Dr. 健康経営
田中 茂揮 執行役員
【PROFILE】横浜国立大学卒業後、新卒で大手メーカーに入社。営業職として従事後、DXプロデューサーとして社内のDX化・マーケ ティング領域におけるDX推進を担当し、社長賞受賞。その後、プロジェクトHRソリューションズに入社。2022年10月より部長職に着任。主にコンサルティングファーム企業への支援プロジェクトを担当。グループ会社Dr.健康経営の事業推進も担う。
はじめに、産業医について認識している従業員は多くないように思います。あくまで主観になりますが「何をしているか」まで答えられるのは30%にも満たないのではないでしょうか。
産業保健の担当者は、その活動が社内で理解や認識があまりされていないこともある中で、産業医とともに産業保健活動を進める必要があります。また近年、健康経営に関する機運が高まっている中で、健康経営に取り組み始めたという企業も増えています。
今まで取り組んでいなかったことにチャレンジする際、経営層の考える動きをどう進めるのかは、現場の大きな課題となります。そこで、産業医は専門知識と可能なラインの線引き、専門家としてのアイデアなどを出すことで企業の産業保健活動が活性化します。
経営層とのコミュニケーションも時として担当者がやるのではなく、産業医が専門家として提言することで、無理難題化していたものが、現実的な目標に落とし込まれることも少なくないです。このように、現在の産業医には「コミュニケーション能力」と「周りを巻き込める力」が要求されているように思います。
しかし、目標やコミュニケーションの重要性を理解している産業医は、まだまだ少ないのが現状です。実際、「直接契約を医師としていたが、医師がわがままを言いだし対応をすることができなくなったため、医師を変更したい」という相談をいただくことも多くあります。
こういった医師との交渉や調整が発生し始めると企業としては、「医師がやめた場合、再度自分たちで探さなくてはいけない」というリスクが見えないコストとしてのしかかり始めます。
そのため紹介会社などを使い、金額だけで判断するのではなく、「この紹介会社ならサポートがあるか」「この産業医はコミュニケーションコストがかからないか」という部分を意識して決定いただくことが、継続的な活動においては非常に重要になるのです。