直近3年間において賃上げを実施した企業は80.3%に上ることが、デロイト トーマツ グループ(東京・千代田、木村研一CEO)の「人事制度・報酬調査2023」で明らかとなった。(文:日本人材ニュース編集部

8割超の企業が賃上げを実施、前年比15ポイント増

直近3年間において賃上げを実施した企業は80.3%で、2022年度の調査結果(65.3%)より15ポイント高い結果となった。

【直近3年間における賃上げの実施・検討状況】
直近3年間で引き上げを実施した 80.3%
今後実施する具体的な計画がある 5.3%
具体的な計画がない・検討していない 約10%

賃上げ率は、初任給から本部長級までのいずれの階層においても、例年より「2~4%程度」高いとする回答が最も多い(40.8%~50.5%)。

【標準一般社員 引き上げ率(年間報酬ベース)】
10%超    2.8%
8~10%程度 6.0%
6~8%程度 10.7%
4~6%程度 15.8%
2~4%程度 49.3%
2%未満   15.3%

【初任給 引き上げ率(年間報酬ベース)】
10%超    8.9%
8~10%程度 3.7%
6~8%程度 12.6%
4~6%程度 18.3%
2~4%程度 40.8%
2%未満   15.7%

賃上げの目的については、6割の企業は「従業員のモチベーション向上」(62.7%)や「物価上昇への対応」(61.3%)と回答しており、「従業員の離職低減」(19.3%)や「外部からの人材獲得」(17.5%)を目的とする企業は約2割に留まる。

賃上げの動向についてデロイト トーマツ グループでは「97.2%の企業は賞与や手当等ではなく基本給を引き上げる形で賃上げを行っており、また対象を絞らず全従業員を賃上げ対象とする企業(今後実施する具体的な計画がある企業も含む)は80.1%に及ぶことから、内部公平性を確保し全体の底上げを図る賃上げが主だっていることがうかがえる」とした。

全産業における、基本給・諸手当・賞与を含めた年間報酬額の中央値は、「部長級 / Senior Manager」で 1131.2万円、「課長級 / Manager」は 916.9万円、「標準一般社員 / Middle Member」は479.8万円となった。

2022年度と比較すると、管理職層は3.7~5.5ポイント増、非管理職層は3.3~6.3ポイント増、スペシャリストは1.2ポイント増と、シニアスペシャリストを除く全ての階層で年間報酬水準が高くなっている。

参加企業全体の92.0%がデジタル人材を獲得/育成する必要性を感じている一方で、そのうち具体的なアクションは未だ取られていない企業が50.6%と過半数を占めた。

デジタル人材マネジメントにおける問題意識としては、「報酬水準の自社水準とのアンマッチ」を挙げた企業が44.4%と最も多く、デジタル人材採用・処遇の習熟度の高低を問わず多く挙げられた。次いで多く挙げられたのは「社内での育成対象者/候補者の少なさ」で34.6%となった。

調査は2023年7月~9月に実施し、264社の回答を得た。(製造業126社、非製造業138社/ 上場企業184社、非上場企業80社)

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