タイガー魔法瓶、電気ケトルに関する意識調査、新安全基準に転倒流水試験が追加されるもその認知率は3割未満に

熱制御テクノロジーで世界をリードし、安全性重視の電気ケトルの開発に取り組んできたタイガー魔法瓶は、未就学児6歳以下の子どもをもつ30~40代の男女638人を対象に、電気ケトルに関する意識調査を実施した。その結果、電気ケトルの新安全基準に転倒流水試験が追加されたが、その認知率は3割未満だった。また、電気ケトル使用時のNG行為をしている“やけど予備軍”は半数以上が該当する結果になった。専門家は、「電気ケトルの決まった置き場所がないこと」が危険信号であると指摘。やけど事故を防ぐために「転倒時のお湯もれ防止(給湯ロックボタンがロック状態になっていても、本体を傾けたり倒すと注ぎ口からお湯が流れてやけどのおそれがある)」機能搭載の電気ケトルの使用を推奨している。

電気ケトルの普及に伴い、小さな子どものやけど事故が問題視されるようになり、2021年に「電気用品の技術上の基準を定める省令の解釈についての一部を改正する通達」によって、転倒流水試験(転倒した際のお湯の流出量が50mL以下であること)が追加された。この基準(J60335-2-15(2021))に準拠する電気ケトルは、8月以降、同基準の転倒流水試験条件を満たさないと製品の製造・輸入ができなくなる。

今回、意識調査の結果から、電気ケトルによるやけどを防ぐために注意すべきポイントと、発売当時から「蒸気がでない/蒸気が少ない」「倒れた際にお湯がこぼれにくい」といった安心安全への工夫を重ね、全製品で転倒お湯もれ防止構造を採用しているタイガー魔法瓶の電気ケトルを紹介しよう。

タイガー魔法瓶、電気ケトルに関する意識調査、新安全基準に転倒流水試験が追加されるもその認知率は3割未満に

自身の子どもに対して、ひやっとした経験(ヒヤリハット経験)がある方人は94.3%。そのうち、やけどのヒヤリハット経験がある人は、70.4%にのぼった。乳幼児の子どもが、やけどをしないよう普段から心がけている人は93.1%という結果になった。やけどのヒヤリハット経験エピソード第一位「熱くなった調理器具に触れそうになった/触れてしまった」は、半数以上が経験があると回答した。続いて第二位は「炊飯器の蒸気に触れそうになった/触れてしまった」、第三位は「電気ケトルを触りそうになった/倒しそうになった/倒れてしまった」となった。やけどのヒヤリハット経験がある人のうち、その原因が「電気ケトル」だった人は29.0%にのぼった。

タイガー魔法瓶、電気ケトルに関する意識調査、新安全基準に転倒流水試験が追加されるもその認知率は3割未満に

子どもがやけどしないように気をつけていること第一位は「調理中は近寄らせない」こと。その数は65.2%にのぼった。第二位は「子どもの手が届くところに熱くなる物を置かないようにしている」で、57.5%が該当。そして第三位は「電気ケトルでお湯を沸かしている時に近寄らせない」だったものの、該当者は約3割にとどまった。また電気ケトルによるやけどのきっかけにもなりやすい「調理器具のコードは、子どもの手の届かないところに配線している」について実践している人は、23.8%にとどまった。

タイガー魔法瓶、電気ケトルに関する意識調査、新安全基準に転倒流水試験が追加されるもその認知率は3割未満に

当時のエピソードについて聞いたところ、第一位「子どもが高温になった本体の表面を触ってしまった」、第二位は「子どもが蒸気に手をかざしてしまった」、第三位「お湯を器に入れる際にお湯をこぼしてしまった」となった。・電気ケトルの「転倒」によって、やけどをしそうになった経験のある人はなんと48.7%にのぼった。

タイガー魔法瓶、電気ケトルに関する意識調査、新安全基準に転倒流水試験が追加されるもその認知率は3割未満に

子どもがやけどをしそうになった経験がある人に「当時の電気ケトルの置き場所」について尋ねると、43.6%は「子どもが手の届かない場所」に設置していたことが判明。4割以上が「子どもの手の届かない位置」に置いていたにもかかわらず、やけどのヒヤリハット経験があった。子どもの手の届かない位置に電気ケトルを置いていたにもかかわらず、やけどの危険があった理由を山中先生に聞いた結果、電気ケトルを使用する際のNG行為は「電気ケトルの決まった置き場所がないこと(電気ケトルの定位置が度々変わること)」だということがわかった。「子どもの手の届かない位置」に置いていても、使用中に一時的に置き位置を変えたタイミングでやけどするケースが大半だという。以上を踏まえ、お湯が沸いた後「電気ケトルの置き場所が定位置から変わる」ことがある人を調査した結果、なんと51.8%が該当する結果になった。半数以上が“やけど予備軍”であることが判明した。

タイガー魔法瓶、電気ケトルに関する意識調査、新安全基準に転倒流水試験が追加されるもその認知率は3割未満に

自宅の電気ケトルに搭載されている安全機能について聞いたところ、全く把握していない人が最も多く、その数は31.8%にのぼった。・電気ケトルでやけどする主な要因について着目すると、「転倒お湯もれ防止」が搭載された商品を選んでいる人は22.9%のみ。続いて「本体が熱くなりにくい」機能は31.2%、「蒸気が出ない・少ない」機能は18.7%のみという結果になった。電気ケトルの安全対策については、関心が低い傾向があることが浮き彫りとなった。

タイガー魔法瓶、電気ケトルに関する意識調査、新安全基準に転倒流水試験が追加されるもその認知率は3割未満に

「電気ケトルの新安全基準に、2021年から転倒流水試験(転倒した際のお湯の流出量が50mL以下であること)が追加された」ことを知っている人は23.7%にとどまった。

タイガー魔法瓶、電気ケトルに関する意識調査、新安全基準に転倒流水試験が追加されるもその認知率は3割未満に

子どものやけどや事故に至る危険性について情報収集している人は42.7%で、電気ケトルのやけど事故の報道・ニュース等を知っている人も43.0%。いずれも4割程度にとどまる結果となった。

子どもの事故防止の第一人者で小児科医の緑園こどもクリニック院長の山中龍宏先生は、「生後10ヵ月から1歳半の間に、乳幼児の3人に1人はやけどの経験があるといわれている。電気ケトルによる重度のやけどを負うケースも多発している。過去の事例では、子どもがハイハイしていて電気ケトルにぶつかり、漏れ出た熱湯で重度のやけどを負ったケースもある」と指摘する。

「電気ケトルでやけどする危険性が高まる要因の一つは“電気ケトルの決まった置き場所がない”こと。電気ケトルは手軽に“どこにでも”置くことができる。電気ケトルの決まった置き場所がない人は、意識せずに、子どもの手の届く場所に置いてしまいやすくなる。そのふとした瞬間に、子どもが誤って倒してしまいやけどをするケースが多発している。普段から、電気ケトルの定位置を決めて、使用時にも“定位置以外の場所には絶対に置かない”癖をつけることが大切だ」と注意喚起する。

「電気ケトルによるやけど事故が多発したことを受け、『乳幼児がぶつかる力』を計る実験と『電気ケトルの転倒』実験を行ったことがある。その結果、ハイハイする10ヵ月児が電気ケトルに接触する際にかかる力は、133ニュートン(13kg)であることがわかった。そして、各社の電気ケトルに133ニュートンの力をかける実験を行った結果、すべての電気ケトルが転倒し、お湯の注ぎ口が大きなタイプでは、わずか5秒で入院が必要(=体表の10%以上やけど)になるほどお湯が広がる結果となった。この結果からも、万一の転倒に備えて『転倒お湯もれ防止機能』が搭載されている電気ケトルを使ってもらいたいと考えている」とのこと。

「お湯が入っている量が少ないと電気ケトルは軽くなり、乳幼児の力でも簡単に倒れてしまう。すぐに熱湯が沸くので、保護者がちょっと離れた隙に、子どもが電気ケトルに触れたり、倒したりしてやけどをしてしまう。やけどを負うと、本人は、何度も植皮手術を受けねばならないなど、何年にもわたって治療が必要となり、多額の医療費がかかる。時には、指が十分に伸びないなどの機能障害が残ってしまい、傷痕は消えない。保護者は、傷痕を見るたびに負い目を感じ、心を痛めることになる」と警笛を鳴らす。

「これまで、国レベルで、“お湯もれ防止機能を規格化すべき”だと指摘し続けてきた。今回の新安全基準の改正はまさに私が長年望んできたこと。今回の新安全基準の改正の通り『倒れてもこぼれにくい』ものや、『蒸気レス』等の安全対策の施された電気ケトルを使用すれば、やけどの頻度や重傷度を軽減することができると考えている。電気ケトルの熱湯で子どもが大やけどをするのを防ぐため、どうか親には、安全対策の施された電気ケトルを使用することを願っている」と訴えた。

「転倒お湯もれ防止」は、全タイガーケトルに対応。万一倒れた場合でもお湯もれを最小限におさえる。お湯もれによるやけどのおそれを少なくする。

蒸気が出ない「蒸気レス(本体が温かいときに湯わかしをすると注ぎ口から蒸気が出る場合がある)」は、PTQ-A100、PCK-A081、PCK-T060、PCJ-A082/A102に対応。2つのタイガー独自技術「スピード蒸気検知」と「蒸気キャッチャー構造」によって、蒸気を外に出さない。

蒸気レス電気ケトル(温度調節機能つき)PTQ-A100は、充実の機能とデザイン性を兼ね備えたタイガー電気ケトルの最高峰。カップ1杯分約45秒の業界最速(6月13日現在家庭用電気ケトルにおいて水温・室温23度、定格消費電力でカップ1杯分約140mLにおいて通電自動オフするまでの沸とう時間(同社測定法PTQ-A型はダイヤル100設定時))沸とうする。

蒸気レス電気ケトルPCK-A081は、安全設計と使いやすさを兼ね備え、こだわりの空間にもなじむモノトーンのマットな質感と端正なフォルムとなっている。カップ1杯分約45秒の業界最速沸とうする。

[調査概要]
調査対象:未就学児6歳以下の子どもがいる全国の30歳~40歳の男女638人
調査方法:ジャストシステム「Fastask(ファストアスク)」を用いたインターネットリサーチ
調査期間:4月30日(火)~5月6日(月)
※結果数値は小数点以下を適宜四捨五入して表示しているため、積み上げ計算すると誤差がでる場合がある
※タイガー魔法瓶「電気ケトルの新安全基準に関する意識調査」から引用

タイガー魔法瓶=https://www.tiger-corporation.com/ja/jpn/