ChatGPTを使いこなすコツ&良い質問と悪い質問
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(本記事は、矢内 東紀氏の著書『ChatGPTの衝撃 AIが教えるAIの使い方』=実業之日本社、2023年5月29日刊=の中から一部を抜粋・編集しています)

ChatGPTを使いこなすカギ「プロンプト」

ChatGPTを使いこなす上で最も重要な要素の一つは、適切なプロンプトの設定です。プロンプトとは、ChatGPTに入力するテキストのことで、AIが適切な回答や情報を提供するために重要な役割を果たします。適切なプロンプトを設定することで、望む結果を出力しやすくなります

プロンプト設定の方法にはいくつかのポイントがあります。

明確で具体的な質問をする

AIが正確な回答を生成するためには、具体的で明確な質問が求められます。質問が曖昧であるほど、AIは適切な回答が難しくなります。

質問の文脈を提供する

ChatGPTに対する理解を深めるために、質問の背景や文脈を提供することが有益です。これにより、AIはより適切な回答を生成しやすくなります。

必要に応じて制約を設ける

ChatGPTに特定の制約を設けることで、回答の範囲を狭め、望む結果に近づけることができます。例えば、回答を特定の文字数に制限することなどが考えられます。

反復的な質問や確認

一度にすべての情報を得られない場合や、回答が不十分な場合には、反復的な質問や確認を行うことで、より適切な回答を引き出すことができます。

逐次的に質問をする、質問を分割する

複雑な質問や、複数の要素を含む質問は、いくつかの単純な質問に分割することで、より明確な回答が得られることがあります。また、一つずつ逐次的に質問することで、それぞれの回答が前の質問の文脈に基づいて得られることを確認できます。

これらのポイントを踏まえてプロンプトを設定することで、ChatGPTを効果的に活用し、望む結果を得ることができるでしょう。プロンプト設定のスキルを磨くことは、AIとのコミュニケーションを円滑にし、より有益な情報を得るための重要なステップです。

良い質問と悪い質問

では、具体的にプロンプトの設定方法のポイントを満たした良い質問と悪い質問を比較したときに得られる回答の精度を見ていきましょう。

良い例のプロンプト

「スタートアップ企業が成功するためには、どのような戦略が重要か。成功のための3 つのポイントと、それぞれに関連する具体的なアクションを説明してください」

スタートアップ企業の成功に関連する戦略について具体的な情報を求めていることと、成功のための3つのポイントおよびそれぞれに関連する具体的なアクションを要求することで質問が明確になっています。

また、スタートアップ企業の成功に焦点を当てることで質問に文脈を与えています。

ここに文字数の制約を与えたり、限定的な条件を追記したりすることで、さらに適切な回答に近づくことができるでしょう。うまく回答が得られない場合は、質問の仕方を変えながらやりとりを続けると期待の回答に近づけていくことができます。

実際にこの質問をしてChatGPTから得られた回答が以下です。

スタートアップ企業が成功するためには、以下の3つのポイントが重要です。

1.顧客ニーズの理解と製品・サービスの適合性

成功のためには、ターゲット市場の顧客ニーズを深く理解し、それに適合する製品やサービスを開発することが重要です。具体的なアクションとしては、市場調査や顧客インタビューを行い、フィードバックを得ながら製品・サービスを改善し続けることです。

2.効果的なマーケティングとブランディング

スタートアップ企業は、競合他社と差別化されたブランドイメージを確立し、ターゲット顧客にリーチすることが重要です。具体的なアクションとしては、デジタルマーケティング戦略(ソーシャルメディア、コンテンツマーケティング、SEOなど)を活用し、効果的な広報活動を行うことです。

3.強固な財務管理と資金調達

スタートアップ企業は、効率的な資源活用と資金調達が成功の鍵となります。具体的なアクションとしては、予算管理やコスト削減に注意を払いながら、適切なタイミングで資金調達(エンジェル投資家、ベンチャーキャピタル、クラウドファンディングなど)を行うことです。

これらのポイントを押さえつつ、戦略の柔軟性を持ち、市場や状況の変化に適応できるスタートアップが成功するでしょう。

悪い例のプロンプト

「ビジネスで成功する方法教えて」

この質問は曖昧で具体性に欠け、詳細も文脈も明確ではありません。そのため、回答は一般的で広範囲な情報になり、求めている情報が得られない可能性があります。

この質問で得られた回答が以下です。

ビジネスで成功するためには、以下のポイントを考慮することが重要です。

目標設定と戦略立案

明確なビジョンや目標を設定し、それに沿った戦略を立案します。成功するビジネスは、具体的な目標を持ち、達成するためのアクションプランを策定しています。

顧客ニーズの理解

顧客のニーズを深く理解し、それに応える製品やサービスを開発することが重要です。顧客インサイトを獲得し、市場調査やフィードバックを活用して製品やサービスを改善していくことが求められます。

効果的なマーケティング

強力なブランドイメージを構築し、ターゲット顧客にリーチすることが重要です。デジタルマーケティング、ソーシャルメディア、コンテンツマーケティング、広告などの戦略を活用して、リーチを拡大しましょう。

優秀なチームの構築

成功するビジネスは、優秀なチームを持っています。チームメンバーの採用や育成に力を入れ、チームワークを強化し、効率的に業務を遂行できる環境を整えましょう。

財務管理

収益性を確保し、資金繰りを適切に管理することがビジネス成功の鍵です。予算管理やコスト削減に努め、適切なタイミングで資金調達を行いましょう。

継続的な改善と革新

市場や業界の変化に適応し、常に新しいアイデアや技術を取り入れることが重要です。競合他社や新興企業に取り残されないよう、継続的な改善と革新を目指しましょう。

良い例の質問では、明確で具体的な情報が得られ、成功のためのポイントや関連する具体的なアクションについて理解できます。一方、悪い例では、曖昧な質問により具体的な情報が得られず、ビジネス成功に関する一般的な知識しか提供されません。

さらに抑えておくべきプロンプト設定のコツ

プロンプトの設定において、以下のポイントも有効です。

ニュアンスやトーンの指定

質問の際に、求める回答のニュアンスやトーンを指定することが有効です。例えば、「フォーマルなトーンで」や「親しみやすい口調で」といった指定を加えることで、回答が意図に沿った形で得られます。

クリエイティブな回答を求める場合、制約を緩める

逆に、クリエイティブな回答や新しい視点を求める場合は、プロンプトに制約を設けず、オープンエンデッドな質問を投げかけることで、意外な発見があるかもしれません。

専門用語やジャーゴンを使う

専門的なトピックに関して質問する場合、専門用語やジャーゴン(特定のコミュニティで通じる言葉)を使って質問することで、より専門的な回答を得ることができます。ただし、過度に専門的な言葉を使うと、回答が理解しづらくなることもあるため注意が必要です。

参照元や引用を求める

質問の際に、具体的な参照元や引用を求めることで、回答がより信頼性の高い情報に基づいていることを確認できます。ただし、ChatGPTの知識は2021年9月までのものであるため、最新の情報や出典を求める際は注意が必要です。

これらのポイントもプロンプト設定において効果的ですが、最も重要なのは、状況に応じて柔軟にプロンプトを設定し、試行錯誤を繰り返すことです。その過程で、あなたにとって最適なプロンプト設定方法が見つかるでしょう。

ChatGPTの衝撃 AIが教えるAIの使い方
矢内 東紀
1990年生まれ。慶應義塾大学経済学部卒業。経営者、著作家、投資家。23年5月にChatGPTを活用したブレインウェーブコンサルティング株式会社、プロンプトテックスターズ株式会社の2社を創業し、代表取締役社長に就任。また、客が日替わりで店長を務めるイベントバー「エデン」の創立者であり現・会長でもある。SNSでは「えらいてんちょう」通称「えらてん」の名前で親しまれており、総フォロワー数は15万人を超える。著書に『しょぼい起業で生きていく』(イースト・プレス)、『ビジネスで勝つネットゲリラ戦術詳説』(KKベストセラーズ)、『批判力』(小社)など多数。

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