【建設分野の中途採用】若手未経験層、DXやSDGs対応の専門家など新たな職種の求人が増加

ヒューマンリソシア

高橋 良久 人材紹介事業本部 事業部長

【PROFILE】2002年ヒューマンリソシアに入社。派遣部門にて、支社長、エリア長などを歴任。グループ会社の人材紹介部門責任者を経て、2020年4月よりヒューマンリソシア、首都圏人材紹介事業部長に就任、同年7月より現職。

建設業の就業者数は1997年の685万人から減少し続け、2022年には479万人とピークの約3割減まで落ち込んでいます。さらに就業者の高齢化と団塊世代の定年による大量離職、将来の幹部候補となる30代40代の働き手が少ないことも影を落としています。

一方、大型イベントに伴う需要や老朽化したインフラ工事などに伴う投資は活況、加えて残業規制が適用される2024年問題への対応などから人材需要は当面高止まりが続くでしょう。こうした背景を踏まえ、建設各社は新卒・中途ともに採用強化に動いています。

若手未経験層の求人やDX推進に向けて必要となるIT関連人員、SDGsやカーボンニュートラルへの対応に伴う専門家など新たな職種の求人も増え、採用ニーズは旺盛です。

制度や環境の改善も進んでいます。賃金アップに向けた社会情勢を受け、スーパーゼネコンや大手デベロッパーを中心に賃金改定が発表され、各社も追随しています。設計・CADオペレーター、建設コンサルタント、建築事務などではリモートワークの導入も広がり、働き方の柔軟性も高まっています。

求職者の転職意欲も活況です。当社調査では、建設技術者の転職理由は、1位が給与アップ、2位が勤務地やワークライフバランスの充実、3位はキャリアアップでした。大手企業への転職により年収が約2割アップした事例など、経験者の多くは転職により給与アップを実現しています。

また7月の技術検定要件の緩和を追い風に、キャリアアップを目指す若者の転職層も増えています。自身の専門性・技術性を高めるために、専門資格の取得支援など、教育体制が充実している企業への関心の高さがうかがえます。

このように建設業界の転職市場は活性化し、雇用の流動化が進んでいます。働き方や働くことに求める価値観も多様化する中では、働き手のニーズに対応できる環境整備が事業拡大・継続に必要な人材確保には不可避です。大手や一部に留まっている給与引き上げや柔軟な働き方への取り組みを業界全体に広げることが重要になるでしょう。

【建設分野の中途採用】若手未経験層、DXやSDGs対応の専門家など新たな職種の求人が増加
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