目次

  1. 概要
  2. 自己紹介と講演のテーマ
    1. ①「世界はどんどん変わる」
    2. ②「社会も変化する」
    3. ③「リーダーシップについて」
  3. 質疑応答
    1. 質問①「仕事のモチベーションの源泉を見つけるためにマネージャーがするべきことは?」
    2. 質問②「縦の意識がなくならない日本企業を変えるためには?」

概要

【日時】
2022年1月14日登壇
【登壇者】
伊藤 羊一(Zホールディングス株式会社 Zアカデミア学長)
【概要】
Zホールディングス株式会社 Zアカデミア学長の伊藤羊一氏に、自身のリーダーとしての経験、また数多のリーダーを見てきた経験をもとに、これからの時代の経営者に必要なリーダーシップとはどんなものかについてお話いただきました。
※本記事はTHE OWNERオンラインセミナーを全文書き起こして一部編集したものになります

自己紹介と講演のテーマ

【司会】

それでは、早速ではございますが、伊藤様からご講演をお願いできればと思います。伊藤様、よろしくお願いいたします。

【伊藤】

はい、よろしくお願いします。 それでは、資料を共有させていただいて、本日は、経営者のための、これからの時代のリーダーシップということで、1時間お話をさせていただきます。 私、Zアカデミア学長の伊藤羊一と申します。

伊藤羊一氏講演
(画像=伊藤羊一氏講演)

最初に、自己紹介をさせていただきます。伊藤羊一という名前で、このような字が、若干珍しくて、これは何かって言うと、羊年の長男ということで、現在54歳でございます。 Zホールディングス、ヤフーとかLINEとか、アスクル、ZOZO。こういった会社がですね、集まって、Zホールディングスになっておりますけど、そこの全体の、企業内大学の責任者をしております。

元々、新卒で日本興業銀行、今のみずほ(銀行)に入りまして、で、プラスという文房具・オフィス家具の会社におりまして、7年前ですね、もうそろそろ7年になるんですけど、Yahoo!に来まして、Yahoo!ではひたすらこのアカデミア、企業内大学をやっております。 一方で、同時にですね、武蔵野大学で、アントレプレナーシップ学部という、学部を立ち上げて、学部長もこの4月から兼任しております。 あと、自分の会社を持ちまして、グロービスというビジネススクールの先生をやっておりますということですね。 名前の横に、Voicyパーソナリティーってありますけれども、あの、このVoicyというインターネットラジオのパーソナリティもやってます。

色々本も書いておりますということで、一体何をやってるんだということなんですけど、人々に、例えば啓蒙したりとか、スキルを教育するとか、そういった啓発、あとチームビルディングですとかリーダーシップとかを、自分でやりながら、皆様方に、言語としてお伝えしてるということでございます。

ちなみに、1分で話せ(1分で話せ 世界のトップが絶賛した大事なことだけシンプルに伝える技術)という本がですね、56万部、これ電子も含めてなんですけども、突破しておりまして、かなりご評価いただいてるところでございます。 武蔵野大学のアントレプレナーシップ学部ですね、2021年4月に開設しまして、アントレプレナーシップ学部っていうのは、日本の大学の中で、ここだけでございまして、

アントレプレナーシップ専攻っていうところとか、コースとか、学部じゃないところではあるんですけど、学部として作ったのは、私のとこは最初で、授業の中で、起業するとかですね、それから、教員が全員実務家教員ですとか、私も、Zの仕事やりながら、こっちをやってるということですね。 それから、1年生は全員寮ということで、70名一期生がいるんですけど、全員寮に住んでおりまして、私も一緒に学生たちと一緒に住んで、暮らし、共に学んでいると、そんなことをやっております。Voicyの方はですね、ちらっと数字が下の方に出てますけども、今日はですね、500回目の放送を行いまして、フォロワーとしては、1万人の方が、フォロワーになっていただいてて、住人みんな聞いてるわけではないんですけど、おそらく2500から3000人ぐらいの方に聞いていただいてるということで、毎日放送しておりますので、もし、リーダーシップとか、マネジメントとか、生き方とか、キャリアとか、いろんなことについてお話をしておりますので、もし、ご興味あればこちらからご覧になっていただければという風に考えております。

今日ですね、皆様方にお伝えしたい点は、3つございます。1つ目は、世界が、どんどん変わってるということで、テクノロジーの話を、大層な話じゃないんですけども、とにかくどんどん変わるという話をしたいと思います。 それから2つ目に、社会も今変わってきてるよというお話をしたいと思います。

3つ目に、リーダーシップについてということで話をしたいと思います。 なのでその3つは、全部リーダーシップに繋がってくるんですけれども、こういう時代だからこそのリーダーシップっていう文脈で、最初に、世界がこう変わる、2つ目に、社会がこう変わっている。

そして、3つ目にですね、それを踏まえてのリーダーシップは何かという3部構成でお話ができればということでございますので、もしご質問とかあれば、じゃかじゃかいただければという風に思っております。

①「世界はどんどん変わる」

伊藤羊一氏講演
(画像=伊藤羊一氏講演)

1つ目、 世界はどんどん変わるということでございます。 これは、今だからということではなくて、もう常に世界はどんどん変わってきたということで、皆様もご存じの方もいるかもしれないんですけど、写真をご覧いただければという風に思います。これは何かというと、1900年のニューヨーク・マンハッタンの写真でございます。 これは、ビフォー・アフターのビフォーってことなんですけど、何を見ていただきたいかっていうと、車を見ていただきたいんですね。人もぐちゃぐちゃいますし、車もガチャガチャ走ってるんですけど、

手前にある車のシルエットを見ていただきたいんです。これ、どんな車かっていうと、全部馬車なんですよ。 これ、馬ですね。見ていただければわかりますように、この頃の車と言えば、馬車だったということですね。これが1913年、たった13年経っただけで、ニューヨーク・マンハッタンがどんな風になってるかっていうと、1913年のニューヨークシティで検索いたしますと、こんな写真が出てきます。それがこちらですね。

伊藤羊一氏講演
(画像=伊藤羊一氏講演)

まさに私の同僚の安宅和人が書いております「シン・ニホン」(シン・ニホン AI×データ時代における日本の再生と人材育成)なんかでも、出てくるわけなんですけども、13年でこの状態から、この時はもう馬車しかいないんですよね。1913年には、馬車なんかも見る限り1台もいないということで、こういう自動車ですね、いわゆる自動車が、もう席巻してるということでございます。

1907年に、フォードがですね、T型フォード自動車ってのを発売しまして、そこから、 あの馬車が、自動車にとって代わられたということでございます。 13年でこういう変化が生み出されますということですね。

ただ、まあ、これはさすがに昔すぎるので、もうちょっと最近の話、これもウェブでは非常に有名な写真なんですけども、もう1つ写真をご覧いただきたいんですね。

伊藤羊一氏講演
(画像=伊藤羊一氏講演)

これは2005年の何の写真かって言うと、バチカンの写真でございます。 バチカン王国ですね、バチカンでローマ法王を待ってるところでございます。ローマ法王まだって言ってね、みんな待ってるということでございますけど、これはビフォーですね。これが、8年後、2013年に何が起きてるかっていうと、下の方に写真が出てくるんですけど、 2005年と2013年の間に何があったか、皆さんもご記憶あると思うんですね。

iPhoneとかiPadが出てきたんです。それによって、どう変わったかっていうと、スマホ、タブレットが出てきて、一般的になってきました。加えてですね、 ハードが変わっただけではないんですね。その頃、facebookとかtwitterとかinstagramとかっていうのが、使われるようになってきて、スマホでぴゅっと映して、バチカンとか行って、それをSNSでシェアするという文化も併せて、生まれた。これによって、こんなふうに、状況が変わったわけですね。似たような光景を皆様方も味わうことができるんですけど、どこかっていうと、コンサートホールですね、 アリーナとかですね、ドームとかにコンサート行きますと武道館とか2013年のこういう状況が生まれてます。昔は、カメラとか持ち込み禁止でね、カメラ持ってると取り上げられていたんですけど、今はもうスマホでみんな映せちゃうから、もう実質取り上げられないので、オッケー。だからもう映していいよということで、こんな感じでみんな、 このコンサートホール、コンサート会場行きますと、もうカメラでバシャバシャ映して、スマホでね。それでSNSでシェアするっていうような感じになってきてると。

2007年にiPhoneが発売されました。2010年にiPadが発売されました。これでいきなり、人々の生活様式ってのが変わっちゃったってことですね。2005年にはガラケーがあったんですけど、2005年の右下のあたり見ていただけますと、ガラケーで映してる人もいるんですけど、なんか、SNSでシェアするとかっていう感覚はなかったんで、まああんまり、人もカメラとかを手に取ってみたいな感じじゃないんですけど、いきなり2013年、この8年の間に、こういう変化が生まれてるということなんですね。

だから、先ほどのフォードのT型自動車もテクノロジーです。2005年から2013年の、このiPhone、iPadの誕生、テクノロジーの誕生により、テクノロジーの進化により、社会がガーンと変わってきてるということが生まれてるわけ。どんどん、どんどんスピードアップするわけですね。

昨今、テクノロジーはいろんなものがありますけど、わかりやすい身近な例で申し上げますと、 コロナによってオンライン会議ですね、こういうセミナーなんかも、リアルでやるのが基本だったんですけど、オンラインでいいじゃないかと、それで内容伝わるじゃないかっていうことで、あと会議もですね、オンラインでどんどん使われるようになった。それがどんなスピード感で、どんなことを生んでるかっていう話をしますと、私の経験で言うとこんなことが生まれてます。2020年の4月6日を思い出してください。2020年の4月6日って、どんなタイミングかっていうと、2月ぐらいからですね、コロナがわーって来て、全国の小中学校がみんな休みになったと。3月は春休みで、4月に学校が、どうするっていう風にあたふたしてた時期です。最初の緊急事態宣言が出た時です。小中高は、もうとにかく休めみたいな感じで、私の娘の学校もですね、ゴールデンウイーク明けるぐらいまで、とにかく休校だっていうそんな状況でした。 大学はどうかっていうと、大学は、オンラインでやんなさいっていうことで、ま、各々大学のオンラインで授業やろうとしてたんですね。僕自身は、まだヤフーの人間で、武蔵野大学の仕事をしてなかったんですけど、大学の先生と話しててね。

伊藤さん、「グロービスでオンライン事業とかやってるじゃないですか」と。「うん、やってるやってる」と。「あれどういう風にしたらいいの?」って、「あれを大学の授業でできる?」って聞かれたんですよ。「簡単にできますよ」と。対面でやってたこと、まずね、移植するだけだったら、もう超簡単ですから。「え、どうやってやるの?」て言って、教えてたんです。2020年の4月1日に大学の先生はめっちゃ困ってるし、小中高、それから幼稚園の先生とかも困ってると。ついては、このノウハウ、伊藤さんのノウハウを、 先生たちに教えてやるようなカンファレンスやってくんないかって言われて、「おー、いいっすよいいっすよ」ということで私自身は、会社で、Zoomとか使ったり、あとグロービスですね、グロービスで、Zoomを使って授業やるってことをもう何年もやってたんで、普通にできますっていうような話だったんで、学校の先生は困ってんだったら、じゃあちょっくらやりますかっていうことで、でも、もう大学の授業ってもうすぐ始まりますよね? て言って、うん、10日ぐらいに始まるんですと。

今、4月1日だからもうすぐやんないとダメじゃんっていうことで、いやいや、すぐやってほしいんですよと、じゃあ、4月6日ぐらいにやりますかっていうことで、 4月1日にね、Zoomで話してたわけですよ。それで、オッケーじゃあ、もうとにかくやりましょうと。 じゃあ、みんな先生募って、10個ぐらいセッション作ろうということで、カンファレンスやろうって言ってね。翌日4月2日に、SNSでね、TwitterとかFacebookで、こんなことで大学、中高の先生困ってるから、オンラインの授業のノウハウ共有カンファレンスやりたいんだと。 腕に覚えがある方、あと手伝ってくれる人、みんなここに集まってほしいって、Twitterとかで呼びかけたんですよね。

伊藤羊一氏講演
(画像=伊藤羊一氏講演)

そうしたら、知り合いとか知り合いじゃない人も含めて、もう30人ぐらい集まって、4月2日の夜に企画会議をやった。これが、企画会議の様子です。 俺授業やるわとか、ここの部分のサポートするねとか、Zoomも慣れてるから、 じゃあ私はそのチケットの販売とかやりますよみたいな感じで、もうみんなが一気にそのSNSで集まって、Zoomで集まって、よしやろうという話になったわけですよ。じゃあできるねっていうことで。これ、チケット販売はしなかったんですよね。無料でやるから来てちょうだいよって言って、 チケット販売サイトのPeatixで無料でチケットを発行しますっていうことでやったわけです。これもテクノロジーの活用ですね。 そうしたら、なんとですね、Zoomのアカウント、上限300人のアカウントでやってたんですけど、ものの見事に瞬間的に蒸発したんで、知り合いにちょっと連絡して、1000人のアカウント持ってる会社があったんで、じゃあ1000人のアカウント貸してくんないって言って、それで、やりたいんだっていうことで、 えー、やってですね、5、6時間で、チケット瞬間蒸発ですね。 4日、5日に準備して、6日に実際に小中高、予備校、大学の先生が1000人来て、このカンファレンスをやったということです。テクノロジーの力で、 講師を呼んで、チケットでみんなにアピールして、4月の6日に1000人が集まるカンファレンスっていうのを全部オンラインでやれてるってことですね。今の時代のスピード感はこういうことであります。

1000人のカンファレンスが6日間でできちゃうということなんですね。これは、テクノロジーをしっかり活用すれば、ガンガンスピーディにいろんなことができるということであります。

という中でテクノロジーを詳しく知る必要はないですね。例えばプログラミングができるかどうかとかってあんま関係なくて、僕自身も別にプログラミングなんかできないですしね。 インターネットってどうやって動いてるかもわかんないし、それからパソコンがそもそもどうやって動いてるかわかんないんですけど、ただどんなふうにテクノロジー活用できるかっていうのは、これは経営者の皆さん全員認識しとかなきゃいかんという風に思うわけで、何ができるんだっていうのを考えることは大事で、今ですね、もうテクノロジーがいろんなことやってます、ブロックチェーンだとかね、それから、メタバースとか、あの、Web3とか、最近の流行りDXと、色々言葉がございますけれども、それぞれ何ができんのって、 メタバースとかね、AR・VRの世界だし、Web3ってのは、もうちょっと先の話だと思うんで、そんな中で、1番重要なポイントっていうのは、こういうことじゃないかって。ヤフーのエバンジェリストとして、皆様方にお知らせしたいことがあります。それは何かって言うと、 インターネットがスクリーンの外に出てるっていうことをご認識いただければという風に思います。スクリーンの外ってどういうことっていうと、今この講演をご覧になってる経営者の皆様方は、 おそらくPCで、ご覧になってると思うんですけど、PCまたはスマホですよね。このスマホにもスクリーンがあるし、PCにもスクリーンがあるんですよね。

インターネットは元々スクリーンの中のものだったわけですよ。例えば、Yahoo!とかね、 ショッピングとか、amazonとか楽天とか要するに、スクリーンの中で色々やる、それから、ニュースを見るね、LINEのニュースを見る、Yahoo!のニュースを見るっていうことで、スクリーンの中で、行われるものだったのがインターネットだったんですよね。 これが、ガンガンスクリーンの外に出てきてるということであります。ここを捉えていただければということですね。

そのスクリーンの外に出て何が起きてんのっていうと、いわゆる一般的にはInternet of Things、IoTって呼ばれてるわけなんですけど、 IoTって言うとですね、なんかよくわかんないわけですね。Internet of Things、モノのインターネット。このインターネット何それみたいな、家電みたいなね、 ちょっとイメージしづらいんですけど、こういう風に考えればめちゃめちゃわかりやすいし、僕は申し上げたいのは、要するにこれから抑えとくべきことってのはこれだということなのが、Internet of Everythingっていうことですね。

最近は、IoEとかっていう風に言われることがほとんど、主語になっちゃってるんだけど、IoTの本質って、要は、 IoEだという風に思うんですよね。もう、全てのものがインターネットに繋がる。つまり、今まではスマホとかPCがインターネットで繋がってたんですけど、今後は、プリンターとか、プロジェクターとかっていうのは繋がってるし、例えば、皆様方が、今どこで、この講演を聞いていただいてるかっていうことで、向こう見渡していただきたいんですけど、インターネットと繋がってるものって何がありますか。見てほしいんですよね。 最近ですと、家電が繋がり始めたり、 照明が繋がり始めたりするんですけど、ただ一般的にはまだまだ繋がってないんですけど、家電と、ここにも冷蔵庫あるんですけど、冷蔵庫なんかも全然繋がってないです。

電子レンジも繋がってない。それから、照明も繋がってない、エアコンも繋がってない、もうこういう状態です。まだまだ、それが全部繋がるということですね。 今もどんどんそういうことが繋がってきてるわけなんですけど、例えばですね、もうこれ全てなんですよ。例えば、今皆様方が座ってる、デスクですとかチェアですとか空調とかも、全部インターネットと繋がっていくわけなんです。Internet of Everything。

なんでっていうことなんですけど、例えば空調はスマホでコントロールするために繋がったりするでしょうし、例えば椅子とかも、センサーが安くなったら、センサーチップをもう椅子に埋めといて、カンカンカン椅子をやってたら、この使い方が悪いとか使い方がいいとかっていうデータっていうのがどんどん溜まっていくので、そういう形で椅子と繋がるんだと思うんですけど、何に使われてるかはさておき、とにかく全部のものがインターネットと繋がる世界になっていくわけです。

そうすると、何が起きるかっていうことですね。そうするとそれを活用して、いろんなことができるわけですよ。例えば、Internet of Everythingの世界で、僕が今、皆様方にオンラインを通じて、講演を聞いていただいてるんですけど、こんなことができたりするわけです。例えば、皆さんチェアと空調を僕のスマホとコネクトしてくださいっていうことが言えるわけですよ。 オッケー、わかりましたって言って、皆様方がチェアのデータを伊藤のスマホに、それから空調のデータを伊藤のスマホにコネクトするみたいなことが簡単にできるようになるわけですね。だって、インターネットと繋がってるから。ラジャーっていうことで、皆さん繋がるわけですよ。

そうすると、何が生まれるかって言うと、例えばなんですけど、僕はこうやって講演してます。 まだ始まって20分です。だから、最初の20分で、まあなんかこいつの話、何が起きんだろうみたいな感じで聞いていただいてます。そういう時は、椅子の挙動ってのは、ひょっとしたらね、ノリノリになって、縦ノリだったりします。 そうすると、みんな縦ノリだよみたいなデータが僕のスマホに入ってくるわけです。

ところが時間が経ってきて、だんだん話がよくわかんなくなってくると、だんだんこっからこうなるわけですね。 そうすると、椅子のデータチェアが繋がってんだけど、みんな横乗りになってきてんじゃん。つまり、眠いかみたいなそんな感じがわかるようになってくるわけですよね。 これ、椅子ごとですけど、繋がるってことは、そういうことはできるっちゅうことですよ。

伊藤羊一氏講演
(画像=伊藤羊一氏講演)

みんな、うわー飽きちゃった。俺の話がわかんないっていうのも、悪いんだけど、ちょっとここでみんな起こすかということで、 皆さんの空調が繋がってるから、みんなの空調で冷風をくれ、スイッチオンとか言って、こうやったりするわけですよ。そうすると、僕のスマホから皆さんの空調に指示が飛んで、冷風が来て、うわ何みたいな感じができると。

Internet of Everythingってそういうことなんですよ。 これは何が起きるかわかんないんだけど、要するに繋がるとできることってあるよね。例えば、そういう形で、皆さんを起こすためにデータ取って起こすっていうね、もう冷風で起こすみたいなことができるようになると、こういう世界がInternet of Everythingの世界です。

つまり一言で言うと、なんでもできるってことですね。あと何ができるかって、これ決まりもないんですよね。繋がってるってことを生かして、新しいことが生まれてくるっていう、こういう世界です。 そうすると何が起きるかっていうと、データが溜まっていくんですよ。 だから、あのグラフかっていうと、インターネットの中にあるデータです。2000年、大体ちょっとみんなが使い始めたのが、1995年から2000年。

インターネットの中にあるデータってのは、0.00060バイトですね。 もう全然、ここグラフがないようなもんで、2010年にかけて、皆さん、ニュースを見たり、ショッピングをamazonとか楽天とかYahoo!ショッピングとか使うようになって、2010年は0.98デカバイト。これもないようなもんですね。それで、2010年から2020年。

皆さんご存じのように、スマホが出てきて、タブレットが出てきたから、インターネットを持ち歩けるようになりましたね。持ち歩けるようになって、LINEとか天気とか、乗り換えとかなんだとかってことを使い始めた。そうすると、2010年から2020年にボーンって40倍になったんですね。 ここからIoT、IoE本番でございます。いろんなものが繋がり始めているわけです。

伊藤羊一氏講演
(画像=伊藤羊一氏講演)

2030年に向けてどうなってるかっていうと、もうここのグラフ書いてないですけど、どのくらい凄まじく増えるわけ、どのくらい増えるかっていう、 今皆さんが見ていただいてるPCをはるかに超えて、皆様方がいらっしゃる天井ぐらいまで、 下手したらデータがバーンて、増えるという状況になっていくわけです。そんな増え方をする、あのデータがね。あと、いわゆるグラフをご覧になったことありますかっていうとね、かなりこれは凄まじい増え方をする。それが、2000年から2030年で、データがグーンと増える。 これ活用しない手はないですよねって話なんですよ。しかもそれは全ての産業においてなんですよ。だって、Internet of Everythingなんですから。

だから、俺の仕事はインターネット関係ねえよということをおっしゃるかもしれないけど、全てがインターネットと繋がるってことは、全産業の経営者がここを使っていかないともう取り残されるっていうことになっていくわけ。

取り残されるかどうかわかんないですけど、これを活用して新しいことをやっていくってことが大事になって、 これが僕はDXの本質だという風に思います。だから、繋がるデータが増える。 それで何が起きるかっていうと、この次ですよ。IoTで繋がるデータが増える。AIが賢くなるんですよ。

それで、AIって何っていうと、計算機なんですよ。どういう計算機って、データを送って賢くなる計算機なんです。 データがなかったら単なる計算機なんですよ。ということで考えると、データがボワッと増えるからAIが賢くなる。 具体的にどうするかっていうと、さっきの僕の話で、スマホ見ながら、今縦ノリから横ノリだね。じゃあスイッチオンとか言ってやるって申し上げましたけど、データが溜まっていけばそんなことやらなくても、もう僕は単に話してりゃいいんだけど、 ここにあるAIが勝手に判断してくれて、イトウさん、横揺れになってきてる、みんな眠いよっていうような感じでスイッチオンしますねとか言って勝手にやってくれて、AIが判断して、スイッチオンみたいなことっていうのが要するに自動化です。AIを通じてなされるっていうことになってくるということですね、

これは確実に、今僕が申し上げたチェアだの空調だのっていう話は、絵空事申し上げたんですけど、 全てのものがインターネットと繋がってデータが溜まって、そのデータを活用しながらAIが賢くなって、これを活用してみんなが便利になるし生産性が上がってくってことは、全産業において必要になってくる ということですね。これをぜひ皆さん方に最初に伝えたいということであります。

しかもですよ、これはじゃあどういう風に使えばいいんだっての、わかんないんですよ。だから、横一線でみんなそれを考えられるから、新しい領域に行ってデータを活用して新しいところで抜かすっていうのもできるようになるし、逆に言うと自分の強い領域でも、データを基に他の人たちが入ってきて戦わなきゃいけないってことが起きるということ。なので、インターネットに詳しくなるとか、Web3に詳しくなるとか、そんな必要全然ないんだけど、全てのものがインターネットと繋がってデータが増えてAIが賢くなる。それをどうやって仕事に生かしていくのかっていうのは、 考えないといかんという時代になってきてるのかなっていう風に思います。 これから来る世界は、どうなるかってわかんない。だから、自分たちで問いを立ててビジネスを作っていく世界になってく。自分だって何が起きるかわかんないからね。

だから、今まであったものを全部ぶっ壊して、トランスフォーメーションしていくって、もうまさにDX。DXの世界になっていくってことは、ビジネスを自分たちで問いを立てて作っていくっていう世界です。

自分たちで問いを立てるっていうことは、自分たちのビジネスを徹底的にリードできる。その武器が。だから、そのAIだのITだのってのは敵じゃないんですよね。これは、自分の、自分が自分の仕事を徹底的にリードしていくための味方ということだという風に思います。徹底的に自分でリードできるってことです。これが1つ目の帰結になります。