ロイヤルティプログラムとは?主な種類や実施するメリット、効果を高めるポイントを解説!

「優良顧客を育てたい」「継続的に利用してもらえるような施策を実施したい」

このような課題を抱えている方は少なくありません。自社の売上を長期的に安定させたいと考えるのは当然です。そこで本記事では、優良顧客育成に効果的なロイヤルティプログラムについて詳しく解説します。

目次

  1. ロイヤルティプログラムとは?
    1. ロイヤルティプログラムの変遷
    2. ロイヤルティプログラムの目的
    3. ロイヤルティを計測する指標
  2. ロイヤルティプログラムの主な種類は4つ
    1. 1.ポイント系ロイヤルティ
    2. 2.階級系ロイヤルティ
    3. 3.有料ロイヤルティ
    4. 4.社会貢献系ロイヤルティ
  3. ロイヤルティプログラムを実施する4つのメリット
    1. 1.リピート率の向上につながる
    2. 2.集客コストを削減できる
    3. 3.新規顧客の獲得も期待できる
    4. 4.ブランドに対する信頼感が向上する
  4. ロイヤルティプログラムの効果を高めるポイントは3つ
    1. 1.良質な顧客体験を提供する
    2. 2.利用者の敷居を下げる
    3. 3.定期的に効果を検証する
  5. ロイヤルティプログラムでよくある4つの質問
    1. 質問1.ロイヤルカスタマーとは?
    2. 質問2.NPSの計算方法は?
    3. 質問3.ロイヤルティプログラムの仕組みは?
    4. 質問4.一度ランクアップさせた顧客が離れた場合、ランクダウンさせるべき?
  6. まとめ

ロイヤルティプログラムとは?

ロイヤルティプログラムは、優良顧客に特典を与える施策です。目的としては「既存顧客の育成と囲い込み」や「LTVの向上」が挙げられます。代表例としてポイントアップや限定キャンペーンの開催があります。また、商品の先行販売やシークレットセールなどがあります。

いずれの場合もブランドへの愛着心を高めるための手段です。自社に応じて適切な手段を取り入れることによって、顧客の囲い込みやリピーター化が期待できます。

ロイヤルティプログラムの変遷

ロイヤルティプログラムの変遷をご紹介します。

小売事業者は、1960年代よりトレーディングスタンプ事業が開始され、ロイヤルティプログラムの先駆けとなりました。1990年代に入ると磁気式ポイントカードが普及し、最近では企業を跨いだ共通ポイントプログラムが使われるようになっています。

また、航空・ホテル事業者においては1980年代頃に航空会社のマイレージサービスが開始されるようになりました。同時期にワシントンホテルのカード式ポイントシステムが導入され、現在では、マイレージサービスやポイントシステムが広く利用されています。

最後に、クレジットカード事業者は、1980年代以前に百貨店系クレジットカードがロイヤルティプログラムを取り扱いはじめました。さらに、JCBがカード決済額に応じたポイント付与プログラムを実施、1990年代に入ると、多くのクレジット会社が商品交換が可能なポイントプログラムを開始しました。

現在ではSNSの流行もあり、顧客がブランドに対する意見を発信できる環境になりました。EC事業者において「ロイヤルティの獲得」が非常に重要になっています。こうした環境下において、ロイヤルティプログラムに力を入れているブランドは増えています。

ロイヤルティプログラムの目的

ロイヤルティプログラムは、顧客の購入頻度や金額に応じて優遇サービスを提供します。目的は「ECサイトやブランド、商品への愛着や信頼を高めること」です。その結果、顧客をファン化することが狙いとなっています。

ファン化により、リピーターを獲得できるため、売り上げの向上につながります。さらに、商品の性能・価格以外の部分で魅力を感じてもらえるため、価格競争に巻き込まれにくくなる効果も期待できます。

ロイヤルティを計測する指標

ロイヤルティ計測には、NPS(Net Promoter)が使用されます。NPSは、顧客の製品やブランドへの愛着度や推奨度を数値化したものとされ、2003年にベイン・アンド・カンパニーが考案した指標です。

また、従業員の職場に対するロイヤルティ測定にも応用できます。調査方法には、リレーショナル調査とトランザクション調査の2種類があり、それぞれの特徴は以下のとおりです。

リレーショナル調査

●全体的な体験について評価する方法
●ブランドや商品に焦点をあて、定期的に実施
●自社の強みや弱みを明らかにできる

トランザクション調査

●タッチポイントや担当者を対象にした調査
●個別の課題発見に適している
●接点を持った直後に行うのが望ましい

基本的には、リレーショナル調査で影響するタッチポイントを特定し、トランザクション調査で深掘りするように実施します。

ロイヤルティプログラムの主な種類は4つ

ロイヤルティプログラムの主な種類には、以下の4つが挙げられます。

●ポイント系ロイヤルティ
●階級系ロイヤルティ
●有料ロイヤルティ
●社会貢献系ロイヤルティ

ここではそれぞれに分けて解説しますので、詳しくみていきましょう。

1.ポイント系ロイヤルティ

ポイント系ロイヤルティとは、商品購入やレビューの投稿によってポイントが貯まるプログラムです。貯まったポイントは、自社商品の購入代金に充当でき、景品交換にも使用できます。

ポイント系ロイヤルティの場合は注意すべき点があります。例えば「会員登録するだけですぐに使える500ポイントプレゼント(1ポイント1円)」といった会員獲得施策をする場合、500円以内の商品があると送料分だけで買えてしまいます。これがSNSで拡散されてしまうと、「ポイ活」しているユーザが無料ゲット目的で会員登録がされてしまいます。すると企業としてはファンを獲得できず、損失につながってしまう恐れがあります。

そのため、実施する際には必ず「◯◯円以上の利用で適用」などの条件を設定するように対策してください。

2.階級系ロイヤルティ

階級系ロイヤルティは、利用頻度や金額によって顧客のランクが決まるプログラムです。ランクに応じて特典が向上します。例えばファッションブランド「ラコステ」では「アクティブ」「シルバー」「ゴールド」「プラチナ」のランクが存在します。

ランクごとに「先行販売」や「VIP限定プロモーション」「無償サービス」などの特典をもうけることで優位性を出せます。

3.有料ロイヤルティ

有料ロイヤルティは、顧客が特典を受けるために会費を支払うプログラムです。会員特典は会費を明らかに上回る価値を提供する必要がありますが、競合との差別化を図れます。

有料ロイヤルティの例としては、Amazonプライムが挙げられます。年会費を支払うことによって無料配送やストリーミングサービスなどの特典を提供し、多くの顧客を囲い込んでいます。

4.社会貢献系ロイヤルティ

社会貢献系ロイヤルティは、社会貢献活動への参加を特典として提供するプログラムです。顧客は、ポイントや購入金額の一部を寄付でき、購買行動が社会に役立つことで顧客満足を得ます。また会社やブランドの社会的価値も高まります。

ロイヤルティプログラムを実施する4つのメリット

ロイヤルティプログラムを実施するメリットには、以下の4つが挙げられます。

●リピート率の向上につながる
●集客コストを削減できる
●新規顧客の獲得も期待できる
●ブランドに対する信頼感が向上する

ここではそれぞれに分けて解説しますので、詳しくみていきましょう。

1.リピート率の向上につながる

ロイヤルティプログラムを通じて、感謝の気持ちを顧客に伝えることが可能です。自社ブランドへの愛着が高まり、競合他社を選ぶ必要性が低減します。

そのため、商品やブランドへの満足感が向上し、リピート率を高めることが可能です。その結果、購入頻度の増加だけでなく、LTVの向上についても見込めます。

2.集客コストを削減できる

新規顧客獲得には、既存顧客維持の5倍のコストがかかるといわれています。そのため、既存顧客を維持できるロイヤルティプログラムを実施することで、集客コストの削減が可能です。

また、ロイヤルティプログラムによる施策実施により、低コストかつ売上の向上も見込めます。これは、既存顧客からの口コミや紹介などによって、広告による集客と同等の効果を期待できることが理由です。

3.新規顧客の獲得も期待できる

新規顧客獲得も期待できます。人間は、自分が好きなものを広めたいという心理が働くのが一般的です。そのため、ロイヤルティプログラムの影響によって新規顧客の獲得につながる可能性があります。

また、消費者目線で信頼できると判断されることにより、従来の集客手法と比較すると、より優良な顧客を獲得する手段としての効果も期待できます。

4.ブランドに対する信頼感が向上する

ロイヤルティプログラムを通じた顧客の優遇は、企業姿勢のアピールにつながります。そのため、顧客からのブランドに対する信頼感を向上させることが期待できます。

また、ロイヤルティプログラムによる良好な利用体験がリピート利用を促進し、ブランドへの愛着と絆が強まり顧客をファン化する可能性を高められます。

ロイヤルティプログラムの効果を高めるポイントは3つ

ロイヤルティプログラムの効果を高めるポイントには、以下の3つが挙げられます。

●良質な顧客体験を提供する
●利用者の敷居を下げる
●定期的に効果を検証する

ここではそれぞれに分けて解説しますので、詳しくみていきましょう。

1.良質な顧客体験を提供する

ロイヤルティプログラムの効果を高めるには、金銭的に受けられるよりも高い顧客体験の提供が求められます。ロイヤルティプログラムだからこその特別感や驚き、感動を与える体験を提供することが重要です。

そのため、企業や商品サービスに合わせた顧客満足施策を検討してみてください。

2.利用者の敷居を下げる

ロイヤルティプログラムを幅広く利用してもらうには、導入する敷居を低くすることが重要です。利用する手続きの簡単さや、特典内容を明確に伝えることが顧客満足度向上につながります。

よく使われる手法としては、ポイント付与システムが使いやすく、参加しやすい施策として利用されています。

また、ECサイトにおけるロイヤルティプログラムを検討する際、リピーター施策を実現しやすいプラットフォーム「futureshop」によるサイト構築を検討してみてください。
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3.定期的に効果を検証する

ロイヤルティプログラムの効果を最大限のものとするには、定期的に検証・分析を繰り返して施策のブラッシュアップが欠かせません。

定期的に顧客推奨度調査を実施し、商品やサービスの推奨可能性を調査します。また、NPSを利用した愛着や信頼感を測定し、プログラムを常に改善し続けることで、継続的に選ばれる企業へと成長します。

ロイヤルティプログラムでよくある4つの質問

ロイヤルティプログラムでよくある質問には、以下の4つが挙げられます。

●質問1.ロイヤルカスタマーとは?
●質問2.NPSの計算方法は?
●質問3.ロイヤルティプログラムの仕組みは?
●質問4.一度ランクアップさせた顧客が離れた場合、ランクダウンさせるべき?

ここではそれぞれに分けて解説しますので、詳しくみていきましょう。

質問1.ロイヤルカスタマーとは?

ロイヤルカスタマーは優良顧客と異なり、ブランドへの強い愛着を持ち継続的に購入する層を指します。ロイヤルティプログラムは、新規および既存のロイヤルカスタマー開拓を目的に導入するのが一般的です。

また、ロイヤルカスタマーはLTVが高く、他者への推奨行動を取りやすく、売上の増加も期待できます。

質問2.NPSの計算方法は?

NPSは「この商品を友人に薦める可能性」を0点から10点で評価してもらう調査手法です。9〜10点は「推奨者」、7〜8点は「中立者」、0〜6点は「批判者」と分類します。

推奨者の割合から批判者の割合を引いた数値がNPSスコアです。また、中立者はNPSスコアの計算には含めません。

具体的な計算例を挙げると、回答者1,000人中、推奨者が400人、批判者が200人の場合はNPSは20と求められます。

質問3.ロイヤルティプログラムの仕組みは?

有料ロイヤルティプログラムとは、顧客が一定額の料金を支払い、会員になることで継続的な特典を得られるシステムです。

具体的には月額1,000円を支払い、会員登録することによって、買い物をするたびに5%割引き特典を受けられるようなものがあります。

つまり、特定の店舗やサービスを月に2万円以上利用する人にとって、月会費よりもお得に買い物できるようなプログラムの実施が成功へと近づけます。

質問4.一度ランクアップさせた顧客が離れた場合、ランクダウンさせるべき?

特定期間内に〇〇円購入することによってランクアップするシステムがあります。その際、利用金額だけではなく回数を加味する場合もあり、その後に顧客が一定期間に渡って離れてしまうケースも少なくありません。

この場合、一定期間経過しても利用したらランクをすぐ戻すように設計すれば、ロイヤルティを高めやすくなります。ロイヤルカスタマー育成だけではなく、休眠顧客対策という観点でも効果を発揮します。

まとめ

ロイヤルティプログラムについて解説しました。ロイヤルティプログラムは顧客を育成し、長期的な売上を高める効果を期待できます。そのため、自社が提供しているサービスに応じた施策を検討・実施することは売上を伸ばすために欠かせません。

futureshopでは、ECサイト構築時に会員ステージを設けることが可能です。また、施策実施についても適切なアドバイスを提供できるため、より効果的なロイヤルティプログラムを顧客に提供できます。
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