副業・兼業人材を受け入れている企業割合が6割を超えたことが、マイナビ(東京・千代田、土屋芳明社長)が実施した「企業による多様な働き方実現に関するレポート(2023年)」で明らかとなった。
中途採用を実施した企業が副業・兼業人材を受け入れている割合は、65.2%で前年比18.8ポイント増となり、大幅に増加した。また、従業員の副業・兼業を認可する制度がある企業は70.6%(前年比1.9ポイント増)と、3年連続で増加している。
前年までは副業人材を受け入れている企業が46.4%、認可する制度がある企業が68.7%で22.3ポイントの大きな差があったが、今年は受け入れる企業が増加し、その差が5.4ポイントまで縮まった。今後の動向についてマイナビでは「人手不足解消などのために今後も副業の受け入れ企業が増加する」と予測する。
【副業・兼業社員を受け入れている割合】
2021年 40.9%
2022年 46.4%
2023年 65.2%
【従業員が副業・兼業できる制度がある割合】
2021年 61.3%
2022年 68.7%
2023年 70.6%
副業・兼業を認可する制度の導入理由は「従業員エンゲージメントを高めるため」(37.3%)が最多で、次いで「社員のモチベーションを上げるため」(37.0%)、「社員にスキルアップしてもらうため」(36.5%)などが続いた。
直近1年間に男性育休取得の実績がある割合は61.4%で、前年の57.4%から4.0ポイント増加した。今後1年間で男性育休が取得可能になる見込みの企業は74.0%で、今後取得はさらに進むと見込まれる。
しかし、育休取得率で最も高かったのは前年に引き続き「1割(男性育休取得権利がある男性のうち1割は取得できた)」(13.8%)だった。
【直近1年間の育休取得権利がある男性のうち、育休を取得できた割合】
育休取得権利がある男性社員はいない 21.9%(前年26.1%)
誰も取得していない・できそうにない 16.7%(同16.5%)
2023年実績あり計 61.4%(同57.4%)
うち取得権利がある男性のうち1割は取得できた 13.8%(同16.6%)
全員取得している・できそうだ 2.4%(同2.4%)
企業の男性育休取得推進への課題では、「取得希望者が少ない(51.2%)」がもっとも多く、「代替要員の確保(46.0%)」が続いた。
【企業の男性育休取得推進への課題】(複数回答)
取得希望者が少ない 51.2%
代替要員の確保 46.0%
復帰時の業務調整 41.1%
経営層の理解が得られない 33.7%
育児取得に前向きな職場の雰囲気醸成 32.7%
評価制度の整備 19.4%
その他 0.6%
これについてマイナビでは「男性育休は女性の産育休と比較して期間が短い傾向にあり、代替要員の確保が難しいという課題点もある」と指摘する。
調査は、2023年7月12日~18日、2023年1~7月に中途採用業務を担当し、募集活動をしており、採用費用の管理・運用に携わっている人事担当者を対象にインターネットで実施し、1600件の有効回答を得た。