矢野経済研究所
(画像=PIXTA)

美白、エイジングケアなど機能性のある化粧品が好調に推移したことにより市場は拡大

~2018年度のドクターズコスメ市場は前年度比111.8%の1,140億円~

株式会社矢野経済研究所(代表取締役社長:水越 孝)は国内ドクターズコスメ市場を調査し、市場の動向、参入企業動向、将来展望を明らかにした。

ドクターズコスメ市場規模推移と予測

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1.市場概況

2018年度の国内ドクターズコスメ市場規模(ブランドメーカー出荷金額ベース)は、前年度比111.8%の1,140億円となった。主要企業が美容意識の高い顧客を獲得しており、業績が好調に推移したことが市場成長の要因となっている。
従来のドクターズコスメは、にきびなどの皮膚疾患やトラブルに対応するというのが主な目的として製品化されてきたが、最近はエイジングケアや美白といった一般的な化粧品に求められる機能を追求した製品が増加している。

2.注目トピック

美容医療や医薬品の技術を活用したドクターズコスメの増加

「マイクロニードル」や「リポソーム化」、「ナノカプセル技術」、「ドラッグデリバリーシステム」、「幹細胞」、「遺伝子」、「光老化」などの美容医療や医薬品の開発で用いられていた科学的技術や医学的知見を活用して、機能性の高い化粧品を投入することで、ドクターズコスメとしてブランドの付加価値を高める動きが顕在化している。
今後は、美容医療領域の技術を活用した、高機能を訴求するドクターズコスメが増加するとともに、化粧品の研究開発レベルが高度化していく見通しである。

3.将来展望

2019年度のドクターズコスメ市場規模(ブランドメーカー出荷金額ベース)を、前年度比106.1%の1,210億円と予測する。
スキンケア製品を中心としたドクターズコスメ市場は、肌トラブルがある人や敏感肌、乾燥肌などに悩む人にとって不可欠な製品となっているだけでなく、エイジングケアや美白といった機能強化が引き続き進んでいくことで、堅調な動きが続くものと考えられる。
また、中国をはじめとしたアジア諸国でも、日本製の敏感肌化粧品やドクターズコスメのニーズは高くなっていることから、インバウンド(訪日外国人客)ニーズや、越境ECや製品輸出などのアウトバウンドニーズを今後ますます取り込んでいく見込みである。