聴覚障がい者コミュニティ『みみトモ。ランド』の創設メンバーの1人である耳鳴りこさん。長年耳鳴りに悩まされてきた経験と署名活動、『みみトモ。ランド』の創設と今後について伺いました。
「えー耳鳴りってなおらないの?」
これは私が耳鼻科で思わず言ってしまった言葉です。
こんにちは!みみトモ。ランド創設メンバーの耳鳴りこです。今回は私の自己紹介や想い、署名活動、みみトモ活動に至る経緯や経験談などをお話したいと思います。
耳鳴りに治療法はない
私はいわゆる平凡な主婦で耳鳴りを気にする暇もなく過ごしてきました。
思い返せば耳鳴りの一番古い記憶は小学生の頃、テレビや電気を消して眠る時にキーンと僅かに聞こえてきて不安になり、お母さんに「この音って皆んな聴こえるの?」と聞いた時です。
聴力に問題もなく普通に暮らしている時は聞こえない音量でしたので気にせずに大人になりました。
時は流れ、結婚をして2人目の子供を産んでしばらく里帰りをしている時、耳鳴りがやけに気になるようになり耳鼻科を受診しました。あの狭いBOXに入り聴力検査をした結果、すべてのHzで10dBが平均でした(むしろ普通の人よりよく聞こえているよと言われるほど)
「難聴は無いから気にしないで!一応お薬出しとくね」と言われ確かイソバイドなんかを処方されたと思います。
そこから数年後普段の生活をしている時も耳鳴りが気になるようになり、また耳鼻科を受診したところ、8000Hzのところが35dBまで落ちていました。加齢で説明はつくと言われたものの「早すぎるでしょ!」と納得できずに耳鼻科をあちこち回りました。
その結果「耳鳴りや難聴には確立された治療法はなく、耐え忍ぶしかない。もし進行性の難聴だったとしても何も治療することは出来ない」ことを知りました。「まさか治療法が無いとは!」と衝撃を受けたことがきっかけで色々調べ尽くしました。
私個人としてはiPS細胞に定期的に寄付をしていますが、日本は寄付文化が盛んではない国として知られています。一般的に、多くの資金は政府や大手企業による研究プロジェクトによって提供され、個人寄付は主要な研究資金源として一般的ではありません。
しかし、お金があれば薬や治療法の研究は進む可能性があります。有名な難病ALSでは、完治こそ出来ないものの寄付で新薬が大きく進んだと聞きました。
そこで私は日本国内で寄付文化を促進し、個人や企業に対して研究プロジェクトへの支援を呼びかける取り組みも重要なのかなと考え、その手始めに署名活動を思いきって始めてみました。
耳鳴りも立派な聴覚障がい
耳鳴りは症状そのものが主観的で、その原因もさまざまです。一部の状態では治療法が効果的であり、たとえば耳鼻科医による治療や音療法などが考えられますが、すべての症例に対して効果的な治療法があるわけではありません。
また、医療機関を複数回受診しても症状が改善しないことは、患者にとって非常にストレスになっている状況です。
内耳は複雑で研究しにくいことや難聴も耳鳴りも命を取られる訳では無いこともあいまって、研究がなかなか進まないそうです。
ですが決して軽く見過ごすべきではありません。耳鳴りは立派な聴覚障がいの一形態であり、当事者にとっては日常生活において大きな辛さをもたらすことを実感しています。
一度耳鳴りに悩まされると、それが長期間続く場合、精神的な苦痛や、お医者さんにすら理解して貰えないことで社会的な孤立感が生まれることもあります。常に耳鳴りが聞こえていて気が狂いそうでも誰にも理解してもらえないのです。
そのため、私たちは耳鳴りを軽視せず、当事者に対して理解と支援を提供する必要があります。当事者の苦しみを理解し、共感することが大切だと思います。
『みみトモ。ランド』での活動
そんな想いで活動していると、高野や国友と出会い創設メンバーとして活動することになりました。メタバースではほかの聴覚障がいの方々と交流をしています。
皆さんとやり取りする上でたくさんのことを学びました。補聴器をしても完璧に聞こえる訳では無いこと、聾者と難聴者にある壁、そこに中途失聴者も加われば同じ聴覚障がいと言えど、一括りに仲良くできないことも初めて知りました。
綺麗ごとばかりではなく多くの課題があるなかで、みみトモは真摯に向き合い、寄り添い、一緒に悩み、考え、聴覚障がいが生きやすくなるようなお手伝いが出来たら嬉しいです。
みみトモ。ランド公式ホームページ:https://mimitomoland2023.my.canva.site
みみトモ。ランド公式X(旧 Twitter):@ERI77428