近年、Web3やNFTを活用したトレーサビリティ・証明サービスが注目を集めています。ブロックチェーン技術を用いて製品やサービスの真正性を証明することで、サービスやNFTの価値を高められるのです。
NFTの特性を活かすことで、偽造品の防止やサプライチェーンの可視化、マーケティングへの活用など、様々なメリットが期待できます。
本記事では、Web3/NFTトレーサビリティ・証明サービスの仕組みや導入メリット、選び方のポイントを解説します。
トレーサビリティ・証明サービスを使用したNFTの活用を考えている方は、ぜひ参考にしてください。
目次
Web3／NFTトレーサビリティ・証明サービスとは？
Web3/NFTトレーサビリティ・証明サービス(ツール)とは、ブロックチェーン技術を活用して、製品やサービスの真正性や取引履歴を追跡・証明するためのサービスやツールを指します。
NFTの特性を利用することで、製品の偽造防止やサプライチェーンの透明化、取引の信頼性向上などを実現します。
Web3／NFTトレーサビリティ・証明サービス（ツール）の特徴は以下のとおりです。
| ・NFTの偽造や不正コピーを防止できる ・NFTの所有者や過去の所有者が確認できる ・NFTに関する作品情報、属性などを管理し、容易に検索・参照ができる ・NFT所有による関連サービスの使用権限を証明できる |
NFTに製品情報や取引履歴を記録し、ブロックチェーン上で管理することで、誰でも簡単に真正性を確認できます。さらに、NFTをマーケティングに活用すると、顧客とのエンゲージメント向上や、新たな収益モデルの創出も可能です。
Web3/NFTトレーサビリティ・証明サービスは、さまざまな業界での活用が期待されており、サプライチェーンの効率化やブランド価値の向上、顧客体験の向上などに貢献すると注目されています。
Web3／NFTに強いトレーサビリティ・証明サービスを導入するメリット
Web3／NFTに強いトレーサビリティ・証明サービス(ツール)を導入するメリットは、以下の3つです。
| ・ブランドの信頼性を向上できる ・顧客エンゲージメントを強化できる ・新たな収益機会を得られる |
トレーサビリティ・証明サービスを導入すると、顧客とのつながりが深まり、ビジネス面で大きなメリットが得られます。ぜひサービスやツールの導入・検討に役立ててください。
ブランドの信頼性を向上できる
Web3/NFTトレーサビリティ・証明サービスを導入すると、ブランドの信頼性を向上させられます。複製や改ざんが極めて困難であるNFTの特性を利用し、製品やサービスの真正性を証明できるためです。
高級ブランドのバッグにNFTが付与されたと仮定した場合、NFTから以下のような情報を証明できるでしょう。
・バッグが正規品であること
・品質が保証されていること
・過去の所有者が信頼できる人物であること
NFTを用いた真正性の証明は、ブランドへの信頼や顧客の安心感を高めます。結果として、ブランドロイヤルティの向上や、売上の拡大にもつながるでしょう。
顧客とのつながりを強化できる
Web3/NFTトレーサビリティ・証明サービスを導入すると、顧客とのつながりを強化できます。
NFTを保有していることにより、特別な体験や価値につながるようなサービスを提供できれば、顧客をブランドに引き付けられるのです。
例として、限定モデルのスニーカーを購入した顧客に対して、スニーカーに紐づいたNFTを贈呈したと仮定した場合に考えられる付加価値は以下のようなものがあげられます。
| ・NFTを保有する顧客に向けて限定イベントを開催 ・NFTを保有する顧客だけが入れるコミュニティへの招待 ・関連イベントの案内や優先参加権の付与 |
NFTを通じて顧客との特別な関係性を築くことで、商品やブランドに対してのエンゲージメントを高められるでしょう。
新たな収益機会を得られる
Web3/NFTトレーサビリティ・証明サービスの導入により、新たな収益機会を得るチャンスを作りだせます。
配布したNFTが経済的な価値を持つようになれば、二次流通市場での取引が活性化するためです。NFTの二次販売時にもロイヤルティを得られる仕組みを利用した場合、企業やブランドにとっての収入源となることも期待できます。
たとえば、高級車メーカーが、限定モデルの車のNFTを発行して配布したと想定します。配布したNFTに専用のメンテナンスサービスを受ける権利などが紐づいていた場合、収集価値が高く二次市場で高額で取引される可能性があるでしょう。
Web3/NFTトレーサビリティ・証明サービスの普及によってNFTが広がれば、より活発な取引も期待できます。
Web3／NFTトレーサビリティ・証明サービスの失敗しない選び方
Web3／NFTトレーサビリティ・証明サービス(ツール)の失敗しない選び方を3つ紹介します。
| ・提供サービスの充実度 ・料金プラン ・導入事例・実績 |
トレーサビリティ・証明サービス(ツール)は、目的に合わないものを導入すると失敗する恐れがあります。導入失敗しないように、3つのポイントについて理解しておきましょう。
提供サービスの充実度
Web3/NFTトレーサビリティ・証明サービスを選ぶ際は、提供されるサービスの充実度を確認することが重要です。サービスが充実していれば、自社のニーズに合った使い方がしやすくなります。
たとえば、商品の真贋証明を主な目的とする場合は、NFTの発行や管理だけでなく、製品情報の記録や追跡、認証機能などが提供されているかが重要なポイントになります。
イベントや会場でNFT配布する際のサポートが受けられると、NFTに関するノウハウがない状態でもサービスを利用しやすくなるでしょう。
提供サービスの充実度を見極めることで、自社の目的に合ったサービスを選択でき、効果的にWeb3/NFTを活用できます。
料金プラン
Web3/NFTトレーサビリティ・証明サービスを選ぶ上で、料金プランは重要な要素です。自社のニーズと予算に合ったプランを選ぶことで、コスト効率の良いサービス利用につながります。
料金プランを選ぶときのポイントは、以下のとおりです。
| ・初期導入費用 ・サポート費用 ・オプションなどの追加費用 ・課金制度 |
大量のNFTを発行・管理する必要がある場合は、発行枚数に応じた料金設定プランがコストパフォーマンスに優れています。一方、NFTの利用頻度が低い場合は、月額課金制よりもトランザクション課金制の方が、無駄なコストを抑えられる可能性があるでしょう。
料金プランを総合的に評価し、自社にとって最適なプランを選ぶことが、Web3/NFTサービスを有効活用できるようになります。
導入事例・実績
Web3/NFTトレーサビリティ・証明サービスを選ぶ際は、導入事例や実績を確認しましょう。
導入事例や実績があると、以下の判断材料を得られるためです。
| ・NFTトレーサビリティ・証明サービスに関するノウハウがあるか ・自社サービスと類似する運用の知見があるか ・導入事例・実績による、サービス（ツール）導入後の効果と予測 |
自社と類似するサービスの導入事例を参考にすると、業界特有の課題解決に役立つサービスを見つけられます。
さらに、大手企業やグローバル企業などの導入実績があると、厳しい選定基準をクリアしたサービスだと信頼性も確認できるでしょう。導入企業のインタビューや評価から、実際の使用感や効果を知り、導入後のイメージも掴みやすくなります。
導入事例・実績を調べることで、サービスの実力を多角的に評価でき、自社での活用成功の可能性を高められるのです。
Web3／NFTトレーサビリティ・証明サービスおすすめ2選
おすすめのWeb3／NFTトレーサビリティ・証明サービス(ツール)は、以下の2つです。
| ・Commun Platform ・SHIMENAWA（しめなわ） |
NFTを活用したトレーサビリティ・証明サービスとして、活用事例も多く紹介されています。サービス（ツール）の導入を検討されている方は、ぜひ参考にしてください。
Commun Platform
| サービス名 | Commun Platform |
| 料金プラン | ・コンプリートプラン：300,000円 ・ベーシックプラン：150,000円 ・エントリープラン：50,000円 |
| 導入事例 | ・有田陶磁器まつり のデジタルポストカードの配布 ・ヒステリックグラマーを展開する株式会社オゾンコミュニティにNFT配布サービスを提供 ・菊陽福幸SPORTSフェスにてCOMMUNを採用 |
| 運営会社 | COMMUN |
CommunPlatformは、2023年4月18日にアプリがリリースされた、訪問証明を配布するためのプラットフォームです。主にスマホアプリを活用して、観光地やイベント、店舗などへの訪問を証明するサービスを提供しています。
観光地やイベントにNFT配布用のQRコードを設置し、Communのアプリで読み込むとNFTを取得できるという仕組みです。
CommunPlatformは、リリースしてすぐにヒステリックグラマーを展開する株式会社オゾンコミュニティにNFT配布サービスを提供して話題になりました。
現在はQRコードによるSBT（譲渡・売買をすることのできないトークン）配布や、Astarネットワークに対応するなど、少しずつ機能が拡充されています。
信頼性の高い企業や自治体との実績を増やしているため、今後の展開が期待されるWeb3/NFT・トレーサビリティ・証明サービスになります。
Commun Platformの特徴・強み
| ・必要に応じて3つの料金プランから選択が可能 ・利用者が簡単に利用できるスマホアプリも用意 ・独自の技術により不正・改ざんに強いプラットフォームを実現 |
▼Commun Platformの会社概要
| 会社名 | COMMUN |
| 設立日 | - |
| 所在地 | - |
| 代表 | 丹 将大 |
| 事業内容 | 訪問証明を配布するためのプラットフォームの開発 |
SHIMENAWA（しめなわ）
| サービス名 | SHIMENAWA |
| 料金プラン | 利用目安 2,000円のお米（5kg）あたり：8円 1,500円のいちご（1パック）あたり：6円 5,000円の日本酒（720ml）あたり：40円 具体的な見積もりは要問合せ |
| 導入事例 | ・上川大雪酒造が二風谷アイヌとコラボした北海道初の有機日本酒に導入 ・堀江酒場（山口県）が日本酒最上位銘柄「夢雀（MUJAKU）」などに導入 ・ROYAL BLUE TEA JAPANの1本108万円のボトルドティー「King of Green KIYOHARU Super Elite」に導入 |
| 運営会社 | SBIトレーサビリティ株式会社 |
SHIMENAWAは、ブロックチェーン×IoT（NFCタグ）技術を活用したWeb3/NFTトレーサビリティ・証明サービスです。NFCタグを商品に付けることで追跡と管理が可能となり、商品を消費者が開封したという情報を検知できます。
Cordaという企業間取引での利用に特化したブロックチェーンを利用しており、取引情報の漏洩リスクの減少、企業間で同一の情報が共有できるという特徴があります。
SHIMENAWAは、中国への日本産米の魅力を伝える事業によって開発されたという背景から、日本のお米や食文化、伝統工芸などの実績が豊富です。
2024年時点では、日本酒の蔵元と協力した実証実験が行われるなど、日本酒のブランドの魅力を伝えて顧客獲得に向けた取り組みも進められています。日本の食文化や、ブランドのマーケティング戦略の幅を広げたいと考えている人におすすめのサービスです。
SHIMENAWAの特徴・強み
| ・商品やブランドのこだわりを消費者に深く伝えられる ・企業間取引で優位性があるブロックチェーンを使用 ・料金プランも安くシステムを導入しやすい |
▼SHIMENAWAの会社概要
| 会社名 | SBIトレーサビリティ株式会社 |
| 設立日 | 2021年4月22日 |
| 所在地 | 東京都港区六本木一丁目6番1号 泉ガーデンタワー |
| 代表 | 輪島 智仁 |
| 事業内容 | ブロックチェーンを活用したトレーサビリティ・サービスの提供など |
Web3／NFTトレーサビリティ・証明サービスを導入する際の注意点
Web3／NFTトレーサビリティ・証明サービス(ツール)を導入する際の注意点は、以下の3つです。
| ・ユーザーへの理解促進が必要になる ・セキュリティ対策を徹底しなければいけない ・継続的な運用体制の整備が必要となる |
Web3／NFTトレーサビリティ・証明サービス(ツール)は、導入しただけでは効果を発揮しません。効果を最大化するため、注意点を事前に理解しておきましょう。
ユーザーへの理解促進が必要になる
Web3/NFTトレーサビリティ・証明サービスを導入する際は、ユーザーへの理解促進が課題となります。
NFTやブロックチェーンは、一般的な普及が始まったばかりの技術であるため、サービス利用者に対するていねいな説明が必要です。NFTの仕組みやメリット、利用方法などを分かりやすく伝えなければいけません。
さらに、トレーサビリティ・証明の意義や効果についても、具体例を交えた説明が必要です。ユーザーの理解と信頼を得ることは、Web3/NFTトレーサビリティ・証明サービスの導入成功に直結する大切な要素といえるでしょう。
セキュリティ対策を徹底しなければいけない
Web3/NFTトレーサビリティ・証明サービスの導入には、セキュリティ対策を徹底することも重要です。
NFTはブロックチェーン上で管理されるため、ブロックチェーンのセキュリティが大前提となります。ハッキングや不正利用が行われないように、セキュリティ対策が行われているか以下のような項目をチェックしておきましょう。
| ・NFTを発行・管理するスマートコントラクトの脆弱性 ・ユーザーが使用するウォレットやアカウントのセキュリティ対策 ・二要素認証の導入や、定期的なセキュリティ強化があるか |
トレーサビリティ・証明サービス自体にセキュリティ面の不具合があると、ユーザーに予期せぬ不利益がある可能性もあります。
セキュリティ対策は信頼性を左右する重大な要素になるため、対策を講じてユーザーの資産と情報を守ることが、サービスの質や価値の向上につながるでしょう。
継続的な運用体制の整備が必要となる
Web3/NFTトレーサビリティ・証明サービスを導入する際は、NFTに価値を持たせるための継続的な運用体制の整備が必要です。
| ・ブロックチェーンやスマートコントラクトのアップデート対応 ・トラブル発生時の対応体制 ・ユーザーからの問い合わせ対応 |
技術は日々進歩するため、最新の技術動向を常に把握して、必要なアップデートを迅速に実施することが重要です。また、イベントなどでNFTを発行したときにトラブルが発生することもあるため、迅速に対応できる体制や準備も必要です。
Web3/NFTサービスは継続的な運用と改善を続けるため、ユーザーからの問い合わせやフィードバックをもとにしたサービス改善も求められます。
柔軟で強固な運用体制を整備することが、サービスの長期的な成功につながるでしょう。
【まとめ】おすすめのWeb3/NFTトレーサビリティ・証明サービス
本記事では、Web3/NFTトレーサビリティ・証明サービスの特徴や導入メリット、選び方のポイントなどを解説しました。
Web3/NFTトレーサビリティ・証明サービスは、製品やサービスの真正性を証明し、透明性の高い取引を実現するツールです。NFTの特性を活かすことで、偽造品の防止やサプライチェーンの可視化、マーケティングへの活用など、多様なメリットが期待できます。
自社のニーズに合ったサービスを選択して、ブランドの知名度アップや新たな顧客創出につなげていきましょう。
