2024年1月13日、台湾で新しい総統を選ぶ選挙が行われ、与党である民進党の頼清徳 副総統が当選した。これで民進党が3期連続で政権を担うことになる。では、台湾総統選挙の結果を受けて台湾と日・米・中との関係はどうなるのだろうか。

目次

  1. 台湾総統選挙で、民進党の頼清徳副総統が当選
  2. 民進党の頼清徳副総統が当選で、今後の国際関係はどうなる?
  3. バイデン大統領は中国に配慮した発言も
台湾の新総統決定! 日・米・中との関係はどうなる?
(画像=Hellen/stock.adobe.com)

台湾総統選挙で、民進党の頼清徳副総統が当選

2024年1月13日に行われた台湾総統選挙は、民進党の頼清徳氏と国民党の侯友宜氏、民衆党の柯文哲氏の3氏 で争われた。民進党の頼清徳氏は「台湾は中国の領土である」という中国の主張を否認する立場をとっている。米国などの諸国と連携し、中国の動きを抑止するという主張だ。つまり前政権の考えを受け継いでいる。また日本とは、協力関係の強化に努めたいと考えている。

国民党の侯友宜氏は、防衛力の強化はもちろんのこと中国との関係を良くし、武力衝突などのリスクを抑止する考えだ。日本との関係については、頼清徳氏と同じく、協力関係の強化に努めたい考えである。民衆党の柯文哲氏は、文化や経済面など中国との対話をもっと行うべきと主張。また日本とも積極的な対話を行いたい考えだ。

これらの主張のもと総選挙が行われた。結果は、民進党の頼清徳氏が約558万票、国民党の侯友宜氏が約467万票、民衆党の柯文哲氏が約369万票の投票数をそれぞれに獲得し、民進党の頼清徳氏が新総統に選出された。

民進党の頼清徳副総統が当選で、今後の国際関係はどうなる?

与党である民進党の頼清徳氏が新総統になったため、今後台湾の政治・外交は前政権の考えを受け継ぐものと考えられる。つまり親米路線を継承し、台湾のアイデンティティを重んじる政策をとることになるだろう。そのため中国との関係は、今までと変わらず緊張関係が続くと思われる。

また頼清徳氏は、過去の発言により中国から「台湾独立派」と非難されていることもあり、中国との関係は緊張が強まる可能性もあるだろう。一方、日本とは協力関係の強化に努めたい考えを持っているため、引き続き良好な関係が続くと考えられる。

バイデン大統領は中国に配慮した発言も

与党である民進党の頼清徳氏が新総統になったため、前政権と同じ政策をとることが考えられる。ただし台湾総統選挙を受けて米国のバイデン大統領は「独立を支持しない」と中国に配慮した発言もしている。今後、しばらくは国際状況に注視する必要があるだろう。

文・せがわ あき
会計事務所に10年勤務。その後、会計ソフトメーカーでの勤務を経て、現在は会計・税務・金融などをテーマにライティング活動を行う。会計事務所では、顧問先の会計業務や融資支援に従事。融資のための提出資料作成や融資・資金繰りのアドバイスなどを行う。会計ソフトメーカー時代には、お客様対応業務に加えてソフト開発にも携わり、お客様の声を製品に反映させる仕事に従事。

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