々と登場しているんです。

一体どんなメニューがあるのか?
そしてなぜ、岐阜のモーニングはこんなにも自由度が高いのか?

今回は、他県とは一味も二味も違う、個性豊かな岐阜モーニングの秘密に迫ります!

そんなのアリ!?岐阜のユニークなモーニング3選

まずは、一体どんなメニューがあるのかを知っていただくために、岐阜県のユニークなモーニングを3つご紹介します!

① 食パン1斤?!お土産付きの豪華モーニング《匠珈琲 恵時尊 NEXT》

最初にご紹介するのは、『匠珈琲 恵時尊 NEXT』の“リッチモーニング”。
ドリンク代+150円で、なんと食パン一斤が、丸ごと付いてくるんです!

普通ならスライスして食べるような大きな食パンが、サラダ・スクランブルエッグ・ソフトクリーム・バナナの真ん中に、ドーンと鎮座しています。
そんな見た目のインパクトに加え、ふわふわアツアツのパンに、小倉あんと生クリームをたっぷりつけて食べるのは、まさに至福の時間。

これだけでも大満足なのに、帰り際には、なんとお土産までもらえちゃうんです!
ドリンク・野菜・卵・食パン・ヨーグルトなどの中から、1人1つ、自由に選んで持ち帰ることができます。
なんという気前の良さ!!

メニュー自体は王道ながら、まさに規格外のボリュームとサービスで、岐阜モーニングを代表する一軒です。

  匠珈琲 恵時尊 NEXT 店舗情報
  住所:岐阜県岐阜市柳津町東塚3-1
  営業時間:6:45〜21:00
  モーニング提供時間:6:45~7:40
  アクセス:名鉄竹鼻線「西笠松駅」より徒歩約8分
  公式Instagram:https://www.instagram.com/edison_since1982/

② うなぎ屋さんでアサイー!?日本一朝ごはんが充実している鰻店《本格炭焼うな吉》

続いてご紹介するのは、ちょっと意外な組み合わせが楽しめる一軒。
朝の7時にオープンし、朝限定のメニューを数多く提供する『本格炭焼うな吉』のモーニングです!

このお店では「ミニうな丼」や「うな茶漬け」など、朝にちょうどいい軽めの鰻料理を楽しむことができます。
とはいえ、厳選された鰻と熟練の職人技による本格的な味わいは、朝でも健在。
それをドリンク代+500円の手頃な価格で味わえるのは、嬉しいですね!

しかし、SNSではそれ以上に話題を集めているメニューがあります。
それが、トレンド感満載の「スイーツモーニング」!
なんと、アサイーボウルやクロッフルなど流行りのスイーツを、ドリンクと合わせて748円で楽しむことができるんです。

「モーニングでアサイー」というだけでも珍しいのに、それを提供しているのがうなぎ屋さんとは…!
ガッツリ派も甘党派も大満足の、オールマイティなモーニングです。

  本格炭焼うな吉 店舗情報
  住所:岐阜県岐阜市野一色3丁目16-18
  TEL:058-213-2715
  営業時間:7:00~22:00(L.O.21:30)
  モーニング提供時間:7:00~11:00
  アクセス:JR高山本線「長森駅」より徒歩約20分
  Instagram:https://www.instagram.com/edison_since1982/

③ 朝からワクワク感MAX!たい焼きモーニング≪やっちゃんのキッチン≫

最後にご紹介するのは、なんとたい焼きが主役のモーニング!
たい焼き・サラダ・パスタ・ヨーグルト・ウインナー・ぜんざいが、アフタヌーンティー風のスタンドに盛り付けられて、見た目の華やかさも抜群です。

たい焼きは8種類から選ぶことができ、中には「ピザ」や「チーズウインナー」などのお食事系たい焼きも!
さらに、メインのたい焼きは「たい焼き&おにぎり」「パンケーキ」「焼きそば」に変更することができます。

そして何より驚きなのは、ドリンク付きで600円(パンケーキ・焼きそばは+50円)というお手頃価格。
モーニングと言いつつ、終日注文OKなので、ブランチやランチにすることもできちゃいます。

…ってそれ、もうモーニングではないですよね(笑)
そんな自由で大らかなところも、岐阜モーニングならではの魅力です!

  やっちゃんのキッチン 店舗情報
  住所:岐阜県岐阜市宇佐3-16-11
  TEL:058-203-9583
  営業時間:09:00 - 16:30
  モーニング提供時間:終日
  定休日:月曜日
  アクセス:JR東海道本線「西岐阜駅」より徒歩約20分
  公式Instagram:https://www.instagram.com/yachan_no_kitchen

なぜ岐阜モーニングはこんなに自由なの?

ここまで「岐阜の自由すぎるモーニング」を3つご紹介しましたが、なぜ、岐阜ではここまでユニークなモーニング文化が花開いたのでしょうか?

ここからは、統計や歴史をもとに、その理由を探っていきます!

モーニングの発展を後押しした、岐阜県民の喫茶店愛

まずは改めて、岐阜県の「喫茶店」にまつわるデータをご紹介します。

◆人口1000人あたりの喫茶店数:全国1位(2024年)
◆一世帯当たりの喫茶代支出額:4年連続全国1位(岐阜市, 2020~2023年)
◆喫茶店廃業率の低さ:全国1位(2024年)
◆『喫茶店の利用目的』で「モーニング」を選んだ割合:全国平均の2倍にあたる12%(2023年)

こうして見ると、想像以上に喫茶店文化が岐阜に根付いていることがわかりますね! 特に岐阜市は、東京や横浜といった大都市に匹敵する、異例の喫茶店利用率を誇っています。

こうした喫茶店の多さや来店頻度が、モーニングの発展を後押ししたことがわかりますね。

岐阜県における、喫茶店とモーニングの歴史

しかし、なぜ岐阜県では、喫茶店がここまで日常生活に根付いたのでしょうか?

岐阜県で喫茶店がよく利用されるようになったのは、1950〜60年代ごろのこと。
その背景には、意外にも「岐阜市で繊維産業が盛んだったこと」が大きく関わっています。

どういうことかというと、当時の岐阜市には、打ち合わせ用のスペースがない小さな繊維工場が多く存在していました。そうした工場が、全国から訪れる業者を迎え入れる”応接室代わり”として利用したのが、喫茶店だったのです。

さらに、はるばる遠方からやってくる仕入れ業者や納入業者の休息の場としても、喫茶店は大いに活用されました。
モーニングサービスが始まったのも、そんな彼らを朝早くからもてなすためだったといわれています。

つまり、岐阜の喫茶店は、休日のオシャレな外出先としてではなく、繊維産業を支える労働者の憩いの場として、発展してきたんですね。
そうした歴史から、岐阜県では喫茶店を日常的に利用する習慣が定着したのかもしれません。

岐阜モーニングが豪華なのはなぜ?

最後に、現在の岐阜モーニングの最大の魅力である「気前の良さ」や「豪華さ」についても、少し考察してみましょう!
考えられる要因は大きく3つあります。

1つ目は、物価の安さ。
実は、岐阜県は全国で7番目に物価が安い県なんです。
特に住居費が安いため、コスパ抜群なモーニングを提供しても、比較的経営が成り立ちやすいと考えられます。

2つ目は、ファミリー世帯の多さ。
岐阜県の平均世帯人数は2.49人で、全国5位。
家族連れで喫茶店を利用することが多く、客単価が高くなりやすい傾向があります。さらに、世代を超えてお店の常連になることもしばしば。
そんなファミリー層が喜ぶサービスを追求した結果、現在の太っ腹なモーニングにつながったのかもしれません。

そして3つ目は、自由な発想が昔から根付いていること。
岐阜モーニングが独創性を発揮しだしたのは、なんと昭和40年代。
当時、岐阜のとある喫茶店が始めた「茶わん蒸しモーニング」が人気を博し、異色の組み合わせながら、今では岐阜モーニングの定番となりました。

昔から「型にはまらない」「おもしろいことを取り入れる」精神が、岐阜にはしっかり根付いていたんですね!

おわりに

いかがでしたか?

今回は、岐阜モーニングの自由すぎる魅力と、その背景にある歴史や土地柄について、たっぷりご紹介しました!
取り上げたお店からもわかるように、岐阜モーニングには「もっと喜んでもらいたい」「驚かせたい」という、あたたかいサービス精神がこれでもかと詰まっています。

「朝ごはん」という枠におさまりきらない、でも「朝ごはん」という名目だからこそ、ここまで自由な発想ができる、それが岐阜のモーニング文化なんですね!

今回紹介したのは、ほんの一部。
岐阜にはまだまだ、個性豊かで魅力的なモーニングがたくさんあります!

もし岐阜を訪れることがあったら、ぜひ地元の喫茶店でモーニングを楽しんでみてください。
きっと、朝ごはんのイメージがちょっと変わるはずですよ!

参考

「珈琲・喫茶店」文化を活かした地域振興|岐阜市
https://www.city.gifu.lg.jp/business/sangyoushinkou/1005749/1005752.html
”喫茶代支出 日本一” 岐阜市の喫茶文化振興へ 協議会設立|NHK 岐阜 NEWS WEB
https://www3.nhk.or.jp/lnews/gifu/20250415/3080015607.html
岐阜市、喫茶代3年連続1位 喫茶文化は世代超え熟成|中日新聞
https://www.chunichi.co.jp/article/632776
岐阜のモーニング文化が根付いたのはなぜか|レファレンス協同データベース
https://crd.ndl.go.jp/reference/entry/index.php?id=1000056288&page=ref_view
岐阜のモーニングを徹底調査!コーヒーに茶わん蒸し!?|NHK 名古屋放送局
https://www.nhk.or.jp/nagoya/lreport/article/004/44/
喫茶店の目的、岐阜県民の12%は「モーニング」 全国の倍|朝日新聞
https://digital.asahi.com/articles/ASRC86RJ0RC6OHGB00L.html
データで見る 岐阜県 根付く「モーニング」|毎日新聞
https://mainichi.jp/articles/20240407/ddv/010/040/012000c
消費者物価地域差指数 -小売物価統計調査(構造編)2023年(令和5年)結果-|総務省
https://www.stat.go.jp/data/kouri/kouzou/pdf/g_2023.pdf
令和2年国勢調査 人口等基本集計結果|総務省統計局
https://www.stat.go.jp/data/kokusei/2020/kekka/pdf/outline_01.pdf