コインベースのブロックチェーン「Base」とは?特徴や将来性を徹底解説

Baseは、アメリカの大手暗号資産取引所「コインベース」が開発したレイヤー2ブロックチェーンです。コインベースは、2021年4月にナスダックに上場しており、上場企業が独自の分散型ネットワークを公開するのは初めてのことです。

2023年8月9日に全ユーザー向けにメインネットを公開しました。すでに、100個以上の分散型アプリケーション(dapps)が導入予定となっています。

Baseは、100万人の開発者と10億人のユーザーを暗号資産市場に引き込むことを目標としています。

本記事では、Baseの特徴や今後のロードマップなどについて解説します。また、レイヤー2のメリットなどについても解説しているので、ぜひ最後までご覧ください。

目次

  1. Baseとは何か?
  2. Baseが採用したレイヤー2とは何か?
  3. Baseの将来展望と日本市場への影響

Baseとは何か?

Baseは、2023年2月23日にテストネットが立ち上げられ、8月にメインネットを公開したレイヤー2ブロックチェーンです。
ローンチ後すぐに大きな注目を集め、ローンチ翌日にはユーザー数が10万人を突破しています。また、1ヶ月ほどでTotal value locked(預かり資産)が4億ドル(約590億円=記事公開時点)を超えています。

また、コカコーラのNFTコレクションがBaseブロックチェーンでリリースされるなど、今後も活用事例が増えていく可能性が高いです。

Baseの大きな特徴の一つとして、誰でもネットワーク手数料(ガス代)がほぼゼロで利用できる点です。レイヤー2のブロックチェーンとして、イーサリアムとの互換性を保ちつつ、手数料はイーサリアムの10分の1を実現しています。

また、Baseを利用することで、開発者はコインベースの製品やユーザー、ツールなどにアクセスできる分散型アプリケーション(dApps)を構築できる特徴があります。すでに、100個以上の分散型アプリケーション(dApps)とサービスプロバイダを備えています。

Baseが採用したレイヤー2とは何か?

Baseはイーサリアムのレイヤー2ブロックチェーンです。

レイヤー1は、ブロックチェーンや暗号資産の普及によって、スケーラビリティ問題が課題になっています。
スケーラビリティ問題とは、ブロックチェーンにトランザクションが集中してしまうことで、取引の遅延や手数料の高騰などが発生してしまうことです。このような問題を解決するために生まれたのがレイヤー2です。

レイヤー2の大きなメリットが、トランザクションの処理速度向上と手数料の大幅な削減できる点です。レイヤー2は、レイヤー1のセキュリティを維持したまま、1秒間に処理できるトランザクション数を大幅に増やすことで、大量のトランザクションの迅速な処理を実現しています。また、ブロックチェーンの外部で取引を処理して、実行しているため、手数料削減につながっています。

Polygonとの比較

Polygonは、レイヤー2ソリューションとしてよく知られているブロックチェーンです。

BaseとPolygonは、採用しているロールアップが異なります。ロールアップは、データは全て正当なものだという楽観的な前提に基づいて処理する(ORU)とゼロ知識証明を活用して処理する(ZKロールアップ)の2種類に分類されます。

Baseは、前者のORUを採用し、Polygonは後者のZKロールアップを採用しています。
ORUを採用しているBaseの利点は、実装コストが比較的低いことです。ZKロールアップは利用するテクノロジーが複雑で、開発者が不足していることから実装にコストがかかってしまいます。しかし、ORUは比較的利用するテクノロジーが簡潔なため、コストを抑えて実装が可能です。

この点は、Baseのメリットと言えるでしょう。

Baseの将来展望と日本市場への影響

Baseは安全かつ低コストで分散型アプリケーション(dapps)を構築できるネットワークを目的として開発されています。
将来的には、100万人の開発者と10億人のユーザーを暗号資産市場に引き込むことを目標に掲げており、オープンソースかつ無料で世界中の人が利用できるプラットフォームを目指しています。

既に、業界で注目を集めており、レイヤー2分析サイトL2Beatのランキングで3位となっています。また、コラボなども活発におこなわれているため、今後さらに普及していく可能性が高いです。

現状の日本市場では、Polygonの知名度が高いです。しかし、先述した通り、BaseはPolygonに比べて実装コストが低いため、多くの開発者が参入しやすいブロックチェーンとなっています。

Baseの実装事例などが増えていくにつれて、日本市場でも利用者が増えていく可能性があるでしょう。

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