アクサ生命、「従業員が望むウェルビーイング」に関する意識調査、「健康経営」実践企業の従業員は夢や目標に前向き

アクサ生命は、経営者200人と働く人1万5000人を対象に、働き方とウェルビーイングに関する調査を実施し、集計した結果をまとめた。その結果、働き方とウェルビーイングについての調査では、働く上で重視していることは、「給与」、「休暇の取りやすさ」に次ぎ3分の1が「やりがい」を重視し、働く人の半数以上が仕事に対して「ストレス」を感じていると回答した。また、中小企業は大企業に比べてメンタルヘルス対策の体制が整っていないこともわかった。中小企業の健康経営とウェルビーイングについての調査では、「健康経営」を導入・実践する中小企業の従業員の約7割が仕事にやりがいを感じている。「健康経営」を導入・実践または認知している中小企業では、将来の夢や目標を持つ従業員が過半数を占める。従業員の約4割が、健康経営を導入・実践している企業に「魅力を感じている」と回答していた。

日本では、少子高齢化と生産年齢人口の減少が進み、企業は働き手の確保に迫られている。そのような経営環境におかれた企業では、優秀な人材を確保するために、人的資本への投資の充実が急務となっている。その中でクローズアップされているのが、健康を経営的視点から捉え、戦略的に実践する「健康経営」。日本の経済を支えている中小企業が健康経営の導入・実践に取り組み、従業員のやりがいや活力、ワーク・エンゲイジメントを高めて、組織の生産性を向上させることは、企業の持続可能な成長や発展にもつながり、地域社会の活力を高めることにもつながる。

このような背景からアクサ生命は、2014年から健康経営の普及啓発活動に取り組み、健康経営を導入・実践する企業をサポートしている。健康経営優良法人認定制度の取得を目指す企業に対しては、独自のサポートプログラムを提供して、健康経営の成熟度を高める企業の取り組みをバックアップしている。2023年度は、健康経営に取り組む企業約5万9000社(2022年実績)をサポートしている。

今回の調査結果は、経営者200人と全国の働く人1万5000人に聞いた。

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働き方とウェルビーイングについての調査では、働く上で重視していることを聞いたところ、「給与(70.9%)」が1位、次いで2位は「休暇が取得しやすい(36.2%)」、3位は僅差で「仕事へのやりがい(35.5%)」となった。待遇面を重視しながらも、働く人の3分の1が仕事にやりがいを求めていることがわかった。

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続いて仕事に対してやりがいを感じるときを具体的に聞くと、「自分の仕事がうまくいったとき(62.2%)」、「自分が興味のある・得意な仕事をしているとき(41.2%)」、「上司から評価されたとき(31.2%)」といったポイントが挙げられた。

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働く人の「ストレス」の程度について聞くと、半数以上が、仕事に対して「ストレスを感じている(25.2%)」「ややストレスを感じている(31.6%)」と回答した。仕事に対してストレスを感じるときを具体的に聞くと、「自分の仕事がうまくいかなかったとき(34.7%)」、「給与があがらないこと(34.2%)」、「自分が興味のない・不得意な仕事をしているとき(30.4%)」といったポイントが上位として挙げられた。この結果から、経営者は従業員の「やりがい」を充実させることと同様に、従業員のストレスやお金の健康に向き合っていくことも重要であると考えられる。

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経営者が考える経営課題とその取組状況については、企業規模や「健康経営」の認知や実施に関わらず、経営者が重視する要素は「ヒト」がトップになった。人財が大切であることは、多くの経営者に共通した想いであり、特に「健康経営」を認知・実施している企業の経営者において、その想いが浸透していることが見られる。

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人財重視の一方「健康経営」を実施している中小企業は未だ限定的であることがわかった。「健康経営」の認知層において、大企業の半数以上が実施している一方、中小企業は約30%にとどまっている。しかしながら、40%以上の中小企業は実施の予定や希望があることがわかり、「健康経営」への関心の高さがうかがえる。

「健康経営」とは企業が従業員の健康を経営的視点から考え、戦略的に実践することを意味する。「人という資源を資本化し、企業が成長することで、社会の発展に寄与すること」が、これからの企業経営にとって、ますます重要になっていくものと考えられる。

アクサ生命、「従業員が望むウェルビーイング」に関する意識調査、「健康経営」実践企業の従業員は夢や目標に前向き

「健康経営」の認知と取り組み状況については、従業員の身体の健康面ケアで半数を超えるのは健康診断の実施のみとなった。大企業では、健康診断以外にも多彩な方法が行われている一方、中小企業では限定的なサポートにとどまっているのが現状だ。

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中小企業と比較して大企業はメンタルヘルス対策の体制が整っていることも明らかとなった。大企業ではメンタルヘルスケアが進んでいる一方、ストレスチェックが努力義務の事業所が多い中小企業では、約60%が「実施しているものはない」と回答。そのため、中小企業の回答は、全体的に10%以下という結果になっている。

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「健康経営」認知層の中小企業はメンタルヘルスケアの実施率が高いこともわかった。メンタルヘルスケアの実施について、「健康経営」を認知している企業は、していない企業と比較してすべての項目で割合が高くなっている。しかしながら、何も実施していない企業も40%以上あり、対応に苦慮していることが見受けられる。

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改善すべき経営課題では、企業規模を問わず人財に関する課題の改善意識は高いことが明らかになった。企業が抱える経営課題の中でも、人材獲得や人材育成など人財関連の課題は、企業規模に関わらず最重要事項とみなされている。

また、「健康経営」を認知する企業は、認知しない企業に比べて課題の改善意識が高いこともわかった。「健康経営」を認知している企業は、すべての項目で、非認知企業に比べて課題の改善意識が強く、過半数の企業が人財関連の課題への取り組みを重視している。

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人財に関する課題取組が遅れる傾向にある中小企業では、具体的に実施することが「特にない・わからない」の割合が一番高く、行うべき明確な方針を持てない企業が多いと推測される。人財に関する経営課題への取り組みも、大企業に比べて遅れている。

「健康経営」を認知している企業は経営課題への取り組みが積極的だった。「健康経営」を認知している企業は、従業員の働き方やウェルビーイングに関する経営課題への取り組みが、積極的であることがわかった。

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「健康経営」を実施している中小企業のウェルビーイングについては、ビジョン・理念の共感度は高いことが明らかとなった。「健康経営」実施層では、約6割がビジョン・理念に「共感する」「やや共感する」としており、認知層でも約4割に達している。

また、やりがいを感じる従業員が多いこともわかった。「やりがいを感じている」、「やや感じている」従業員の比率は、実施している企業で約7割にのぼる。

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定年まで働きたいと考える人が多い。定年まで働き続けたいと考える従業員は、「健康経営」非認知層の2倍以上になっている。

具体的な夢や希望を持った従業員も多い。「健康経営」実施・認知層では、将来の夢や目標について、「具体的にやりたいことがある」、「まだ漠然としているがやりたいことはある」と答えた従業員が過半数を超えていた。

将来の夢や目標があり、前向きな人生観を持つことは、仕事も前向きに捉え、仕事のやりがいにもつながる。「健康経営」の一環として、従業員が将来の夢や目標を見つめ直し、仕事もプライベートも満足度が高い「ウェルビーイング」の実現に自信を持てる機会をつくることも重要となる。

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人生で大切なこと・金融資産についてでは、人生において最も大切なのはお金の心配をしないことと回答していた。企業規模や「健康経営」の認知に関わらず、従業員は人生において大切なこととして、「お金の心配をしないで生活できること」「健康の心配をしないで生活できること」「家族」を上位3項目として回答していた。

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中小企業の従業員の多くは、お金の心配をしたくないと思いながらも、預金以外の資産を持てていないこともわかった。中小企業の従業員は、預金が一番の金融資産で、その他の金融資産とは2倍以上もの開きがある。このグラフからも、近年問題となっている日本人の「金融リテラシーの低さ」が浮き彫りになっており、お金の問題が深刻であることがわかる。そのような中、「健康経営」を実施・認知している企業の従業員は、非認知企業の従業員に比べて多くのことに関心をもっていることがわかる。

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中小企業における従業員の健康についてでは、従業員視点でも「健康経営」実施企業とそうでない企業では取り組み内容に差があることがわかった。従業員から見た「健康経営」の取り組みの内容は、「定期健康診断の実施」や「年齢に応じた人間ドックや婦人科検診の実施」等に限定されているようだ。

「健康経営」を実施している企業の従業員は身体面の健康に関する意識が高いことも明らかになった。「健康経営」を実施している企業の従業員は、身体面の健康に関して個人でも取り組んでいることが多くあり、健康に対して意識が高いことがうかがえる結果となった。

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「健康経営」を実施している企業の従業員は、会社の身体面での健康に関する取り組みに対して満足度が高いこともわかった。「健康経営」を実施している企業の従業員は、会社の身体面での健康に対する取り組みに「満足している」「やや満足している」人が66.5%と7割に近い。

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中小企業における従業員のメンタルヘルスについてでは、「健康経営」を実施している企業はメンタルヘルスの相談窓口設置や研修を行っているところが多い。「健康経営」を実施している企業では、「ストレスチェックのアンケートの実施」や「メンタルヘルスに関する相談窓口の設置」をはじめとした、メンタルヘルスケアの取り組みが、認知企業・非認知企業に比べて実施されていることがわかった。

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「健康経営」を実施している企業の従業員は、会社のメンタルヘルスに関する取り組みに対して満足度が高いこともわかった。

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「健康経営」を実施している企業の従業員は、その他の企業の従業員に比べて、メンタルヘルスに関して自ら心掛けたり、取り組みを行っている率が高い。一方で、身体の健康に比べると、まだ何が必要かを理解しきれていないことがうかがえる。

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中小企業の従業員満足度・福利厚生についてでは、経営者・従業員ともに福利厚生が「充足している」と感じていないことが明らかとなった。多くの人が人生において「お金の心配をしないで生活できること」を重視しているなか、会社の制度として財産形成支援が充足していると感じている経営者・従業員は少ないようだ。

「健康経営」実施企業の従業員は、今よりも将来のお金に関する不安が大きいことがわかった。「健康経営」非認知企業が今のお金に不安を感じている一方、「健康経営」を実施している企業の従業員は将来のお金に不安を感じているようだ。

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また、今後保有したい金融資産がないと答えた人の率がもっとも高かった。従業員が保有したい金融資産について、NISA・iDeCo等に興味を持っている人が若干いるものの、「何を保有すべきかわからない」「今後保有したい金融資産はない」と答えた人が圧倒的に多い。

お金の悩みについて相談の必要がないと答えたのは非認知層が多かった。「健康経営」を実施している企業の従業員には、「ライフプランに基づく長期的な家計管理」や、「老後の生活設計」など将来的なことについて相談したいと考えているようだ。

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最後に働く人に対して、健康経営を実施している企業に対して魅力を感じるかを聞くと、39.9%が「魅力を感じる」「やや魅力を感じる」と回答した。「健康経営」に期待する効果としては、健康状態の改善(39.1%)、モチベーションやワーク・エンゲイジメントの向上(32.4%)、組織の活性化(32.4%)、生産性の向上(31.6%)などの項目が挙げられている。

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日本では、少子高齢化にともなう生産年齢人口の減少や新型コロナウイルス感染症の5類移行後から再開した経済活動によって、企業にとっては生産性の向上が急務となっている一方で、人的資本に経営資源を投資すべしという機運の高まりにともなって、従業員が主体的に自分らしくワーク・エンゲイジメントを高めながら働き、ウェルビーイングや仕事に対するやりがいを実感できる職場環境づくりに対する社会的要請も高まっている。このような社会の要請に応えるために、今後企業には健康経営の導入・実践がますます求められるようになっている。

アクサ生命は、人的資本に投資を行う企業経営者の人々をサポートするアクサならではのプログラムを、全国で5000人を超える健康経営アドバイザーを通じて提供することによって、従業員の人々の身体的、精神的な健康に加え、人生の夢や目的、生きがい、つながりなどの「社会的な健康」を含めたウェルビーイングの向上を目指していく。今後も、アクサのパーパス「すべての人々のより良い未来のために。私たちはみなさんの大切なものを守ります。」を体現すべく企業の福利向上と持続的な発展、成長活力ある地域社会の未来づくりに取り組んでいく考え。

中小企業にとって働く人々の健康問題や担い手不足に対応することは、事業継続性を高めるだけでなく、日本経済の持続的発展にも寄与するもの。しかし、この課題の解決は容易なことではなく、今日ではコロナ禍による社会全体の活力低下や従業員の孤立化という新たな社会的課題も生じている。このような重層化した課題への解決策として、アクサ生命は、「同じ会社に集う従業員と経営者が身体的、精神的(心)、社会的なアプローチから健康づくりに取り組み、活き活きと働くことができる職場環境をつくることによって、社会や企業を主体となってリードする担い手である人々のワーク・エンゲイジメントを高め、企業も永続的な成長に向かう」という信念のもと、健康管理や健康増進にとどまらない健康経営のあり方、「健康経営アクサ式」を提案している。

[アンケート概要]
B to C調査
 内容:国民の意識調査
 規模:全国1万5202人
 対象:働く人(年齢20~65歳) 
    都道府県×性別×年代/令和2年国勢調査
    就業状態等基本集計を参照し職業年齢人口(別に割り付け)/正社員/大企業、中小企業を含める(割り付けなし)

B to B調査
 内容:健康経営や従業員のウェルビーイングに関する意識調査
 規模:200人(中小企業150人、大企業50人で割り付け)
 対象者:中小企業の経営者および健康経営や従業員のウェルビーイングに関心のある部門(総務・人事)責任者

アクサ生命=https://www.axa.co.jp