皆さん、こんにちは。日本M&AセンターIT業界専門チームの土川幸大と申します。 私はこれまでIT業界に10年間従事してきました。IT業のお客様も担当させて頂き、現在はM&A業界でIT業のお客様をご支援できればと精進しております。
ここで多くのIT企業が直面している課題についてまとめてみます。
人材不足が招く負のスパイラル
1.優秀な人材の採用が困難
中小企業では優秀な人材の採用は困難というお話をよく伺います。 経験やスキルの豊富なエンジニアや、上流工程に対応できるエンジニア、顧客折衝ができるエンジニアといった優秀な人材は、大手企業に流れていきます。
高待遇である事はもちろん、採用コストを十分にかけられる為です。 中には1名採用するのに1,000万円以上のコストをかける企業も存在します。
2.一人前のエンジニアになるまで教育期間がかかる
この状況では中小企業は採用に関して大手企業に太刀打ちできません。 採用コストの差だけでなく、ネームバリューや上場企業のような信用やブランドの差があり、求職者が集まりにくい点もあります。
このような環境の中、中小企業は経験の浅いエンジニア、延いては未経験者を採用し、教育に時間を含むコストをかけていかなければなりません。
エンジニアが一人前になるまで1年や2年という期間では足りません。 3年以上かけて現場で活躍できるエンジニアに育成していくのです。
3.高単価なエンジニアの流出
しかし、経験やスキル、自信をつけたエンジニアは、キャリアアップを目指し、より大手企業への転職を模索します。 待遇面だけでなく、より大きな仕事に挑戦したい、あの有名企業で働いてみたい、といった様々な理由で一人前のエンジニアが流出してしまいます。
4.案件単価、利益率が上がらない
一人前のエンジニアとなり単価も上がったところで流出してしまっては、折角単価の高い案件が舞い込んできても、自社で受けられず受注を断念するかパートナー企業へ外注する事になります。外注すれば自社の利益は上がっていきません。
5.利益が増えない為、給与が上げられない
利益が上がらなければ従業員に支払う給与の源泉が増えない為、給与を上げる事も困難となります。給与等の待遇面を強化できない事により、離職者の増加、採用における応募者数の減少を招き、人手不足という課題の解決は困難となります。