相続
(画像=PIXTA)
澤田 朗
澤田 朗(さわだ・あきら)
日本相続士協会理事・相続士・AFP。1971年生まれ、東京都出身。日本相続士協会理事・相続士・AFP。相続対策のための生命保険コンサルティングや相続財産としての土地評価のための現況調査・測量等を通じて、クライアントの遺産分割対策・税対策等のアドバイスを専門家とチームを組んで行う。設計事務所勤務の経験を活かし土地評価のための図面作成も手掛ける。個人・法人顧客のコンサルティングを行うほか、セミナー講師・執筆等も行う実務家FPとして活動中。

相続が発生した後には、さまざまな手続きを行わなければならない。相続手続には期限の有無があるだけでなく、相続手続き書類の様式や提出先なども多種多様である。ここでは、相続発生後に相続人等が行わなければならない相続手続きについて、時系列でその内容や方法についてお伝えする。

相続発生後7日以内の手続き

治療中の病気などを原因として病院で亡くなった場合など、死因が明らかであれば、死亡診断書は病院から発行される。しかし、死因に事件性があったり、警察官などによる検視や司法解剖が行われた場合は、死体検案書が警察医から発行される。

死亡診断書(死体検案書)・死亡届

「死亡診断書(死体検案書)」と「死亡届」は一体となっており、右側の「死亡診断書(死体検案書)」が医師によって作成され、その後に「死亡届」を届出人が記入して提出することになる。死亡届についての取り決めは以下の通りである。

・届出ができる人:親族、同居者、家主、地主、家屋管理人、土地管理人等、後見人、保佐人、補助人、任意後見人
・提出時期:死亡の事実を知った日から7日以内(国外で死亡した時はその事実を知った日から3か月以内)
・添付書類:死亡診断書又は死体検案書
・提出先:死亡者の死亡地・本籍地又は届出人の所在地の市区町村役場

火葬許可申請書

死亡届と同時に、火葬を行うために必要な火葬許可申請書を提出する。申請書は、亡くなった方が死亡した土地や本籍地の他、届出を行う者が在住している市役所や区役所で受け取ることができ、申請も同じ場所で実施できる

火葬許可申請書を提出することで火葬許可証が発行され、火葬が終了すると埋葬許可証が発行される。なお死亡届・火葬許可申請書は、葬儀会社が提出の代行を行っているケースもある。

相続発生後10~14日以内の手続き

亡くなった方が年金を受給していた場合には、年金受給権が失効してしまうため「受給権者死亡届(報告書)」の提出が必要となる。日本年金機構で個人番号(マイナンバー)が確認できる状態ならば、基本的には受給権者死亡届の申請は行わなくてもよい。

受給権者死亡届(報告書)

亡くなった方に未受給の年金がある際に「未支給年金」の請求をする場合には、請求書を提出しなければ、年金の残額を受け取ることはできない。死亡届の提出と未支給年金の請求は同じ窓口で行えるため、同時に行ったほうがよい。

「受給権者死亡届」と「未支給年金請求」についての詳細な取り決めは以下の通りである。

A:受給権者死亡届(報告書)

・添付書類亡くなった方の年金証書
死亡の事実を明らかにできる書類(戸籍抄本、市区町村長に提出した死亡診断書(死体検案書等)のコピー又は死亡届の記載事項証明書)
・提出先年金事務所又は年金相談センター(障害基礎年金・遺族基礎年金のみを受けていた方が亡くなった場合は市・区役所または町村役場)
・提出期限厚生年金は10日以内、国民年金は14日以内

B:未支給年金・未支払給付金請求書

・添付書類亡くなった方の年金証書
亡くなった方と請求する方の身分関係が確認できる書類
(戸籍謄本等・亡くなった方と請求する方が生計を同じくしていたことがわかる書類)
(死亡した受給権者の住民票(除票)および請求者の世帯全員の住民票 等)
受け取りを希望する金融機関の通帳
亡くなった方と請求する方が別世帯の場合は「生計同一についての別紙の様式」
・提出先年金事務所又は年金相談センター
・未支給年金を受け取れる人年金を受けていた方が亡くなった時、その方と生計を同じくしていた
(1)配偶者
(2)子
(3)父母
(4)孫
(5)祖父母
(6)兄弟姉妹
(7)その他(1)~(6)以外の3親等内の親族

健康保険・介護保険の資格喪失届

亡くなった方がどの健康保険に加入していたかによって、「資格喪失届」の提出先や添付書類は異なる。また、介護保険については、亡くなった方の年齢や要介護認定を受けていたか否かによって手続きの有無が異なる。

A:勤務先の健康保険の被保険者だった場合
手続きは勤務先の担当者が窓口となるため、提出書類等は勤務していた会社の担当者に確認の上、手続きを依頼する。

・提出書類健康保険・厚生年金保険被保険者資格喪失届
健康保険被保険者証(本人分及び被扶養者分)※協会けんぽのみ
その他勤務先から求められるもの
・提出先日本年金機構事務センター、または勤務先を管轄する年金事務所
・提出期限亡くなってから5日以内

B:国民健康保険の被保険者だった場合
主に下記の書類が必要となるが、自治体によって提出書類等が異なるため、確認が必須である。

・提出書類死亡届等死亡を証明するもの・保険証・印鑑
・提出先亡くなった方が住んでいた地域の市区町村役場
・提出期限亡くなってから14日以内

C:後期高齢者医療制度の被保険者だった場合
こちらも自治体によって手続きが異なるが、主に下記の書類等が必要となる。

・提出書類資格取得(変更・喪失)届書
後期高齢者医療被保険者証
後期高齢者医療限度額適用認定証、または限度額適用・標準負担額減額認定証
・提出先亡くなった方が住んでいた地域の市区町村役場
・提出期限亡くなってから14日以内

D:介護保険の被保険者だった場合
亡くなった方が65歳以上(第1号被保険者)、または40歳以上65歳未満(第2号被保険者)で国の定める特定疾病により要介護(要支援)認定を受けていた場合に、手続きが必要となる。

・提出書類資格取得・異動・喪失届
介護保険被保険者証
介護保険負担限度額認定証等
・提出先亡くなった方が住んでいた地域の市区町村役場
・提出期限亡くなってから14日以内

世帯主変更届

亡くなった方が世帯主だった場合は、「世帯主変更届」の提出が必要となる。また、亡くなった方の世帯に2人以上15歳以上の者がいる場合には、新しい世帯主の届けを行う必要がある。

・提出書類世帯主変更届
手続きをする方の本人確認書類、国民健康保険証、後期高齢保険証
在留カード・特別永住者証明書・外国人登録証明書のいずれか(外国人の方)
・提出する人亡くなった方と同一世帯だった人
代理人(委任状と代理人の本人確認書類が必要)
・提出先亡くなった方が住んでいた地域の市区町村役場
・提出期限亡くなってから14日以内

手続き期限は無いが早めに行う必要があるもの

亡くなった方が契約をしていた、以下のようなサービスの解約手続きなどは、引き続き料金が発生してしまう可能性があるため、早めに行った方がよい。

・電気・ガス・水道等公共料金の解約・名義変更
・クレジットカードの解約
・携帯電話・固定電話・インターネットプロバイダー・各種webサービス等の解約・名義変更

運転免許証・パスポートについては更新期限が過ぎれば失効となるので、特に手続きの必要は無い。

相続発生後3~4ヵ月以内の手続き

遺言書の有無の確認・検認等

遺言書の有無の確認に期限はないが、後述する相続放棄・限定承認の手続きは相続発生後3ヵ月以内となっているため、葬儀等が終わった後に早めに確認を行う必要がある。また、遺言書が無ければ相続人の間で遺産分割協議を行う必要があり、公正証書遺言があれば基本的にはその内容通りに遺産分割を行うことになる。

自筆証書遺言があれば「検認」手続きを行い、公正証書遺言の有無を確認するためには、遺言の検索手続きが必要となる。

A:遺言書の検認
検認は相続人に対して遺言の存在・内容を知らせるだけでなく、検認日現在の遺言書の内容を明確にして、偽造・変造を防ぐ目的もある。遺言の有効・無効を判断する手続きではないため、記載内容に不備等があれば、その遺言は無効となって相続人同士で遺産分割協議を行わなければならない。

・申立人:遺言書の保管者、遺言書を発見した相続人
・申立先:遺言者が最後居住していた地域の家庭裁判所
・費用:遺言書1通につき800円(収入印紙)
・必要書類:申立書

申立書に添付する書類は、相続人の立場によって以下のように異なる。

・共通遺言者の出生時から死亡時までのすべての戸籍(除籍、改製原戸籍)謄本
相続人全員の戸籍謄本
遺言者の子(及びその代襲者)で死亡している方がいる場合,その子(及びその代襲者)の出生時から死亡時までの全ての戸籍(除籍、改製原戸籍)謄本
・相続人が遺言者の(配偶者と)父母・祖父母等(直系尊属)の場合遺言者の直系尊属で死亡している方がいる場合,その直系尊属の死亡の記載のある戸籍(除籍、改製原戸籍)謄本
・相続人が不存在の場合
・遺言者の配偶者のみの場合
・遺言者の(配偶者と)の兄弟姉妹及びその代襲者(甥姪)の場合
遺言者の父母の出生時から死亡時までの全ての戸籍(除籍,改製原戸籍)謄本
遺言者の直系尊属の死亡の記載のある戸籍(除籍,改製原戸籍)謄本
遺言者の兄弟姉妹に死亡している方がいる場合,その兄弟姉妹の出生時から死亡時までの全ての戸籍(除籍,改製原戸籍)謄本
代襲者としての甥姪に死亡している方がいる場合,その甥又は姪の死亡の記載のある戸籍(除籍、改製原戸籍)謄本

B:公証役場での公正証書遺言検索
1989年以降に書かれた公正証書遺言であれば、公証役場において、遺言の作成年月日や証書番号、遺言を残した者の氏名や遺言を作成した公証人名の検索と、公正証書遺言の謄本を請求できる。

・検索(謄本請求)できる人相続人等利害関係人
・必要書類戸(除)籍謄本等、遺言の遺した者の死亡記載がある書類
戸籍謄本等、遺言者の相続人であることを明らかにする書類
請求する者の本人確認資料
(下記ABどちらか)
A:運転免許証/マイナンバーカード等と認印
B:交付から3か月以内の印鑑登録証明書と実印

相続人・相続財産の調査

遺言書が無い場合には、亡くなった方の相続人と相続財産の調査を行う必要がある。相続人や相続の対象となる財産が確定しないと、遺産分割に関する協議や相続放棄などの意思決定ができないためである。できるだけ早めに相続に関する調査を行い、次の手続き等を行う準備が必要である。

A:相続人の調査
亡くなった方の戸籍謄本を、死亡時から出生時まで遡りながら取得していかなければならない。戸籍謄本によって、亡くなった方の相続人が確定することになる。また相続人自身も、現在生存していることを証明するために戸籍謄本を取得する必要がある。

・必要書類申請書
運転免許証などの本人確認書類
委任状(代理人が申請する場合)
・手続き先亡くなった方の本籍がある(あった)市区町村役場

B:相続財産の調査
相続財産には現金・預貯金、不動産、有価証券、生命保険金(一定額以上がみなし相続財産となる)などのプラスの財産はもちろん、負債、連帯保証、未払債務といったマイナスの財産もある。亡くなった方の自宅内や金融機関の貸金庫などに財産についての資料があるかどうかを確認し、財産の所在や金額などを把握しなければならない。

預金通帳の入手金や金融機関・カード会社などからの郵送物や、確定申告書・請求書・不動産の固定資産税納税通知書といった書類からも相続対象となる財産の把握は可能である。必要に応じて金融機関等に問い合わせを行い、財産の有無や額等を確認する必要がある。

相続放棄・限定承認

プラスの財産より債務などのマイナスの財産が多い場合には、相続放棄や限定承認といった手続きを行うことができる。相続放棄は相続人全員で行う必要は無く、それぞれの相続人が個別で行うことが可能だが、限定承認は相続人全員が共同で行わなければならない。この手続きが遅れると、相続を全て承認したこと(単純承認)と判断されてしまう。

A:相続放棄の申述

・申述人相続人、法定代理人、特別代理人
・申述期間相続開始を認知してから3ヵ月以内
・申述先被相続人が最後に住んでいた地域の家庭裁判所
・費用申述人1人につき800円(収入印紙)
・必要書類相続放棄の申述書

申述人と被相続人の関係によっては、以下のような追加の書類が必要になることがある。

共通 被相続人の住民票除票又は戸籍附票
申述人の戸籍謄本
申述人が被相続人の配偶者の場合被相続人の死亡の記載のある戸籍(除籍,改製原戸籍)謄本
申述人が被相続人の子又はその代襲者(孫、ひ孫等)の場合 被相続人の死亡の記載のある戸籍(除籍、改製原戸籍)謄本
申述人が代襲相続人(孫、ひ孫等)の場合、被代襲者(本来の相続人)の死亡の記載のある戸籍(除籍、改製原戸籍)謄本
申述人が被相続人の父母・祖父母等(直系尊属)の場合被相続人の出生時から死亡時までの全ての戸籍(除籍、改製原戸籍)謄本
被相続人の子(及びその代襲者)で死亡している方がいる場合、その子(及びその代襲者)の出生時から死亡時までの全ての戸籍(除籍、改製原戸籍)謄本
被相続人の直系尊属に死亡している方がいる場合、その直系尊属の死亡の記載のある戸籍(除籍、改製原戸籍)謄本
申述人が被相続人の兄弟姉妹及びその代襲者(甥姪)の場合 被相続人の出生時から死亡時までの全ての戸籍(除籍、改製原戸籍)謄本
被相続人の子(及びその代襲者)で死亡している方がいる場合,その子(及びその代襲者)の出生時から死亡時までの全ての戸籍(除籍、改製原戸籍)謄本
被相続人の直系尊属の死亡の記載のある戸籍(除籍,改製原戸籍)謄本
申述人が代襲相続人(甥姪)の場合、被代襲者(本来の相続人)の死亡の記載のある戸籍(除籍、改製原戸籍)謄本

B:相続の限定承認の申述

・申述人相続人全員
・申述期間相続開始を認知してから3ヵ月以内
・申述先被相続人が最後に住んでいた地域の家庭裁判所
・費用申述人1人につき800円(収入印紙)
・必要書類相続の限定承認の申述書
共通 被相続人の出生時から死亡時までの全ての戸籍(除籍、改製原戸籍)謄本
被相続人の住民票除票又は戸籍附票
申述人全員の戸籍謄本
被相続人の子(及びその代襲者)で死亡している方がいる場合、その子(及びその代襲者)の出生時から死亡時までの全ての戸籍(除籍、改製原戸籍)謄本
申述人が被相続人の(配偶者と)父母・祖父母等(直系尊属)の場合被相続人の直系尊属に死亡している方がいる場合、その直系尊属の死亡の記載のある戸籍(除籍、改製原戸籍)謄本
申述人が被相続人の配偶者のみの場合又は被相続人の(配偶者と)兄弟姉妹及びその代襲者(甥姪)の場合 被相続人の父母の出生時から死亡時までの全ての戸籍(除籍、改製原戸籍)謄本
被相続人の直系尊属の死亡の記載のある戸籍(除籍、改製原戸籍)謄本
被相続人の兄弟姉妹で死亡している方がいる場合、その兄弟姉妹の出生時から死亡時までの全ての戸籍(除籍、改製原戸籍)謄本
代襲者としての甥姪で死亡している方がいる場合、その甥又は姪の死亡の記載のある戸籍(除籍、改製原戸籍)謄本

所得税の準確定申告

準確定申告は、亡くなった方の所得について申告をする手続きであるが、以下のような一定の要件に当てはまる場合は申告しなくともよい。

A.給与所得が2,000万円以下で、1ヵ所から給与所得を受け取っていた
B.給与所得と退職所得以外の所得が20万円以下
C.公的年金等の収入が400万円以下でそれ以外の所得が20万円以下

・手続きを行う人相続人
・提出先亡くなった方が在住していた地域の所轄税務署
・提出書類準確定申告書、源泉徴収票等
・提出期限相続の開始を認知した日の翌日から4ヵ月以内

相続発生後10ヵ月以内の手続き

遺産分割協議書の作成

作成期限は無いが、後述する相続税の申告期限までに協議がまとまらなければ、法定相続分で申告をしなければいけない。また、相続分割の申告をしないと、延滞税を負担するなどのデメリットとなることもあるため、できるだけ相続税の申告期限までに遺産分割協議書を作成することが望ましい。

相続人間で、誰がどの財産を相続するのかを話し合って合意した後に、その内容に基づいて協議書を作成した上で、署名・捺印をして各相続人が保管しなければならない。

相続税の申告

相続税の納税が必要であれば、相続税の申告書を提出しなければならないが、「配偶者の税額軽減」「小規模宅地等の特例」などの適用によって納税額がゼロになるならば、申告書を提出することで特例等の適用が受けられる。

・手続きをする人相続人等相続税の申告が必要な方
・提出時期相続開始を認知した日の翌日から10ヵ月以内
・提出書類相続税の申告書等

相続発生後1~5年以内の手続き

遺留分侵害額の請求

相続人が兄弟姉妹以外の場合は、亡くなった方の財産の一定割合を受け取る権利がある。これを遺留分と呼ぶが、相続によってこの遺留分よりも少ない財産しか得られなければ、遺留分を侵害されたとして、他の相続人に対してその侵害額を請求できる。

・申立人遺留分を侵害された者(兄弟姉妹以外の相続人)、遺留分を侵害された者の承継人(相続人、相続分譲受人)
・申立先相手方の所在地の家庭裁判所、または当事者間で取り決め合意した家庭裁判所
・費用1200円(収入印紙)
・申立期限相続の開始や遺留分を侵害する贈与、または遺贈の事実を認知した時から1年以内。または、相続開始の時から10年以内
・必要書類申立書及びその写し(相手方の数の通数)
共通被相続人の出生時から死亡時までの全ての戸籍(除籍、改製原戸籍)謄本
相続人全員の戸籍謄本
被相続人の子(及びその代襲者)で死亡している方がいる場合、その子(及びその代襲者)の出生時から死亡時までの全ての戸籍(除籍、改製原戸籍)謄本
遺言書写し又は遺言書の検認調書謄本の写し
遺産に関する証明書(不動産登記事項証明書、固定資産評価証明書、預貯金通帳の写し又は残高証明書、有価証券写し、債務の額に関する資料等)
相続人に被相続人の父母が含まれている場合父母の一方が死亡している時は、その死亡の記載のある戸籍(除籍、改製原戸籍)謄本

埋葬費・葬祭費

亡くなった方の葬儀などに費用が必要な場合には、亡くなった方が加入していた健康保険から、埋葬費・葬祭費が支給される。いずれも葬儀をした日(告別式の日)の翌日から2年を経過した後は請求ができなくなるため、前述の「資格喪失届」の提出をする際に、合わせて手続きを行うことで請求漏れを無くすことができる。

遺族年金の受給申請

国民年金や厚生年金の被保険者であった故人の遺族が、「遺族年金」を受け取るための申請手続きである。遺族年金を受け取る権利は、権利発生から5年を経過後に消滅するため、早めの手続きが必要となる。

・提出先
在住地域の市区町村役場(遺族基礎年金)、年金事務所または年金相談センター(遺族厚生年金)

・提出書類
年金請求書
年金手帳などの証書
戸籍謄本(記載事項証明書)
世帯全員の住民票の写し
死亡者の住民票の除票
請求者の収入が確認できる書類
子の収入が確認できる書類
死亡診断書(死体検案書など)の複写または死亡届の記載事項証明書
受取先金融機関の通帳等

相続税の更正の請求

相続税の申告書を提出した際に、税額を多く申告をした場合等は、相続税額の軽減を求める「更正の請求」手続きができる。相続税申告の期限から5年以内、つまり遺産相続の開始を認知した日の翌日から5年10ヵ月以内であれば請求が可能である。

・提出書類
相続税の更正の請求書
更正の請求の理由を証明する添付書類等

・提出先
所轄の税務署

相続が発生した場合には、死亡診断書の提出など身内が亡くなった7日以内に行わなければならない手続きや、期限が定められていないものの行う必要のある相続手続きもある。

身内が亡くなった悲しみも癒えないうちから、現実的な相続手続きを行うのは心苦しいかもしれないが、できれば期限内に行っていただきたい。

文・澤田朗(相続士、フィナンシャル・プランナー)