目次
- 建材製造大手のYKK APと強固なパートナーシップを構築
- いい暮らしは良好な環境から ライフスタイルや周辺環境との調和に配慮した提案を心掛ける
- 本社に自社工場を構え、設計から加工、組み立て、施工まで迅速に対応
- ビル用アルミサッシを中心に企業向けに事業を拡大
- 2018年の社長就任以降、個人向けリフォームを積極的に推進
- 機動的に情報発信するため中小企業でも自社でデザイン性の高いホームページが作成できるホームページ作成システムを導入
- 施工前と施工後を比較した事例の紹介に力を入れる
- ホームページを通じて窓や玄関のリフォームの魅力とメリットを伝える リフォームで重要なのは提案力
- 設計ではCADを活用する一方、紙での製図も
- 電子帳簿保存法の本格施行に備えて証憑の電子保存サービスを導入
- 従業員が積極的に仕事に取り組める環境づくりにICTを活用したい
奈良県北西部の大和高田市内に本社を構えるアルミサッシの設計、施工に強みを持つダイワ建装株式会社が、ホームページ作成システムを活用して積極的な情報発信に取り組み、個人向けリフォーム事業を新規開拓している。設計、製造の現場でも適材適所でICTやデジタル機器を導入し、働きやすい環境づくりにつなげている。(TOP写真:製品の加工に取り組むダイワ建装の従業員)
建材製造大手のYKK APと強固なパートナーシップを構築
ダイワ建装株式会社は、ビル用アルミサッシの製作・販売、住宅用アルミサッシ、エクステリア、各種スチール、ステンレスサッシの販売のほか、サッシ全般の設計・販売・施工を行っている。1973年の設立時から建材製造大手のYKK AP株式会社と強固なパートナーシップを構築し、施工協力企業として同社から設計図、材料の支給を受けている。同社のリフォーム相談窓口「MADOショップ」にも参画している。
いい暮らしは良好な環境から ライフスタイルや周辺環境との調和に配慮した提案を心掛ける
「いい暮らしは良好な環境から生まれます。施工にあたっては、お客様のライフスタイルや周辺環境との調和に配慮した上で提案することを心掛けています。いい窓やいいドアのおかげで暮らしが変わったと言っていただけるのが何よりうれしいですね」。ダイワ建装の本社で取材に応じた𠮷井高則代表取締役社長は柔和な表情でそう語った。
ダイワ建装は現状の窓枠を利用して、内側に新しい窓やドアを取り付けるカバー工法を得意としている。大がかりな工事の必要がないので、壁を壊さず施工できることから多くの取引先に評価されているという。
本社に自社工場を構え、設計から加工、組み立て、施工まで迅速に対応
本社に自社工場(敷地面積約3,500平方メートル、延べ床面積約1,900平方メートル)を備え、設計から加工、組み立て、施工まで一気通貫で迅速に対応できることが最大の強みだ。既成サイズはもちろん、特注のオーダー設計品まであらゆるニーズに応え、大手建設会社や住宅会社を中心に幅広く取引している。取引先の事情で窓枠などのサイズを急きょ変更しなければならなくなった時も迅速に対応できる体制を整えている。
ビル用アルミサッシを中心に企業向けに事業を拡大
設立当初は木造用の窓枠を扱っていたが、次第にビル用アルミサッシを中心に扱うようになった。建物の高層化が進む中、迅速できめ細かな対応を武器に企業を中心に取引先を拡大したことで、現在は企業向けの仕事が売上高の約9割を占めている。
創業者を父親に持つ𠮷井社長は現在50歳。人生は常に会社の歩みとともにあった。幼い頃からいつかは事業を引き継ぐことを意識していたという。20代の時、2003年にダイワ建装に入社するまでYKK APで6年間勤務した経歴も持っている。入社後は財務、人事など会社の主要業務全てを担い、常務を経て2018年4月、社長に就任した。
2018年の社長就任以降、個人向けリフォームを積極的に推進
社長に就任して以来、蓄積した知識と経験を生かして新しい領域を開拓しようと、従来の企業向けだけでなく個人向けの窓枠や玄関の販売、施工にも力を入れてきた。将来的には個人向けが売上高全体の3割を占めるようにしていきたいという。ダイワ建装は社是として和と誠実を掲げる。「従業員全員で共に頑張って会社を成長させていきたい」と𠮷井社長は力強く話した。
機動的に情報発信するため中小企業でも自社でデザイン性の高いホームページが作成できるホームページ作成システムを導入
個人からの受注を伸ばすには積極的に情報発信に取り組む必要があると考え、2020年に導入したのがホームページ作成システムだ。「デジタル技術の発達のおかげで中小企業も積極的な情報発信ができるようになりました。この技術を活用しない手はないと思います」と𠮷井社長。2021年4月からはブログもスタートし、業務や施工現場の様子、キャンペーンの告知などを掲載している。
施工前と施工後を比較した事例の紹介に力を入れる
ホームページでは施工前と施工後を比較した事例の紹介に力を入れている。引き戸の玄関を木製からアルミにリフォームした事例、アルミ製ドアを木目調の断熱ドアにリフォームした事例、スタンダードなスチール雨戸から通風雨戸にリフォームすることでプライバシーを守りながら、風や光を家の中へ取り込むことができるようにした事例などを掲載している。
ホームページに掲載している事例は、施工を担当した従業員が、施主の了解を得た上で編集、更新している。「閲覧者の視点に立って写真を積極的に使って編集することを心掛けています。専門的な知識がなくても、情報を簡単に更新できるところが非常にありがたいですね。ホームページのおかげで、これまでよりも広いエリアの多くの人に会社の取り組みを知っていただくことができるようになりました。関東地方から問い合わせがあったときはさすがに驚きました」と𠮷井社長は情報発信の効果を話した。
ホームページを通じて窓や玄関のリフォームの魅力とメリットを伝える リフォームで重要なのは提案力
𠮷井社長はホームページを通じて窓や玄関のリフォームの魅力とメリットを地道に伝えていきたいと考えている。「窓は木製からアルミに変えることで、見た目が良くなるのはもちろん、断熱性能や防護性能も向上させることができます。雨の影響や風の振動を軽減できるだけでなく、台風などの災害対策にもなります」。リフォーム事業で大事にしているのは提案力だ。これまでに玄関ドアの開く方向を変えることで出入りしやすくなるよう提案したり、企業の駐車場の出入口を電動の引き戸タイプの門扉にすることを提案し、車内からリモコン操作で簡単に開閉できるようになり非常に喜ばれたこともあったという。
設計ではCADを活用する一方、紙での製図も
ダイワ建装は、現場の仕事でもデジタル技術を導入してきた。窓や玄関の設計に特化したCADを10年以上前から活用している。設計の9割はCADで行っているが、すべての設計をデジタルで行うのではなく、ベテランは現在も紙で設計を行うなどアナログでの仕事も大事にしている。
電子帳簿保存法の本格施行に備えて証憑の電子保存サービスを導入
2024年1月からの電子帳簿保存法の本格施行に備えて、2023年7月に様々な証憑を一元保存するクラウド式の電子保存サービスを導入し、現在試用している。証憑の電子保存サービスを導入することで、法令遵守と省力化の推進や電子商取引を進めている取引先に対応していく狙いがあるという。「現在紙で残している様々な書類の電子化を進めると保管場所が必要なくなるので、オフィスの空間を有効活用できると楽しみにしています。検索機能を使えば、必要な書類を探す時の時間や手間を省くことができるのでしっかりと電子保存サービスを活用していきたい」と𠮷井社長は話した。
従業員が積極的に仕事に取り組める環境づくりにICTを活用したい
ダイワ建装は事業が順調に拡大していることを受け、積極的な採用活動を展開している。今後は20代の採用に力を入れ、ベテランの技術の若手に伝承していくことにICTやデジタル機器を活用したいという。積極的にチャンスを与える社風や設計能力に加え、現場での作業を通じてものづくりのスキルも蓄積することができる点を、若い人材にアピールしていく方針だ。
「従業員が積極的に仕事に取り組むことができる環境を整えていきたい。情報の共有化を含め、更なる業務の効率化を図るためにICTやデジタル機器を使っていきたいと考えています」と話す𠮷井社長。新しい技術の導入を通じて、ダイワ建装はこれからも迅速できめ細かな対応力に更に磨きをかけていくに違いない。
企業概要
会社名 | ダイワ建装株式会社 |
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本社 | 奈良県大和高田市曽大根230番地 |
HP | https://d-kenso.co.jp |
電話 | 0742-22-5127 |
設立 | 1973年10月 |
従業員数 | 15人 |
事業内容 | ビル用アルミサッシ製作・販売及び設計施工、住宅用アルミサッシ各種販売 |