日本曹達、有機EL発光材料の量産体制構築に向けKyuluxと資本業務提携

日本曹達株式会社(4041)と株式会社Kyulux(福岡県福岡市)は 、 次世代有機EL発光材料である熱活性化遅延蛍光材料(以下:TADF)に関する量産体制構築に向け資本業務提携契約を締結した。

日本曹達は、化学物質を取り扱う企業。独自の技術とノウハウを蓄積し、農薬、医薬品、特殊化学品など高機能・高付加価値の化学製品を提供している。

Kyuluxは、有機ELディスプレイなどに用いる次世代有機EL発光材料の開発を行う九州大学発のスタートアップ。

背景・目的

Kyuluxの開発するTADFは、レアメタルを一切使用しない環境負荷低減型の新規材料であり、このTADFをアシストドーパント(※1)として活用した有機EL発光技術 Hyperfluorescence™(※2)は高効率、高色純度および長寿命、低コストを同時に実現する究極の発光技術として、今後さらなる事業拡大が期待されている。

日本曹達およびKyuluxの両社は、2020年1月に共同開発契約を締結し、 TADFの生産ノウハウの確立を目標に中間体に関する研究開発に取り組んできたが、 今後の量産開始を見据え、さらなる連携が必要となったことから、2024年10月に資本業務提携契約の締結に至った。

今後、日本曹達はKyuluxに資本参加するとともに、量産体制確立に向けたプロセス開発ならびに設備投資を行い、Kyuluxは日本曹達の量産体制構築を技術面から支援することで、世界初となるTADFの量産と安定した供給体制を目指す。

(※1)アシストドーパント:有機EL材料を発光させるために加える材料。ここでは、Hyperfluorescence™ 技術発光の際に蛍光分子とともに使用するTADFをアシストドーパントと呼ぶ。

(※2) Hyperfluorescence™:TADF を蛍光発光材料と組み合わせることで、TADFから蛍光分子にエネルギー移動させて発光させる第4世代有機EL発光技術。高効率、長寿命およびレアメタルフリーで高色純度の発光を実現できる究極の発光メカニズムとして注目されている。

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(提供:日本M&Aセンター

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