伊藤 誠一郎
ナレッジステーション 代表取締役
【PROFILE】1971年7月9日、東京都豊島区出身。学習院大学法学部法学科 卒業。大学卒業後、15年間にわたり医療情報システム、医療コンサルティング分野において競争入札やプロジェクトマネジメントで年間100回以上のプレゼンテーションを行った経験を持つ。主にベンチャー企業での実務経験が長く、実績、総合力で圧倒的優位に立つ競合大手を押しのけ、競争入札でのプレゼン勝率は業界平均5割を大きく上回る8割を誇る。その実績が噂になり、取引先やグループ企業から代行プレゼンターの派遣要請を受けた経験も持つ。2009年よりプレゼンテーション講師として独立し、上場企業での研修や商工会議所、中小企業振興団でのセミナー講演を行う傍ら、ストーリー設計から資料や原稿の添削、本番リハーサルまでを一貫して行うプレゼンテーション個人指導塾を運営している。これまでに昇進試験や企画発表を控えた会社員を中心に学会や教授選を控えた大学教員、商談会に臨む経営者、転職希望者、AO入試を受験する高校生など年間70~80人に対して指導、コンサルティングを行っている。豊富な個別指導から多くのビジネスパーソンに共通する伝え方の弱点と改善ポイントを分析、体系化したカリキュラムは、実務におけるプレゼンテーションの改善に直結すると高い評価があり、企業研修、セミナー講演の満足度も常に95%以上と高い水準を達成している。
近年、若年層の減少に伴って人材採用に苦慮する企業が増えています。また、Z世代、ジェネレーションギャップというキーワードが注目を集めるようになり、若手社員の約3割が3年以内に辞めてしまうという早期離職が発生しています。
そんな中、職場では上司や先輩は働き方改革の要請に応えながら、パワハラに陥らないように注意深く教育指導にあたっているにもかかわらず、「若手社員が何を考えているのか分からない」「どう接して良いか分からない」という声が多く聞かれます。
本書は、こうした現状を改善するために、若手社員が育ってきた環境や時代背景に触れながら適切な声掛け、関わり方、教え方を詳しく紹介しています。
私はこれまで多くの企業において研修講師を務めると共に、高校3年生に対して大学受験のAO入試指導も行ってきました。
その経験から感じるのは、上司や先輩社員が良かれと思ってやっていることが、今どきの若手社員への理解不足からむしろ逆効果になっているということです。その代表例が、この本のタイトル「困ったら何でも言ってね」という声掛けです。その結果「なのに彼らは何も言ってこない」という状況に陥り、コミュニケーションが成立しません。
その他にも「若手に火をつけて一気に変えようとする」「心配性の若手に対して大丈夫だと鼓舞する」「打ち解けるためにプライベートの話をしようとする」など職場でよくある上司と部下の認識のズレを取り上げ、原因と改善策を一冊にまとめました。
企業において必要となるのは、上司や先輩社員がジェネレーションギャップを前向きに理解し、若手社員を肯定的に受け入れるマインドを醸成することです。「今の時代には通用しないから」「ハラスメントになると困るから」という否定的な意識から昔のやり方を変えるのではありません。
新たな時代や価値観に適応することは、新たな職場環境を築き上げるチャンスであると受け止めるようにします。本書がそのきっかけとなり、一人でも多くの若手社員の自律的な活躍に繋がることを願っています。
1,600 円+税