「サイト内の商品検索機能を使いたいけれど、商品がうまく表示されない」
「商品検索機能をどう活用したらいいかわからない」
ECサイトを運用している、またはこれから運用する企業の担当者のなかには、上記のような悩みを持つ方が多いです。
本記事では「ECサイトの商品検索機能における重要な3つのポイント」と「商品検索に必要な機能」を中心に解説します。記事を読めば、ECサイトの商品検索機能の導入・改善に役立つため、ぜひお読みください。
目次
ECサイトにおける商品検索とは?
ECサイトにおける商品検索とは、ユーザーが目的の商品にいち早くたどり着ける機能です。「サイト内検索エンジン」とも呼ばれ、キーワードの入力により該当商品を一覧で表示できます。
ECサイトにおいて目的の商品が見つからないことはユーザーの離脱に繋がります。すると機会損失が起こり売上に悪影響を及ぼすため「商品検索の導入はECサイトにとって欠かせない機能」と言っても過言ではありません。
また、商品検索は利用頻度が多いうえにユーザーが意図した商品に直接たどり着けるといった高いユーザー体験が得られます。
実際に商品検索を重要視しているEC店舗はそれほど多くないですが、だからこそ差別化を図ることができる施策なのです。
「商品検索機能を導入していない」あるいは「導入していても最適化していない」といった場合は、ぜひ導入を検討してみてください。
ECサイトの商品検索機能における重要なポイント
ECサイトの商品検索機能において重要なポイントは、次の3つです。
●「0件検索をなくす」
●Googleアナリティクスで検索ワードを確認しサイト改善に生かす
●検索窓は基本的にヘッダーの見やすい位置に置く
「0件検索」をなくす
商品検索機能において重要なのは「0件検索」をなくすことです。
たとえば、ユーザーが特定のキーワードで検索した際に、検索結果が0件だった場合「欲しい商品がない」と認識し、離脱する可能性が高まります。そのために「サジェスト検索機能を活用する」「検索窓下にキーワードのリンクを設置する」といった方法が、対応策として取り入れられることもあります。
しかし、これらの対応策でも解決できない場合があります。
ECサイトのプラットフォームによって「対象の文字の部分」が異なるため、自社が使用しているプラットフォームでは「どこを対象にしているか」を把握したうえで、対処する必要があります。例えば「キャッチコピーのみを検索ワードの対象にしている」という場合だと、キャッチコピーの部分にキーワードを盛り込む必要があります。
futureshopの機能では「商品説明・情報」について、以下の部分に記載している内容が対象です。
●キャッチコピー
●商品名
●商品説明(大・小)
●商品一言説明
●商品独自コメント1~20
●商品番号
●商品名(連携用)
●商品説明(連携用)
幅広い部分を網羅できるため、商品検索に対して対策しやすいのが特徴です。「商品タグ」を商品に設定すれば、個別に検索対象に含めることも可能です。
またプラットフォームによっては、個別の商品ページに「検索にヒットさせるキーワード」の記載が必要です。必要なキーワードをすべて記載すると、商品説明欄が読みにくくなり、ユーザーに伝えたい情報が伝えづらくなります。
futureshopでは、ユーザーからは見えない部分でもキーワードを指定できます。検索対象としている項目の内「商品独自コメント1~20」については、検索してもらいたいキーワードを盛り込みつつユーザー画面には表示しないという使い方ができます。
Googleアナリティクスで検索ワードを確認しサイト改善に生かす
Googleアナリティクスはサイト内検索への連携が可能なため、流入したユーザーがサイト内で検索したキーワードまで追うことができます。
ECサイトに流入したユーザーは購買意欲が高いため、検索ワードを通じて「そのユーザーがどういった意思を持っているのか」が追えます。このデーターはサイト改善に役立つため、重要な指標となります。
Googleアナリティクスで収集した検索ワードを活用すれば、以下のようなサイト改善につなげられます。
●新規カテゴリを追加する
●カスタマーサポートの情報を目立たせる
●特集ページをつくる
新規カテゴリを追加する
特定の商品カテゴリの検索ワードが多い場合、そのカテゴリを追加しましょう。たとえば「Tシャツ」の検索ワードが多ければ、Tシャツを切り分けてカテゴリ化する必要があります。
この場合「Tシャツ」に該当するカテゴリが見当たらないため、ユーザーに検索されています。検索回数が多いカテゴリは切り分け、ユーザーが目的の商品を見つけられる導線へ改善しましょう。
カスタマーサポートの情報を目立たせる
検索ワードでは「ユーザーが問い合わせたい内容」を追うことができます。たとえば「返品」が多い場合、返品に関する情報がわかりにくい可能性があります。また「送料」が多ければ、ユーザーに送料の値段が伝わっていない可能性があるでしょう。
このような検索ワードが多い場合「返品」や「送料」に関する情報を目立たせ、ユーザーが見つけやすい位置に表示させましょう。
特集ページをつくる
検索ワードから、特集ページをつくるヒントを得られます。たとえば、梅雨の時期に「雨具」が多く検索される場合、雨具に関する特集ページを設けると効果的に訴求できます。ユーザーのニーズを満たせるため、ECサイトの売上向上が期待できます。
検索窓は基本的にヘッダーの見やすい位置に置く
ユーザーが一目で見つけられるように、検索窓は基本的にヘッダーの見やすい位置に設置しましょう。
トップページが2カラムであっても、ほかのページでは1カラムの場合、ユーザーは検索窓を見つけられません。検索窓が最適化されているECサイトはヘッダーに入れているパターンが多く、どのページからでも見つけやすい位置にあります。
また検索窓はモバイルでも利用率が高いため、ファーストビューに入れると効果的です。ユーザーが見つけやすい位置に検索窓を配置し、必要時に利用してもらえるようにしましょう。
ECサイトで商品検索機能を導入するメリット
ECサイトにおいて、商品検索機能を導入するメリットは次の3つです。
●購買率が向上する
●マーケティング施策の展開に役立つ
●情報管理に役立つ
購買率が向上する
2022年から2023年にかけて、株式会社Sprocketは「ECサイト機能の利用がユーザーの購買行動に与える影響」を調査しました。「商品検索機能」の利用を促進する「商品検索機能の紹介」や「検索画面の使い方」といった施策を行った結果、購入完了の改善率は平均127%でした。
このように商品検索機能は、ユーザーの購買行動にプラスの影響を与えています。ECサイトの成果に直結する購買率の向上に役立つ点は、商品検索機能を導入する大きなメリットです。
参考:株式会社Sprocket「アパレルECサイトの機能が購買に与える影響に関するレポート(Sprocket独自調査)」
マーケティング施策の展開に役立つ
商品検索機能を導入すると、実際に検索されたワードのデータが蓄積するため、ユーザーのニーズが把握できます。そのため、的確なマーケティング施策の展開に役立ちます。
たとえば、多く検索されているアイテムを「ECサイトのトップページに掲載する」といった施策を実行すれば、効果的に訴求できます。ユーザーにとっても目当ての商品が見つかりやすいため、購入率が高まる効果が期待できます。
情報管理に役立つ
ECサイトで扱う商品数・情報量が多い場合、管理にかかる手間・時間が増えます。検索機能を導入すれば、古い情報・キャンペーンが把握しやすくなるため、サイト内の情報更新作業が効率化できます。
常に最新の情報を提供すれば、ユーザーからの信頼も得ることができます。ユーザー側も新しい情報を探す手間がなくなるため、ECサイトの利便性向上に貢献する機能です。
ECサイトの商品検索に必要な機能
ECサイトの商品検索機能を最適化するには、以下の5つの機能の活用が効果的です。
●キーワード検索機能
●サジェスト機能
●商品絞り込み機能
●並び替え機能
●表記揺れ対応機能
各機能について解説します。
キーワード検索機能
キーワード検索機能は、検索窓に入力されたキーワードに当てはまる商品を表示する機能です。商品検索において最も基本的、かつ必須な機能となります。
ユーザーは、目当ての商品のキーワードを入力するだけで商品ページにたどり着けるため、販売促進の効果が高い機能です。
サジェスト機能
サジェスト機能は、検索窓にキーワードが入力している最中に「候補となるキーワード」が表示される機能です。
たとえばアパレルECサイトの場合、検索窓に「わ」と入力すると「ワンピース」「ワンカラー」「ワンポイント」といったキーワードを予測して表示させることができます。
サジェスト機能を導入すると「入力間違いによる0件検索の防止」や「キーワードの入力・変換の手間の削減」が実現できます。ユーザーに対して適切な情報を提供できるため、商品が探しやすくなります。
商品絞り込み機能
商品絞り込み機能は「ドリルダウン機能」とも呼ばれます。「カテゴリ」や「ブランド」「価格」「色」などで、商品を絞り込んで探せる機能です。
たとえばユーザーが「1万円以内でTシャツを購入したい」と考えている場合「トップス→Tシャツ→1万円以内」といった条件で絞り込めます。
ユーザーが希望する条件に沿って表示できるうえに、一覧表示される商品の母数も少ないです。ユーザーのイメージ通りの商品が見つかりやすくなるため、購買につながる確率が高い機能です。
また2022年にZETA株式会社が実施した調査によると、絞り込み機能を実装しているECサイトのうち過半数が「カテゴリ」「価格」「ブランドまたはメーカー」での絞り込みが可能となっています。
「アパレルECサイト」をはじめとした、取り扱うジャンルが幅広いサイトでは「カラー」や「サイズ」「在庫有無」など、さまざまな絞り込み条件を設定しています。
参考:PR TIMES「売上高ランキングTOP100の内、EC商品検索・サイト内検索エンジン「ZETA SEARCH」導入企業は21社」
並び替え機能
並び替え機能は「ソート機能」とも呼ばれます。「人気順」や「新着順」「価格順」「おすすめ順」などの順番で商品を並び替えられる機能です。
「人気の高い商品が欲しい」「安い価格帯の商品が欲しい」といったユーザーのニーズに素早く応えられるため、利便性の高い機能です。
また2022年にZETA株式会社が実施した調査によると、109サイトのうち75%が「価格順」の並び替え機能を用意しています。次いで「新着順」が56%、「おすすめ順」が47%の割合で導入されています。
一方で「レビュー評価順」や「レビュー件数順」といった項目を設定しているサイトもあり、商品を実際に購入したユーザーの声が重視されていることがわかります。
参考:PR TIMES「売上高ランキングTOP100の内、EC商品検索・サイト内検索エンジン「ZETA SEARCH」導入企業は21社」
表記揺れ対応機能
表記揺れ対応機能は、どのような表記でも特定の検索結果が表示される機能です。
表記揺れとは、あるキーワードを入力する際に「複数の表現・書き方」が存在することで、表記にばらつきが生じることを指します。
たとえば「椅子」の入力時には「いす / イス」と表記される可能性があります。化粧品の「乳液」には複数の呼び方があるため、入力時に「エマルジョン / ミルク / クリーム」と表記されるケースもあるでしょう。
また、日本語は「ひらがな」や「カタカナ」だけでなく「漢字」や「アルファベット」が使用される可能性もあります。
ECサイトに表記揺れ対応機能を導入すれば、表記揺れが原因になる「0件検索」が回避できます。ユーザーの離脱防止につながるため、機会損失を減らすことが可能です。
ECサイトに検索エンジンを導入する3つの方法
ECサイトに検索エンジンを導入する方法は次の3つです。
●Googleカスタム検索を設置する
●サイト内検索エンジンを導入する
●ECシステムに搭載されている機能を活用する
Googleカスタム検索を設置する
ECサイトに検索エンジンを導入する1つめの方法は「Googleカスタム検索」の設置です。
Googleカスタム検索は、Googleが提供するサイト内検索サービスであり「プログラム可能な検索エンジン」から作成できます。設定すれば「絞り込み」や、表記揺れ揺れ機能の代替となる「クエリ範囲拡大」が使用できます。
無料で利用できる一方で「検索結果がテキストベースで表示される」「無料版には広告が表示される」といった点から、ECサイトにおいて商品検索機能の最適化を目指すためには、不向きな方法です。
サイト内検索エンジンを導入する
ECサイトに検索エンジンを導入する2つめの方法は「サイト内検索エンジン」の導入です。
サイト内検索エンジンは、企業が提供している「サイト内検索」に特化したサービスです。ECサイトにおいては、商品検索に対応できる機能が用意されているサービスがおすすめです。
「サジェスト機能」や「表記揺れ対策機能」をはじめとした幅広い機能が備わっており、商品検索機能の
最適化が実現できます。また外部で検索処理をおこなうため、検索結果の高速表示が可能です。
ECシステムに搭載されている機能を活用する
ECサイトに検索エンジンを導入する3つめの方法は「ECシステムに搭載されている機能」の活用です。
ECサイトが構築できるシステムには、商品検索機能が標準で搭載されています。システムによっては「サジェスト機能」や「商品絞り込み検索」「表記揺れ対応機能」などの機能が豊富に搭載されているため、新たにサービスを導入しなくても十分に対応可能です。
またECシステムの商品検索機能を使用する場合、ECサイトの管理画面で一括管理できます。管理の手間が削減できるため、ECサイト運営の効率化につながります。
サイト内検索エンジンサービス4選
ここからは、サイト内検索エンジンサービス4選をご紹介します。
GENIEE SEARCH for EC
「GENIEE SEARCH for EC」は、ユーザーの目的に合わせてECサイトの検索結果を最適化するサイト内検索サービスです。シリーズ累計で900社以上に利用されています。
EC必要な機能がパッケージングされており「検索窓からのダイレクトな商品ページ到達」や「検索キーワードの入力アシスト」「絞り込み・商品比較による購買サポート」が可能です。
「futureshop」をはじめとした多くのECサイトと連携できるため「業務の効率化」や「CVR向上」が実現できます。
visenze
引用:visenze
「visenze」は、シンガポールのAIスタートアップ企業が提供するサイト内検索サービスです。AIを活用した「ビジュアル検索」が可能であり、画像を使用して目的の商品を探すことができます。カテゴリ名で検索しなくても、商品が表示されます。
また、AIを活用した「自動コメンデーション」を使用すると、商品画像とユーザーの行動を組み合わせた「各ユーザーにカスタマイズされたショッピングエクスペリエンス」の実現が可能です。
さらに、ダッシュボード上で「ユーザーの検索行動」と「推奨のプロセス」が一目で理解できます。データに基づいて施策が実行できるため、ECサイトの売上向上に貢献します。
ZETA SEARCH
引用:ZETA SEARCH
「ZETA SEARCH」は、サイト内検索が最適化できるサイト内検索サービスです。ユーザー層・商材・サービスなどの特性に合わせて、AIを活用して検索結果を最適化します。
またエンジニアによるチューニングが受けられるため、商品検索機能の運用負荷の軽減も可能です。データ処理速度に強みがあり、大規模・高負荷に対応できます。
NaviPlusサーチ
引用:NaviPlusサーチ
「NaviPlusサーチ」は、ナビプラス株式会社が提供するサイト内検索サービスです。「N-gram」と「形態素解析」の2つの手法を活用するため、網羅性と高い精度を兼ね備えた検索が可能です。
また「表記揺れ対応機能」や「サジェスト機能」だけでなく、ユーザー1人ひとりにパーソナライズされた検索結果を表示する「パーソナライズド検索」や、ユーザーの行動履歴情報に基づいて検索結果を表示する「自動最適化」といった機能も搭載しています。
NaviPlusレコメンドやNaviPlusリタゲメールなどの「NaviPlusシリーズ」との連携が可能なため、NaviPlusサーチで取得したデータをほかの施策に生かすことも可能です。
futureshopの商品検索機能
引用:futureshop「商品検索」
バリエーション機能
futureshopの「バリエーション機能」では、カラーやサイズなどのバリエーションを検索できます。実際に登録した「バリエーションの選択指名」で検索されるため、商品の種類が豊富なECサイトにも対応できます。
たとえば、服・靴の両方を扱うECサイトで「24.0㎝と検索された場合は靴が表示される」「Mと検索された場合は服が表示される」といった設定が可能です。
また、バリエーションごとに異なる価格を設定している場合、いずれかのバリエーションの価格が価格検索で一致した場合に検索結果に商品を表示させることができます。
商品タグ機能
futureshopでは、商品ごとに「商品タグ」の設定が可能です。「商品タグ機能」を活用すれば、ECサイトに掲載されている商品を自由に表示できるため「コーディネートに使用した商品」や「レシピに使用した商品」といったくくりで一覧表示できます。
引用:futureshop「商品検索」
futureサジェストリンク
「futureサジェストリンク」は、入力したキーワードを予測して表示させるだけでなく、予測したキーワードに合致する「商品名」「画像」「リンク」を連動させて表示できる機能です。
引用:futureshop「商品検索」
商品ページまでワンクリックで遷移できるため、すぐに気になる商品が閲覧・購入できます。商品サジェストの表示後もキーワードが続けて入力された場合は、表示される商品が瞬時に入れ替わります。検索窓から商品ページへの到達率が高まるため、売上アップが期待できる機能です。
まとめ
ECサイトの商品検索機能を改善すると、ユーザーの利便性向上のみならず「サイト改善」や「マーケティング施策」にも役立ちます。
本記事で紹介した導入方法やサイト内検索サービス、futureshopの機能を参考に、自社ECサイトの商品検索機能の最適化を目指しましょう。