第一三共ヘルスケアの解熱鎮痛薬ブランド「ロキソニン」(OTC医薬品)が展開する「みんなの生理痛プロジェクト」は、生理痛と向き合う“はじめの一歩”を踏み出す「FIRST STEP ACTION」の取り組みとして、12月11日に埼玉県立大宮南高等学校の1年生を対象に「生理痛について“学び・考える授業”」を実施した。今回、痛みに悩む生徒が「我慢せずに自分にあった対処法を選択することの大切さ」を学ぶだけでなく、みんなで「痛みに悩む人に思いやりを持って接するために必要なこと」を考える機会を通して、生理痛と向き合うきっかけをつくること目的に、産婦人科医・高尾美穂先生が生理・生理痛の基礎知識に関するセミナーを行った他、高尾先生が生徒の疑問に答える形式で、生理・生理痛について理解を深める授業を行った。
「みんなの生理痛プロジェクト」は、今年3月、生理痛のメカニズムに着目した新製品「ロキソニンSプレミアムファイン」の発売に合わせて始動。「生理痛と正しく向き合える社会へ」をコンセプトに、石原さとみさんを起用したブランドメッセージ広告をはじめとして、性別を問わずより多くの人に生理痛に正しく向き合ってもらうための活動とともに情報を発信している。
また、「みんなの生理痛プロジェクト」のさまざまな活動を通して、生理・生理痛で悩んでいる人から「症状の有無や性別にかかわらず、生理痛の理解が広まってほしい」「自分に合った対処法を知ることの大切さを若い世代に知ってほしい」との声が寄せられたという。そこで、痛みに悩む当事者の女性だけでなく、今まで生理痛について考えたことがなかった人も含めてみんなで生理・生理痛と向き合う「はじめの一歩」を提供したいと考え、10月に「FIRST STEP ACTION」を始動したのだという。
同プロジェクトが10月に実施した高校生全国調査では、生理痛を経験している高校生の多くが、生理痛が学校生活に支障をきたしながらも我慢している実態や、生理や生理痛に関して困ったことがあっても学校に相談しづらく感じている実状が明らかになった。
ロキソニンとして、痛みに悩む当事者が「我慢せずに自分にあった対処法を選択することの大切さ」を学ぶだけでなく、性別や痛みの有無にかかわらずみんなで「痛みに悩む人に思いやりを持って接するために必要なこと」を考える機会を通して、生理痛と向き合うきっかけをつくりたいとの想いから、女性のウェルネス課題の解決・支援事業を行うfermataとタッグを組み、生理痛の対処法のひとつである鎮痛薬(市販の鎮痛薬のうち、服用年齢が15歳以上である非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)の成分を配合したもの)が服用できる年齢となる高校1年生を対象に「生理痛について“学び・考える授業”」を実施することになった。
12月11日、授業の趣旨に賛同した埼玉県立大宮南高等学校の1年生352名を対象に、「生理・生理痛について“学び・考える授業”」を実施した。授業に先駆けて、10月には日々生徒と向き合っている同校の教員を対象に生理・生理痛のセミナー・ワークショップを開催。話し合いを通じて出たアイデアをもとに生徒に向けた授業内容を検討し、「生理・生理痛について“学び・考える授業”」を迎えることになったという。
まず、第一三共ヘルスケア ロキソニン内服薬シリーズ ブランドマネジャー 土合桃子氏が今回の授業の趣旨を説明した。「痛みには様々なものがある。骨折や切り傷など目に見えやすい痛みは痛みの度合いを想像しやすいが、生理痛は目に見えづらいため、痛みの度合いを想像しにくい。今回、性別を問わず生理痛の理解を深めるきっかけにしてほしい」と訴える。「ロキソニンで行った調査によると、9割以上の高校生が生理痛を我慢していることが明らかとなった。生理痛は痛みに差があるだけに、我慢せざるを得ない状況になってしまう。生理痛を正しく理解することで、我慢をするという選択肢をなくすヒントを得てもらうために、今回『生理・生理痛について“学び・考える授業”』を実施することにした。授業をきっかけに自分の周りに痛みで苦しんでいる人がたくさんいることを知ってもらいたい」と、授業に参加する埼玉県立大宮南高等学校の1年生の男女352名に訴えた。
次に、埼玉県立大宮南高等学校で行った事前アンケート結果や高校生全国調査の結果で学校生活に支障をきたしながらも生理痛を我慢している実態を共有。その理由について、1クラス約9グループ(男女4名)で話し合いを行った。生徒からは「いいづらさを感じるから」「男女で認識が違うから」「(周囲の)理解がないから」などの回答が集まった。
続いて、産婦人科医・高尾美穂先生がファシリテーターとの対談形式で生理・生理痛のメカニズムや対処法について講義を行った。生徒から事前に寄せられた「生理はなぜ、女子にだけ起こるのか」「いつ、どのように起こるのか」「生理の時はなぜ、気持ちが不安定になるのか」「どのくらい、どのように痛いのか」などの疑問について回答。「子宮や卵巣は、毎月妊娠できる準備をする。具体的には、子宮内膜が赤ちゃんを受け入れるためにベッドのように厚くなる。しかし、妊娠しなかった場合は、赤ちゃんを受け入れるためのベッドである子宮内膜が剥がれ、子宮内膜と経血が排出される」と生理の仕組みについて解説。「生理の期間と出血量については、周期が25日~38日で、出血期間は3日~7日。経血量は20~140ml、初経は平均12歳となっている。一方、閉経は50歳であるため、平均周期で数えれば、一生で450回~500回ぐらい生理があることになる」と正常な生理の目安について語る。「生理周期の28日間のうち、生理中はブルー期でナーバスな状態。生理後はキラキラ期で絶好調なのだが、生理が近づくにつれてまったり期となり、生理前はもやもや期で絶不調期でもある」と生理中だけでなく、生理前から不調を感じるケースもあるとのこと。「生理にともなう痛みは、子宮の過度な収縮による下腹部痛、腰回りの血管の収縮や、それにともなう血行不良による腰痛、女性ホルモンの変動によって起きる片頭痛などの頭痛がある。これらの痛みがひどく、さらに、吐き気や疲労、脱力感、イライラなどの症状をともなう月経困難症という生理に随伴して起きる病的症状に罹患してしまう場合もある」と酷い生理痛は病気であるため、治療など対処が必要になるのだと解説する。
「月経困難症と診断されるないようにするには、お腹を温めたり、身体を動かしたり、ストレッチをしたり、産婦人科に相談したり、市販の鎮痛薬を試すことで対処できる」と生理痛が気になりだしたら、紹介した対処法を試してみてほしいとのこと。しかし、事前に生徒に行ったアンケートでは、「生理痛だけで婦人科にいってもよいのか。婦人科ではどんな診察を受けるかわからなくて不安」といった声が寄せられたという。これに対し、高尾先生は「生理痛については様々な世代の女性が受診する。受診の際には問診が重要で、服用している薬や、痛みの度合い、相談相手についてなどを聞いている。相談相手がいないという場合は、婦人科に来て医師に相談しに来てほしいと話している」と患者との対話が生理痛にとってとても重要な診察になるとのこと。
また事前アンケートの「鎮痛薬は飲み過ぎるとだんだん効き目が弱くなるのか」という質問について高尾先生は、「正しい用法・用量を守って服用すれば、体が慣れてしまい効きづらくなるということはない。生理時も、用法・用量を守って短期間に服用する程度では問題ない。ただし、正しく服用していても痛みが治まらない、月の服用日数が“10日”を超える場合は、婦人科を受診する目安となる」と教えてくれた。
「鎮痛薬を飲んで授業中に眠くなるのは困る」という質問については、「鎮痛薬には痛みを和らげる鎮痛成分が含まれる複合製剤では副作用として眠気を引き起こすことがある。眠くならないようにしたいという場合は、婦人科を受診する他、鎮痛薬を購入する際に薬剤師に副作用に眠気を引き起こすことはないかなどを聞くとよい」とアドバイスしてくれた。
そして、講義を踏まえ、学校生活の中で起こりうる場面を設定して、自分だったらどうするかグループで話し合いを行った。「仲の良い友人がつらそうにしながら教室にいたら、あなたならどうするか」というシナリオでは、「(いつもより)小さな声で話かける」、「保健室に連れて行く」、「目の前のことを手伝う」、「そっとしておく」などの意見が挙がった。様々なアプローチが考えられる中で、とるべき対応の正解が決まっているわけではなく、人によってとられたい対応もそれぞれであることを共有しながら、つらそうにしている具体的な理由まで触れずに、「体調が悪そうに見えるけど大丈夫?」などの声かけをするアプローチもあるのだということも学んだ。次に、「生理・生理痛で困っている人がいたら、周りの人はどういうことができると思うか」を各自で考えてもらったところ、「大丈夫ですかと声をかける」といった意見のほかに、「無理をさせない」「寄り添う」「(電車などで)席を譲る」などの意見があがった。
最後に高尾先生は、「自分が調子が悪い時にどうしてほしいかを考えてみてほしい。そうした気持ちで、困っている人に接してあげることが大切となる。今回の授業は生理痛について行ったが、男性も生理痛ではなく、腹痛などの目に見えない痛みに悩む可能性もある。つらそうにしていることがわかりにくく、機嫌が悪いと判断してしまうケースもあるかもしれない。そんな時は想像力を膨らませて、体調が悪く困っている人に対する声掛けや言葉遣いなどをすることで、相手を助けることができる。今回を機に、困っている人に対して、想像力をもって対処してほしい」と様々な痛みがあるということを知ることで、想像力をもった対応が可能になるのだと話していた。
今回の授業について、埼玉県立大宮南高等学校 第1学年担当 国語科教員 井戸洋子氏は、「10代の今だからこそ向き合ってほしい“生理痛”について、男女で学ぶ機会が実現した。授業に積極的に参加する生徒の姿から、自分も他人も大切にする社会は作っていけると確信できた。本校の実践が、多くの人に届き、生理痛に向き合うきっかけになることを願っている」とコメントしてくれた。
女性のウェルネス課題の解決・支援事業を行うfermataは、今回の授業を通じて、「プログラムを提供する側のつもりで参加したが、実際には、高校生のみんなの言葉一つひとつが新鮮に感じられ、自分たちの固定観念を見つめるきっかけと、多くの刺激を得た。“教える側”と“学ぶ側”を固定するのではなく、異なる世代がお互いの価値観を交換し合うことで、誰もが少しだけ生きやすくなる世界に近づけるのではないかと思う」と述べていた。
土合氏は、「生徒のみんなが講義や話し合いに積極的に参加している様子から、生理・生理痛について考えるひとつのきっかけにつながったことがわかり、大変嬉しく思った。これからも『FIRST STEP ACTION』を通じ、なるべく早い段階で、性別に関係なく生理痛と向き合う機会を提供することで、生理痛への理解と思いやりのある社会の実現を目指していく」と意気込んだ。
「ロキソニンSプレミアムファイン」は、つらい生理痛のメカニズムに着目した独自処方の鎮痛薬で、生理にともなうしめつけられるような下腹部の痛みや、血行不良・冷えにともなう腰痛、生理周期にともなう頭痛に速くよく効くとのこと。痛みをすばやく抑える鎮痛成分「ロキソプロフェンナトリウム水和物」と、つらい生理痛のメカニズムを考えた成分(シャクヤク乾燥エキス・ヘスペリジン)を配合。痛みの原因と悪化要因を考えた独自の処方設計で生理にともなう痛みによく効くという。胃を守る成分(メタケイ酸アルミン酸マグネシウム)を配合し、胃への負担を軽減する。また、眠くなる成分(鎮静成分等)やカフェインを含まないので、仕事中や休み前などタイミングを気にせず服用できる。
第一三共ヘルスケア=https://www.daiichisankyo-hc.co.jp/
埼玉県立大宮南高等学校=https://ohmiyaminami-h.spec.ed.jp/
fermata=https://hellofermata.com/