年間2729社の経営者層が訪れる「ものづくりのエンターテイナー」  鉄工所がDXで女性比率約7割の先進企業に変身 テルミック(愛知県)

目次

  1. テルミックの成長は、顧客への対応力の高さ それを可能にしたIoTとICT そこにエンターテイメント性が加わり勢いが生まれた
  2. 年間2,729社が工場見学 「みんなで良くなる」ために成功事例を伝える
  3. リーマン・ショックで売上高が80%減、中小受託事業者から脱却し経営改革に踏み出す
  4. 内勤営業にシフトし、オフィス大改造して女性従業員が活躍できる環境を整えた
  5. 直近3年間で売上が過去最高額を更新 顧客対応の仕組み化で、従業員の活躍環境を整備 女性ならではのきめ細かさで取引先50倍
  6. 「DX推進3つのゼロアクション」(紙ゼロ、ルーティンゼロ、残業ゼロ)で、新型コロナ禍の減収を1年でV字回復
  7. 3D全身スキャナーと3Dフルカラープリンターを導入 人間やペットのフィギュアは歳時・記念日・誕生日のサブスクモデルの可能性
  8. 従業員ファーストで「ワクワクする職場」に 「若い従業員を増やした会社が業界を制する」
  9. 先進経営が各方面から評価され、「刈谷SDGsアワード」では最優秀賞受賞
  10. 「日本のものづくりは、技術的にも海外に追い抜かれている DX化が必須」と製造業の未来に警鐘を鳴らす
  11. 2028年経常利益率2割目指す 「もっと豊かなワクワクする会社」にして日本の製造業復権に貢献へ
中小企業応援サイト 編集部
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「ものづくりのエンターテイナー」を目指す先進的な経営改革が、多くの国内外中小製造業経営者の注目を集めているものづくり企業が愛知県刈谷市にある。DXを駆使した革新的なビジネスモデルと従業員ファーストの働きやすい職場が、高い顧客満足度に応える製品を生み出し、金属加工という男性社会が当然だった業界で、女性従業員比率を約7割に高めて急成長を続ける株式会社テルミックだ。国内外から多くの工場見学を受け入れている田中秀範代表取締役社長は、「製造業に携わる人たちを楽しく、ワクワクさせる会社にして、みんなで製造業を良くしたい」として、未来に向けて日本のものづくり復権に貢献する企業像を描いている。(TOP写真:ライブ感あふれる大型ディスプレイは様々な場所にある)

テルミックの成長は、顧客への対応力の高さ それを可能にしたIoTとICT そこにエンターテイメント性が加わり勢いが生まれた

年間2729社の経営者層が訪れる「ものづくりのエンターテイナー」  鉄工所がDXで女性比率約7割の先進企業に変身 テルミック(愛知県)
明るい職場で女性従業員の笑顔もあふれる

テルミックの顧客窓口は、「担当顧客を持ったCustomer connect Divisionスタッフ」=内勤営業という新しい発想の職種だ。Customer connect Divisionスタッフは、顧客の要望にその場で対応する。それが実現できるのは、社内の状況を全てデジタル化し連動した究極の見える化だ。だから製造工程の進捗(しんちょく)状況や、それぞれの部署や個人の受注状況がリアルタイムで表示できる。会社全体がライブの中にいるようだ。まさに「ものづくりのエンターテイナー」と言える。

個人の受注金額をリアルタイムで表示するのも、内勤営業が真摯(しんし)にスピーディに対応した結果と言える。緻密(ちみつ)な仕組みやIoT(モノのインターネット)ベースの設備、その上で従業員の情報共有による一体感とワクワクする演出が「ものづくりのエンターテイナー」となっている。

スピーディかつ正確な顧客対応を支えるのは、多くの協力工場と様々な加工のための自社設備により、業界問わず試作品や単品・小ロット、部品加工の依頼に柔軟に対応する生産体制だ。しかも、社内は自動倉庫やシステム化したラインといったIoT体制でつながっている。最も重要な検査部門は、外観検査はもちろんのこと、3次元測定器やマイクロメーター・栓ゲージ・ピンゲージなど、各種検査機器を用いた高度な品質管理体制を確立している。そんなテルミックを深く理解するために国内外から企業経営者が集まる。

年間2,729社が工場見学 「みんなで良くなる」ために成功事例を伝える

年間2729社の経営者層が訪れる「ものづくりのエンターテイナー」  鉄工所がDXで女性比率約7割の先進企業に変身 テルミック(愛知県)
工場見学に訪れた企業経営者層の人たち

テルミックへの注目度の高さは、年間2,729社(2024年)の企業経営者層が国内外から同社の工場見学に殺到していることが物語っている。田中社長自身も全国から依頼を受けて年間100件ほどの講演をこなしており、「当社に成功事例があるとすれば、それをお伝えすることによって、相乗効果によってみんなで良くなろうと思っています」と話す。

「最近はいろんな人たちに(当社の経営改革事例を)お伝えするのが仕事になっています」。こう言って田中社長ははにかんだような笑顔を見せるが、同社の歴史をひもとくと、2008年秋のリーマン・ショックまでのテルミックは「普通の鉄工所」で、大手自動車部品メーカーの中小受託事業者だった。リーマン・ショックがもたらした業績への大打撃が経営改革に挑む原動力となり、中小企業の経営層が大きな関心を寄せる先進企業に急成長してきた。このスピード感ある大胆な変革こそが同社の最大の魅力だ。

リーマン・ショックで売上高が80%減、中小受託事業者から脱却し経営改革に踏み出す

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「従業員を守れなかった悔しい経験を二度と繰り返したくなかった」とリーマン・ショック時の思いを語る田中秀範社長

テルミックは、田中社長が21歳だった1990年2月に旋盤1台で鉄工所として創業した。1997年に有限会社化し、2001年に株式会社に移行した。「起業しようと思っていたわけではなく、工業高校卒の私に何ができるか考えていたら、機械加工かなと思いました」と、田中社長は35年前を振り返る。愛知県は自動車産業のおひざ元であり、その中でも刈谷市は大手部品メーカーがひしめく工業都市。自動車産業の成長とともに事業は順調に拡大した。

だが、2008年のリーマン・ショックで経営環境が一気に暗転する。当時売上の95%を依存していた大手自動車部品メーカーから「仕事を出せないから自力でやってくれ」と言われた。売上は8割減の2割になった。33人いた従業員が18人に削減。「経営者として、会社を支えてくれた従業員を守れなかった悔しい経験を二度と繰り返したくない」(田中社長)との強い思いが、今日の先進企業・テルミックを生み出した経営改革に踏み出す原点となった。事業内容も自動車部品の下請けから脱却し、航空機や一般産業用機械関連など幅広い業種を対象とする金属加工に広げた。

内勤営業にシフトし、オフィス大改造して女性従業員が活躍できる環境を整えた

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東日本大震災後に内勤営業を真っ先に実践した中川幸作取締役執行役員
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女性従業員中心の明るいオフィス
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広報担当:テル★ラジパーソナリティ、リンリン(右)ノンノン(左)

「私の担当取引先は、東京、静岡、金沢など遠方の企業が多かったこともあり、移動の時間と費用をかけて客先へ訪問する必要があるのかと疑問を抱き、早く帰社したい思いもあって電話とFAXでの内勤営業主体にしたのが東日本大震災後の2011年でした」。中川取締役は営業担当だった当時を振り返る。

内勤営業主体の中川取締役と外回りの営業担当者の売上数字が変わらないことに気づいた田中社長が「中川のやり方で良いのではないか」として、テルミックは2012年から外に出ない内勤営業にシフトした。田中社長には、リーマン・ショック後に女性従業員を採用した際に、女性がきっちりと仕事をこなす能力に気づいており、内勤営業なら女性にも活躍してもらえるとの思いもあった。

ところが、営業が生産管理も担当するため、「人材募集の職種を営業から生産管理に変更しても女性の応募はありませんでした」(中川取締役)。問題は、職種だけではなく、女性が働く環境だった。そこから、女性が安心して働ける職場環境の大改造に乗り出した。トイレをきれいに改修し、化粧を直せる洗面化粧台を設置。オフィスも明るく清潔感のある内装に改め、設備も一新。産休・育休制度も充実させ、産休・育休明けにスムーズに職場復帰し、女性が前向きに仕事に取り組める態勢を整えた。徐々に女性従業員が増え、今では全従業員154人のうち女性が約7割近くを占めている。「昔の男性社会ではわからない、気づかなかったことはたくさんありました。女性従業員の多い会社は、それだけ改善を繰り返してきたということです」(田中社長)という。

直近3年間で売上が過去最高額を更新 顧客対応の仕組み化で、従業員の活躍環境を整備 女性ならではのきめ細かさで取引先50倍

年間2729社の経営者層が訪れる「ものづくりのエンターテイナー」  鉄工所がDXで女性比率約7割の先進企業に変身 テルミック(愛知県)
販売管理と生産管理が一体となった仕組みが女性の活躍の場を広げた
年間2729社の経営者層が訪れる「ものづくりのエンターテイナー」  鉄工所がDXで女性比率約7割の先進企業に変身 テルミック(愛知県)
LEDモニター会議室の様子

ICT技術を活用した業務のDX化は、テルミックの経営改革の柱だ。販売管理と工程管理をシステム化した独自の基幹システムの構築によって、販売管理と生産管理が一体となった仕組みを作った。仕事を受注するためには、材料選定から工程管理、価格交渉が必要だが、基幹システムには過去に見積、受注した、自動車や機械などの金属加工部品の履歴がすべて記録されている。営業担当者が過去履歴から図面を検索し、材料や価格の情報も出てくる。お客様のニーズや納期によって自社加工か、どこの協力工場に出すか判断する。田中社長は「こういう原価や利益率の計算は女性が優れており、製造業には女性が向いていると思います」と話し、女性従業員の仕事ぶりに満足気な表情を見せる。

この仕組みによって、内勤営業を定着させ、取引先数もリーマン・ショック前の50倍に増え、改革を実行に移した2014年1月期からの5年間で売上高は10倍の33億円に拡大した。

「DX推進3つのゼロアクション」(紙ゼロ、ルーティンゼロ、残業ゼロ)で、新型コロナ禍の減収を1年でV字回復

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新たに開設したサービス(見積専用)サイト
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スマート化した常滑工場の検査出荷センター

しかし、新型コロナ感染拡大の影響で業績が足踏みし、2021年1月期には4割の減収に見舞われた。業績が横ばいにとどまり、翌年度の減収が予想された2020年3月には「DX推進3つのゼロアクション」を打ち出し、DXの高度化に乗り出した。3つのゼロは、紙、ルーティン、残業をゼロにすることだ。

新設した新規顧客開拓のCRM Sec.(営業戦略)によるWebマーケティングの強化やサービス(見積専用)サイトの開設などで業績は1年でⅤ字回復を果たしたが、DX強化の手綱は緩めない。中部国際空港近くに立地する常滑オフィスにスマート工場として常滑工場を新設、自動倉庫も増設した。AIやRPA(ロジスティック・プロセス・オートメーション)を使ってルーティンワークや繰り返し作業を自動化し、空いた時間で新たなDX課題に取り組み、業務効率化を推進している。

残業はDX化による属人化作業の減少や勤怠管理の徹底などで2023年1月期以降41%減少10,032時間の削減に成功した。業務のデジタル化やFAXや帳票などの電子化によって、紙は2021年からの4年間で87%(74万8902枚)減らした。

3D全身スキャナーと3Dフルカラープリンターを導入 人間やペットのフィギュアは歳時・記念日・誕生日のサブスクモデルの可能性

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常滑工場の3DLAB
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3D全身スキャナー
年間2729社の経営者層が訪れる「ものづくりのエンターテイナー」  鉄工所がDXで女性比率約7割の先進企業に変身 テルミック(愛知県)
3Dフルカラープリンター

2024年9月には常滑工場に、3D全身スキャナーと3Dフルカラープリンターを導入した3Dラボを開設し、人間やペットのフィギュアを製作・販売する事業を始めた。「当社はBtoBの事業だが、BtoCにも事業領域を広げていけると思っています」(中川取締役)として、結婚式や七五三、成人式などの思い出を形にするビジネスに期待する。これも「ワクワクする事業」だ。

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3DLABで製作したフィギュア
年間2729社の経営者層が訪れる「ものづくりのエンターテイナー」  鉄工所がDXで女性比率約7割の先進企業に変身 テルミック(愛知県)
精度の高い人物のフィギュアは、毎年の家族の歳時・記念日・誕生日のサブスクモデルとして今後大きな市場の可能性

3Dプリンターでの人間やペットのフィギュア製作は、他社でも事業化しているところはあるが高価だ。テルミックは20分の1スケール(9cm前後)で2万5000円(税別)と割安価格に設定し、年間1000万円程度の販売を見込んでいる。

今後は3Dスキャナーを活用して「現物はあるが図面がない部品を再現して作ります」(田中社長)と、現物から図面を起こして部品を製造するビジネスにもつなげていく考えだ。

従業員ファーストで「ワクワクする職場」に 「若い従業員を増やした会社が業界を制する」

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常滑オフィスのカフェスペース

テルミックの経営改革を語る上で、「従業員ファースト」の職場環境の改善に触れないわけにはいかない。オフィスにはカフェスペースやバーカウンターがあり、コーヒーは無料。明るいカフェのような食堂では弁当も無料提供している。産休・育休はもとより、独自の制度、福利厚生もあり、最大3ヶ月の長期休暇制度もある。まだまだ挙げればきりがないほどの支援策が用意されている。手厚い支援を提供するのは、人手不足の時代に「若い従業員を増やした会社が業界を制すると思っているからです。それで会社を好きになって、ワクワクして仕事をしてくれることが、最終的にお客さまの満足度にもつながります」と、田中社長は言い切る。

常滑オフィスに足を踏み入れると、同社のマスコットの「てるみちゃん」が出迎えてくれ、無料のガチャガチャが置かれているなど遊び心があふれている。オフィスは明るくきれいで、壁面には多くのLEDモニターやディスプレイを配置。

年間2729社の経営者層が訪れる「ものづくりのエンターテイナー」  鉄工所がDXで女性比率約7割の先進企業に変身 テルミック(愛知県)
常滑オフィスエントランスには、公式キャラクターがお出迎え

超大型LEDモニターには業績がリアルタイムで表示されるなど、見える化・共有化が徹底され、書類などを運ぶロボットも活躍している。工場は自動化、効率化が徹底され、ここでもその日の作業状況が一目でわかるLEDモニターを各所に配置している。

年間2729社の経営者層が訪れる「ものづくりのエンターテイナー」  鉄工所がDXで女性比率約7割の先進企業に変身 テルミック(愛知県)
オフィスの超大型LEDモニターには社内の状況がリアルタイムで表示されている

先進経営が各方面から評価され、「刈谷SDGsアワード」では最優秀賞受賞

こうした先進的な経営は、各方面からも高く評価されている。地域未来牽引(けんいん)企業認定、あいち女性輝きカンパニー優良企業表彰(常時雇用300人以下の部)、健康優良法人認定、DX認定事業者認定、刈谷SDGsアワード最優秀賞受賞など、挙げればきりがないほどだ。その中でも「刈谷SDGsアワード最優秀賞」は、並みいる巨大企業を抑えての最優秀賞受賞だけに、輝かしい意味がある。

「日本のものづくりは、技術的にも海外に追い抜かれている DX化が必須」と製造業の未来に警鐘を鳴らす

年間2729社の経営者層が訪れる「ものづくりのエンターテイナー」  鉄工所がDXで女性比率約7割の先進企業に変身 テルミック(愛知県)
常滑工場1階フロア
年間2729社の経営者層が訪れる「ものづくりのエンターテイナー」  鉄工所がDXで女性比率約7割の先進企業に変身 テルミック(愛知県)
DX化が進む常滑工場の外観

「日本のものづくりは、今や技術的にも海外に抜かれています。人口減少下の日本がレベルアップしていくためには、DX化が必須であり、そうでないと生き残れません」。田中社長はこう断言して、日本の製造業の未来に警鐘を鳴らす。

DXを推進して、低コスト、短納期、高品質という独自の製造・物流システムを構築し、さらに進化を目指しているテルミックは、日本のものづくりの将来を憂いているからこそ「ものづくりのエンターテイナー」を経営理念に掲げ、工場見学者に同社の成功体験を披瀝(ひれき)し、DXのノウハウを惜しげもなく開示している。

2028年経常利益率2割目指す 「もっと豊かなワクワクする会社」にして日本の製造業復権に貢献へ

年間2729社の経営者層が訪れる「ものづくりのエンターテイナー」  鉄工所がDXで女性比率約7割の先進企業に変身 テルミック(愛知県)
ノギスを持った大きな猫が顔をのぞかせている常滑オフィス

2028年1月期の売上100億円超、経常利益率20%。テルミックの中期経営計画の目標だ。売上63億経常利益率12.9%の2025年1月期に対し、売上で1.6倍の成長を見込んでいるが、田中社長がこだわるのは経常利益率だ。国内の中小製造業では突出して高い利益率目標だが、「コロナ前の2019年1月期から2025年1月期の5年間で売上は倍増しましたが、従業員数は5年前と同じ154人と変わっていません」(田中社長)というから、DX化による業務改善の効果は大きく、テルミックにとっては達成可能な目標といえる。

「もっと豊かな会社にして従業員に還元し、製造業に携わる人たちすべてを楽しくワクワクする会社にして日本の製造業を良くして行きたいと思っています」。田中社長の経営改革は、視野を広げてさらなる高みを目指している。

企業概要

会社名株式会社テルミック
本社愛知県刈谷市小垣江町永田47番地
HPhttps://www.tel-mic.co.jp/
電話0566-28-7766
設立1990年2月
従業員数154人
事業内容  自動車、航空機、産業機械部品など金属加工全般、治具部品加工全般、金型用部品加工、精密部品加工、各種表面処理、熱処理など