CPAキャリアサポート
中園 隼人 代表取締役
今の会計系人材の採用マーケットを一言で表現すると、「会計系人材採用難の時代」と言っても過言ではありません。
業種問わず、大手上場企業、新興上場企業、スタートアップ、中小企業のすべてのステージの企業において、会計系人材の募集をしています。また、税理士法人・会計事務所、会計系アウトソーサーなどの会計専門ファームにおけるスタッフ人材も足りておらず、通年で採用募集がかかっている状況です。
前述のように様々なステージ・業種で人材を募集しているため、どのような人材にニーズがあるのかということを一言でまとめることは難しいのですが、上場企業であれば有価証券報告書作成や国内外の連結決算といった高度な業務の経験者を求める傾向が強くなっています。
スタートアップであればIPO実務経験や管理職経験のある経理人材のニーズが非常に高い状況となっています。
しかし、そのような実務経験を持っている求職者は多くなく、求人数の方が圧倒的に上回り、多くの企業が会計系人材の採用難に陥っています。
採用ができない理由はそれだけではありません。多くの企業が会計系人材の適正年収を理解しておらず、相場よりも圧倒的な低年収で募集をかけている求人が散見される状況で、応募者が全く現れずに面接すら行うことができない企業も少なくないと思います。
企業が採用を成功させるためには、まずは会計系人材のマーケットプライスを正しく理解し、適正な年収水準で募集をかけることがマストになります。どうしても必要な年収を提示できない場合は、ハイポテンシャルな未経験人材の採用を推奨します。
例えば、公認会計士試験にチャレンジしてきたものの残念ながら就職に切り替えるような大学生や既卒生です。彼らは日商簿記1級以上の知識を有しており、日商簿記2級であれば1週間足らずで合格できるポテンシャルがあります。
外から採用できないのであれば自社で育てていくという姿勢が非常に大切な時代と言えるでしょう。