身近な相談相手がいない社長は、強い孤独を感じることがある。孤独感をそのままにしておくと、心身の健康を損ねたり、思わぬ経営リスクにつながったりするかもしれない。事業に集中できる環境を整えるためにも、孤独感の原因と対策を社長視点で考えてみよう。
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4割以上の中小経営者には身近な相談相手がいない
税理士や従業員、家族など、社長にはさまざまな相談相手がいると考えられる。しかし、実際のアンケート調査を見てみると、4割以上の中小経営者には身近な相談相手がいないようだ。
以下のデータは、Management Mastersによる「経営の相談に関する実態調査(※)」の一部をまとめたものである。
(※)右腕や番頭、No.2人材のいない中小経営者が調査対象。
身近な相談相手がいたとしても、社長の悩みが解決するとは限らない。以下のアンケートは、上記の質問に「はい」と回答した経営者に対して実施されたものである。
経営の悩みはデリケートなものが多いため、素直に相談できない社長が多いようだ。また、ビジネスに詳しくない友人や家族などに相談をすると、期待している答えが返ってこないこともある。
経営者にはなぜ孤独感があるのか? 特殊な人間関係が原因に
社長の孤独感は、特殊な人間関係が一因になっている。
例えば、一般的な従業員は意思決定を上層部に任せやすい。一方で、社長は会社の方向性を決める立場であり、従業員とは違った考え方やリーダーシップが求められる。つまり、労働者とは価値観にズレがあるため、悩みを共有できる経営者仲間がいないと孤独を感じてしまう。
具体的にどのようなケースで孤独を感じやすいのか、主な原因を3つ紹介しよう。