情報や表現の限界は? ChatGPTの使用における5つの注意点
(画像=Sutthiphong/stock.adobe.com)

(本記事は、矢内 東紀氏の著書『ChatGPTの衝撃 AIが教えるAIの使い方』=実業之日本社、2023年5月29日刊=の中から一部を抜粋・編集しています)

ChatGPTが苦手なことと使用上の注意

ChatGPTにはできることだけでなく、苦手なことやできないこともあります。以下に、その具体的な例を5つ挙げます。

リアルタイム情報の提供

ChatGPTの情報は2021年9月までのものであり、それ以降やリアルタイムの情報を提供することができません。例えば、現在の天気や株価、最新のニュースなどを提供することはできません。

複雑な論理的推論

ChatGPTは一般的な質問に対しては適切な回答ができますが、複雑な論理的推論や専門的な知識が必要な問題に対しては、十分な回答ができないことがあります。

個人情報の取り扱い

ChatGPTは、個人情報や機密情報を取り扱うことができません。これは、ユーザーのプライバシーやデータセキュリティを守るための措置です。

言語の理解の限界

ChatGPTは高度な自然言語処理能力を持っていますが、言葉のニュアンスやダブルミーニング、文脈に基づく理解には限界があります。そのため、時には誤解や不適切な回答が生じることがあります。

倫理的・法律的な問題への対応

ChatGPTはAIであり、人間のような倫理感覚や法律的な判断力を持ち合わせていません。そのため、倫理的・法律的な問題に関する適切な回答や判断を行うことができないことがあります。

このように、ChatGPTは多くの点で優れた性能を発揮しますが、苦手なことやできないこともあります。その限界を理解し、適切な使い方をすることが、ChatGPTを効果的に活用するための鍵となります。

使用上の注意

上記のことから、ChatGPTを利用する際に注意すべき点として、リアルタイム情報への依存を避け、複雑な論理的推論や専門的な知識を必要とする問題には別の情報源を検討することが大切です。また、個人情報や機密情報の取り扱いには十分注意し、言葉のニュアンスや文脈に基づく理解に限界があることを念頭に置いてください。

さらに、倫理的・法律的な問題に対する回答や判断は、人間の知識や判断力を重視し、AIの回答に過度に依存しないよう注意してください。これらの点を把握し、適切な使い方を心がけることで、ChatGPTをより効果的に活用できます。

ChatGPTの衝撃 AIが教えるAIの使い方
矢内 東紀
1990年生まれ。慶應義塾大学経済学部卒業。経営者、著作家、投資家。23年5月にChatGPTを活用したブレインウェーブコンサルティング株式会社、プロンプトテックスターズ株式会社の2社を創業し、代表取締役社長に就任。また、客が日替わりで店長を務めるイベントバー「エデン」の創立者であり現・会長でもある。SNSでは「えらいてんちょう」通称「えらてん」の名前で親しまれており、総フォロワー数は15万人を超える。著書に『しょぼい起業で生きていく』(イースト・プレス)、『ビジネスで勝つネットゲリラ戦術詳説』(KKベストセラーズ)、『批判力』(小社)など多数。

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