2023年の採用実績は、「中途採用の正社員」が78.6%で2年連続増加していることが、マイナビ(東京・千代田、土屋芳明社長)が実施した「マイナビ 人材ニーズ調査 2023年版」で明らかとなった。
2023年の採用実績を雇用形態別に聞いたところ、最多は「正社員<中途採用>」で78.6%、次いで「正社員<新卒採用>」が65.2%となった。
【雇用形態別 2019年~2023年の採用実績と2024年の採用予定】
●正社員<中途採用>
2019年 77.3%
2020年 77.6%
2021年 76.9%
2022年 78.2%
2023年 78.6%
2024年(予定) 81.1%
●正社員<新卒採用>
2019年 66.1%
2020年 65.9%
2021年 65.6%
2022年 65.2%
2023年 65.2%
2024年(予定) 70.9%
●契約社員・嘱託社員
2019年 47.6%
2020年 43.7%
2021年 41.5%
2022年 41.2%
2023年 43.7%
2024年(予定) 46.8%
●パート・アルバイト
2019年 62.3%
2020年 56.9%
2021年 53.7%
2022年 54.5%
2023年 55.1%
2024年(予定) 56.3%
●派遣社員
2019年 37.6%
2020年 35.4%
2021年 33.5%
2022年 35.3%
2023年 34.1%
2024年(予定) 36.2%
2019年からの推移を見ると、「契約社員・嘱託社員」は前年まで減少を続けていたが、4年ぶりに増加に転じ、「パート・アルバイト」は3年連続の増加となった。
2024年の採用はいずれの雇用形態でも前年より増加を予定している。特に新卒は前年比5.7ポイント増と最も高い。新卒の採用理由をみると「事前の計画による定期的な採用(2019年比6.0ポイント減)」と「慢性的な人手不足(2019年比2.7ポイント増)」の差が縮まっており、マイナビは「企業の人手不足感の高まりが表れている」と指摘する。
2030年までに重要性が高まると思う人事施策について、「新卒採用を中心とした若手人材の確保」が52.2%で最多となった。また、設問を始めた2021年から最も増加したのは「非正社員からの正社員登用」で10.6ポイント増加した。
【2030年までに重要性が高まると思う人事施策トップ5】
新卒採用を中心とした若手人材の確保 52.2%
中途採用を中心とした中堅人材の確保 50.6%
ワークライフバランスへの取り組み 41.5%
業績成果を重視した人事評価 40.9%
従業員のキャリア開発支援 38.4%
企業における雇用形態の変更について、今年1年間で「派遣社員から無期直接雇用(正社員)への転換」があった割合をみると、全体で21.8%となり、業界別では「情報通信業」が31.0%と最も高かった。
【業界別 派遣社員から正社員への転換があった割合トップ5】
情報通信業 31.0%
不動産業・物品賃貸業 29.2%
製造業 28.3%
商社 25.0%
金融業(銀行または証券)・保険業 23.8%
また、「パート・アルバイトから無期直接雇用(正社員)への転換」があった割合をみると、「宿泊・飲食業」が39.8%と、全体の21.3%を大きく上回った。
ミドル層(40~54歳)の採用意向がある企業の割合は65.1%だった。業界別でみると「医療・福祉(74.1%)」が最多で、次いで「製造業(70.0%)」、「運輸・輸送業(70.0%)」となった。
【業界別 いずれかの雇用形態でミドル層の採用意向がある割合トップ5】
医療・福祉 74.4%
製造業 70.0%
運輸・輸送業 70.0%
教育業 68.5%
電気・ガス・水道業 68.2%
ミドル層に期待することでは、「経験値・スキル(56.8%)」が最も多かった。特に2024年問題を控え、人手不足が高まっている運輸・輸送業では、「労働力(51.2%)」、「体力・健康(42.9%)」が全体と比較して10ポイント以上高かった。
調査は、2023年12月8日~12日、人材採用に関して「採用実施」、「手法選定」、「雇用の決定」のいずれかの決裁権を持つ採用担当者を対象にインターネットで実施し、2202人の回答を得た。
回答は、各雇用形態別に決裁権を持つ人に限定して集計(新卒採用1200人、中途採用1521人、契約社員・嘱託社員743人、パート・アルバイト1065人、派遣社員568人)
※「派遣社員」に関しては、採用実績のある回答者を対象とした