2023年の豆腐市場は、金額ベースで前年を超え、数量ベースで微減となったもようだ。
カテゴリ別では、絹ごし豆腐が前年を下回り、充填豆腐と木綿豆腐が好調だ。充填豆腐は日持ちすることから、絹ごし豆腐から充填豆腐へシフトする動きが引き続きみられる。
さらに、2023年の猛暑や残暑により冷奴需要が高まったことも、充填豆腐の好調を後押しした。小分け豆腐や小容量タイプも同様の理由で伸長している。
一方、残暑が長引いたことから鍋需要が減り、鍋用の商品は苦戦したとの声も聞かれる。
木綿豆腐に関しては、絹ごし豆腐と比較して栄養価が高い面が評価されている。油揚げは、金額ベースで前年同様の実績を築いたが、数量ベースでは下落した。その中で、カットする手間を省けるきざみ揚げが、簡便性の良さから好調だった。また、国産大豆を使用した商品が伸長した。
油揚げは料理のバリエーションが少ないことから、新たな食シーンを提案するべく、さとの雪食品からメーンを張れるような「花ざぶとんふんわりお揚げ」が発売された。同商品は大きく分厚い油揚げで、焼く、煮る、炒めるといった調理法をパッケージで提案していく。
アサヒコは、油揚げ市場の中でも国産の手揚げや、きざみ揚げが伸長していることを受け、国産大豆を使用したきざみ揚げの「国産大豆昔あげきざみ」を発売する。
〈2023年納豆市場は食品全般の値上げで相対的な値ごろ感が支持、価格改定で前年越え〉
納豆市場は、数量ベースでは前年並み、金額ベースでは前年を上回った。これは、2023年に各社が価格改定を実施したためだ。食品全般が値上げした中、元々安価な納豆に値ごろ感が生まれたことで数量を維持したと推測される。
価格改定により消費金額も上昇しているが、上げ幅は鈍化しているようだ。納豆メーカーによると「納豆は価格面でばらつきが少ない。指名買いも少ない。予算が合わなければ他の商品を買っていく」と指摘する。
カテゴリ別では、フレーバー納豆の好調が続いている。伸長率が高く、差別化も図りやすいこともあり、各社が力を入れているカテゴリでもある。フレーバー納豆の商品が増えてきたことで、おかずのように喫食されるシーンも増えているという。
粒形別では、ひきわり納豆が引き続き好調なカテゴリとなっている。大粒は堅調な動きを見せている。中粒は苦戦気味のようだ。ただ、中粒は市場でのボリュームが小さい点に着目し、中粒納豆を発売したメーカーもあり、今後の動向に注目したい。
〈大豆油糧日報2024年3月22日付〉