常識に縛られない“ユニキャリア”を指南するパラレル活動家の挑戦
岡田慶子(おかだけいこ)さんは、異業種・異職種10社超えの転職経験を持ち、現在はキャリアコンサルティング事業『ユニキャリア』を主宰しています。過去の実績にとらわれず、これからやりたいことに目を向ける『シン・ジブン主義』を提唱し、ユニークなキャリア支援に取り組んでいます。人生の指針探究や、キャリアの再設計ワークショップなど、多様なプログラムを展開する岡田さんに、活動の原動力について伺いました。

パラレル活動家として新しいキャリアを形成

常識に縛られない“ユニキャリア”を指南するパラレル活動家の挑戦

私はこれまで、異業種・異職種10社以上の転職を重ね、その間にもフリーランスを4回経験してきました。メーカーや商社から始まったキャリアの中で、仕事の内容に共通点はほとんどありませんでしたが、「面白そう、やってみよう」という好奇心と探求心が常に私を動かしてきたことは一貫しています。

当時は先のことを決めず、やれることがなくなったと感じたら、求人誌を見て面白そうだと思ったことに飛び込みました。そして新しい環境では、即戦力になるべく爆速でキャッチアップに取り組みました。この姿勢が、私のキャリアを支える原動力であると考えています。

これまでに、教育、マネジメント、メディアと多岐にわたる業界で経験を積んできました。これらはすべて私のユニークなキャリア、自分自身を形づくる一部です。多くの人が一つのキャリアパスに沿って生きるなか、私は自分自身の色々な面を探求し続けることで、真の自己実現を目指しています。このようなユニークなキャリアで生きる人のことを、私は『パラレル活動家』と呼んでいます。

私がパラレル活動家として重視しているのは、DEIの実現です。DEIは、多様性(Diversity=ダイバーシティ)、公平性(Equity=エクイティ)、包括性(Inclusion=インクルージョン)の頭文字から取った理念ですが、私はこれらを日々の活動、ひいては生き方の中に反映したいと考えています。

これまで異業種での経験を通じて、多くの異なる背景を持つ人々と協働してきました。その中で実感したのは、さまざまな視点やアイデアを持った方と交流することで、より豊かで包括的な解決策が生まれるということです。同質的な人や組織を超える力がそこにあります。DEIの理念は、私たちの社会がもっと柔軟で開かれたものになるための鍵だと信じています。

「社会の景色を変える」ことが原動力

常識に縛られない“ユニキャリア”を指南するパラレル活動家の挑戦

私の活動の根底には、「社会の景色を変える」という大きな目標があります。一見、おこがましい言葉ですが、これには2つの意味があります。1つは、さまざまな活動をすることで当事者の社会の見方が変わること。もう1つは、さまざまな活動を通して社会を知り、関心領域での活動に従事することで、事象として社会が変わるということです。

これは、個々の活動が積み重なることで、社会全体にポジティブな影響を与えるという信念から来ています。私たちが日常的に行う選択は、たとえ少しずつであっても社会の変革を促すことにつながるはずです。

たとえば、私の異業種間での多様な経験が、新しいアイデアや方法論を生み、他の人々にインスピレーションを与えることもあります。こうした小さな連鎖反応が、大きな社会的変化を生み出す原動力になるのではないかと考えています。

株式会社スコラ・コンサルトの柴田昌治さんとの出会いは、人生における重要な転機として、キャリアだけでなく、人生観にも大きな影響を与えてくれました。柴田さんからは、社員一人ひとりの内発的な動機と創意工夫が、組織の成長を支える原動力であることを学びました。それ以来、私は人々の多様な可能性を引き出すことが、組織や社会全体の柔軟性と成長に繋がると確信しています。

常識に縛られないユニークなキャリアを築く

常識に縛られない“ユニキャリア”を指南するパラレル活動家の挑戦

「ユニキャリア」という概念を、私は大切にしています。これは、個々人が自分だけのユニークなキャリアを築くことを意味します。社会が一般的に求める「成功」や「常識」に縛られることなく、一人ひとりが自分自身の価値や強みを生かして生きることは、真の生き甲斐、幸福に繋がり、活力ある社会を形づくると信じています。

私自身のキャリアは、常に「これ面白そう」と感じたことにチャレンジすることで形成されてきました。これらに一貫性はないかもしれませんが、それぞれの経験は私の視野の拡張や視座の変動に貢献し、人生を豊かにしてくれています。

パラレル活動家として、「自分の道を切り開く勇気」をメッセージとして社会に発信し続けたいと思っています。「誰もが唯一、ユニークな存在。何やったって、その足跡はキャリアになる」と考えています。

ロールモデルも、時代の要請も横において、自分の真の充足度に目を向け、自身のユニークな価値を理解し、それを活かす、新しい扉を開ける人を応援し、支援し続けていきたいです。