ECサイトを運営し、売上を効率的に伸ばすにはSNSの運用が効果的です。ただし、やみくもに運用しても集客効果を発揮しません。SNSを活用して売り上げを伸ばすには、ポイントを押さえたうえで媒体ごとに運用する必要があります。
この記事では、ECサイトにSNS戦略が欠かせない理由からメリット、効果的な戦略まで詳しく解説します。SNSを上手く活用したいEC事業者の方は、ぜひ参考にしてみてください。
目次
ECサイトの集客にSNS戦略が欠かせない3つの理由
ECサイトの集客にSNS戦略が欠かせない理由には、以下の3つが挙げられます。
●BtoCにおけるEC市場は拡大し続けている
●SNSの利用者は増え続けている
●SNSの情報を購買行動につなげる人が増えている
ここではそれぞれに分けて解説しますので、詳しく見ていきましょう。
BtoCにおけるEC市場は拡大し続けている
SNS戦略はBtoCの領域で力を発揮しやすいです。SNSは顧客とコミュニケーションを取るための手法であり、対企業より対消費者のほうが共感・拡散がされやすい傾向にあります。その点でいうと、BtoCにおけるEC市場の拡大に合わせてSNSマーケティングの重要性は高まってきているといえます。
経済産業省の2020年7月の報告によると、2019年の日本のBtoC-EC市場の規模は19兆3,609億円に達し、前年から7.65%増加しました。また、ECサイトの売り上げは物販、サービス、デジタルの各分野で増え続けています。
こうした環境に置いて、企業にとってECサイトとSNSを組み合わせた戦略がビジネス展開において、ますます重要です。
参考:経済産業省
SNSの利用者は増え続けている
SNSの利用者は増え続けています。LINE、Instagram、X(旧Twitter)などのSNS利用者は増加しており、何らかのSNSを利用している人は78.7%にも及びます。
これは全年代を通じての利用率の上昇を示しており、SNSが新規顧客の獲得や見込み客へのアプローチに有効です。そのため、ECにおいても、SNSの活用が売上を伸ばすうえで無視できません。
参考:総務省
SNSの情報を購買行動につなげる人が増えている
SNSの普及により、SNSの情報をもとに商品購入を決めるユーザーが増えています。さらに、コロナ禍でのデジタルシフトがECサイトの利用を増やし、SNSを介したECサイトへの誘導や売上アップの重要性が高まっていると考えられるかもしれません。
ECサイトにSNS戦略を取り入れる4つのメリット
ECサイトにSNS戦略を取り入れるメリットには、以下の4つが挙げられます。
●無料で始められる
●ユーザーのファン化を促せる
●アンケートなどでユーザーの声やデータを集めやすい
●見込み客の獲得につなげやすい
ここではそれぞれに分けて解説しますので、詳しくみていきましょう。
1.無料で始められる
主要SNSは無料でアカウントを開設でき、広告費をかけずに情報を発信できます。自社のSNSアカウントを活用して、消費者に向けて自由に情報を伝えられれば、企業のマーケティングに大きく役立ちます。
広告などと異なり、SNS戦略を取り入れることによって、予算を割かずにマーケティング施策を実行できる点は大きなメリットです。
2.ユーザーのファン化を促進できる
SNS利用のメリットには「顧客ロイヤルティの向上」もあります。企業にとってSNSは、ユーザーと直接コミュニケーションをとるチャンスです。
SNSを活用することで顧客の不満・要望を拾い、改善を繰り返すことで、顧客の信頼感を高められます。また、投稿により親近感を与えることで、企業のファン化が期待できるのもメリットです。
3.アンケートなどでユーザーの声やデータを集めやすい
SNSは、ユーザーのリアルな声を聞くのに有効なツールです。商品名やブランド名で検索するだけで、多くの口コミを見つけられます。またアンケート機能を使うことで、SNS上で意見の収集も可能です。
一般的に、消費者の口コミを収集しようと計画する場合、リサーチ会社へ依頼する必要があります。しかし、一定数のフォロワーがいる企業では、コストをかけなくても直接ユーザーからの意見が確認できます。
4.見込み客の獲得につなげやすい
投稿をすることで認知を広げられます。またSNSのフォロワーや投稿への反応を示すユーザーは、見込み客でもあります。フォロワーに情報を発信することで、購買を流すことが可能です。
もちろん自社ECサイト上でもメルマガ登録などで見込み客を獲得できます。しかし登録へのハードルが高いです。その点、SNSでのフォローはハードルが低いため、比較的簡単に見込み客を増やせます。
ECサイトにSNS戦略を取り入れる際の注意点は4つ
ECサイトにSNS戦略を取り入れる際の注意点には、以下の4つが挙げられます。
●炎上のリスクがある
●効果が出るまでに時間がかかる
●定期的な更新が必要になる
●適切な媒体の見極めが難しい
ここではそれぞれに分けて解説しますので、詳しくみていきましょう。
1.炎上のリスクがある
企業の公式アカウントは、不適切な投稿が炎上してしまうリスクがあります。間違った情報や不適切な内容はすぐに広まり、ブランドイメージを損ねてしまいかねません。
一度、炎上してしまうとすぐに投稿を削除しても、ブランドイメージを元に戻すことは難しいです。そのため、投稿する前に内容を複数回チェックするようにしましょう。
ただしブランドのファンだからこそ、期待値が高すぎて炎上してしまうこともあります。この場合は逆にロイヤルティを高めるチャンスでもありますので、きちんとフォローをしましょう。
2.効果が出るまでに時間がかかる
公式アカウントを開設してもすぐにフォロワーが増えるわけではありません。フォロワーを増やすには、コツコツと投稿を続ける必要があります。
開設当初は、同じジャンルの企業アカウントと相互フォローをしながら、自社を利用している層を少しずつフォロワーにするように心がけてみてください。
3.定期的な更新が必要になる
SNSでは、定期的な情報更新が求められます。最新情報や商品情報を定期的に投稿することで、フォロワー数の増加・認知度を高められます。
ユーザーの興味を引くためには、新鮮かつ役立つ情報の提供が重要です。また、いいねやリプライしてくれたアカウントに対してコメントを返すようにする・ユーザーにとって有益なキャンペーン施策を実施すると効果を見込めます。
4.適切な媒体の見極めが難しい
Facebook、X(旧Twitter)、Instagram、LINEなど、各SNSにはそれぞれ特徴があります。効果的なSNS運用には、ターゲットユーザーや目的に合ったSNSの選定が必要です。
複数のSNSを使う場合には、それぞれの特徴に合わせた投稿を心がけてください。同じ内容の投稿を他媒体でそのまま投稿することは避け、特色ごとに応じた発信ができるように工夫すると効果的です。
また、futureshopでは拡散用の画像を指定することもできるため、初めて見たユーザーをECサイトへ誘導しやすくなります。こちらの機能が気になる方は、ぜひこちらから詳細情報をご確認ください。
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代表的なSNSの種類とその特徴
代表的なSNSの種類とその特徴について解説します。
Instagramは主に20代女性に人気のSNSです。国内利用者数は約3,300万人を超えています。このプラットフォームは10代から30代のユーザーが多く、視覚的なイメージとテキストを使ってブランド写真や動画の魅力を重視した投稿が重視され、ハッシュタグを置くことで幅広い視野にアプローチが可能です。
Instagram利用者の60.7%が「SNSの情報をきっかけや参考に初めて利用するECサイトで商品を購入したことがある」と回答しています。ユーザー層から、特にコスメやアパレル商品と相性がよい傾向にあります。
参考:アライドアーキテクツ株式会社『5大SNSユーザーによる「SNSをきっかけとした購買行動・口コミ行動調査結果」』
X(旧Twitter)
X(旧Twitter)は、10代から30代を中心に4,500万人の国内利用者を抱えているプラットフォームです。このSNSは、140字以内の短い投稿形式で瞬時の情報の発信や拡散を得意としています。
また、 X利用者の55.2%が「SNSの情報をきっかけや参考に初めて利用するECサイトで商品を購入したことがある」と回答しています。リポストによる情報拡散が大きな強みです。季節物やトレンド商品、期間限定キャンペーンなどと相性がいいです。
参考:アライドアーキテクツ株式会社『5大SNSユーザーによる「SNSをきっかけとした購買行動・口コミ行動調査結果」』
Facebookは、30代から40代のユーザーに人気のSNSとなり、国内利用者数は2,600万人を抱えています。実名登録制のプラットフォームはビジネス向けに適しており、教育やヘルスケア、不動産、BtoB分野で高いコンバージョン率を誇ります。
また、ユーザーが「いいね」すると自動的にフォロワーに共有される機能があり、広告の種類についても豊富です。Facebook利用者の54.4%が「SNSの情報をきっかけや参考に初めて利用するECサイトで商品を購入したことがある」と回答しています。無料でオンラインショップを開設できる機能も利用できます。
参考:アライドアーキテクツ株式会社『5大SNSユーザーによる「SNSをきっかけとした購買行動・口コミ行動調査結果」』
YouTube
YouTube は国内利用者数が 6,500 万人以上の動画プラットフォームです。年齢や性別に関係なく幅広い層に利用されています。
また、人気YouTuberへの広告は効果が高く、ゲームや美容、食品などの商材とのタイアップが最適です。動画プラットフォームの強みを生かし、自社チャンネルの開設やウェビナーを利用した宣伝も活用できます。
TikTok
TikTokは、Z世代を中心に人気のあるショート動画プラットフォームです。国内では約1,690万人が利用しています。
10代から20代の若者が主なユーザーとなり、とくに食品やコスメなどの若年層向け商品が好評です。このプラットフォーム上で商品が注目される「TikTok売れる」現象が起きており、EC業界で新しいビジネスチャンスと話題となっています。
また、起動画面広告やインフィード広告など豊富な広告の種類があります。
LINE
LINEは国内で最もユーザー数が多いSNSです。2022年時点で9,000万人の利用者がいます。全世代にわたるユーザー層を持ち、公式アカウントを利用することで、企業からユーザーへ直接アプローチが可能です。
LINEは他のSNSとは違い、電話帳のような利用ケースを想定しているため、公式アカウントに登録する層は購買に近いといえます。InstagramやXといった他のプラットフォームのフォロワーよりもコンバージョンに近いユーザーを囲い込めるのが魅力です。
さらに、広告種類は多岐にわたり、リッチメニュー機能を利用した外部サイトへの誘導もできます。
futureshopでは、あらゆるSNSとの連携に対応が可能です。ECサイトとSNS連携を検討している方は、こちらからfutureshopの機能をご確認ください。
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ECサイトの集客に効果のあるSNS戦略5選
ECサイトの集客に効果のあるSNS戦略を5つ選んでご紹介します。
1.影響力のあるインフルエンサーを活用する
商品の魅力を伝えるために、影響力のあるインフルエンサーを活用する方法は非常に効果的です。インフルエンサーの投稿はファンによって広く拡散され、商品情報が瞬時に広まる可能性があります。アカウントを開設した直後でも、インプレッションを多く獲得することができ、フォロワーも増えやすいイメージがあります。
しかし、インフルエンサーを選ぶ際、フォロワー数だけでなく、ファンとの信頼関係やエンゲージメントの度合いを検討するのも重要です。
インフルエンサーの過去の実績や特定分野での影響力も考慮して、慎重に選ぶようにしてください。
2.ユーザー目線で作られたUGCを増やす
ユーザーによって作られるコンテンツ、UGC(User Generated Content)を増やす戦略も有効です。UGCは消費者目線で作られ、企業の広告とは違う信頼感をほかのユーザーへ与えられます。
ほかの消費者に影響を与える力を持ち、新しい顧客獲得につなげられる可能性を高められます。
また、UGCを増やすことはコスト削減にも効果的であり、製品開発においても有益かつリアルな声を集めることが可能です。
ただしまずはフォロワーがいなければUGCも増えないため、まずはフォロワーを獲得できる施策を講じましょう。
3.ライブコマースを活用する
SNSのライブ配信機能を利用したライブコマースは、リアルタイムでのコミュニケーションにより、顧客との信頼関係を築き、購買を促進できます。
また、配信中の質問に即座に応えることによって、スピーディーに顧客の疑問を解消し、購入意欲を高めることが可能です。アパレル業界においてはとくに効果があり、インフルエンサーを起用することで新規顧客の獲得も見込めます。
そのため、ライブコマースはブランドのファンマーケティングにもなり、視聴者の購買意欲を引き出すことが可能です。
こちらもUGCと同じく、フォロワーがいなければ視聴者数も増えません。そのためフォロワーがいる前提でおこなう施策です。
4.広告を上手く活用する
SNSでの広告配信は、自社商品やサービスとの相性を考慮し、適切なプラットフォームを選ぶのが重要です。
たとえば、ビジュアルに強いInstagramは10〜20代の若年層に人気があり、視覚的な情報発信に効果があります。X(旧Twitter)はリアルタイムな情報拡散に強く、幅広いユーザー層に素早く情報を届けられます。またYouTubeの場合、動画を駆使して商品の魅力を伝えられます。
広告を打つことでフォロワーがいなくても、投稿を見てもらえます。開設初期と相性がいい施策です。
5.ショッピング機能を活用する
ECブランドの成功には、SNSのショッピング機能の活用が欠かせません。特に、Instagramのショッピング機能を利用すると、ユーザーはSNSを離れずに直接ECサイトで商品情報を確認し、その場での購入が可能です。ハードルが低いため相性がいいといえます。
ただし、この機能を使うためにはアカウントのビジネス化やフェイスブックカタログへの商品追加となるため、注意が必要です。
まとめ
ECサイトにおけるSNS戦略について解説しました。ECサイトで扱う商品やサービスのターゲットごとによく利用する媒体は異なります。そのため、自社が狙うターゲットごとにチャネルを分けて発信することが重要です。
この記事では、ECサイト運営を成功させたい方向けに、具体的なSNS戦略についてご紹介しましたので、ぜひ参考にしてみてください。
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