日ごろから多忙な経営者にとって、趣味を楽しむことは人生の貴重なスパイスとなる。しかし何か趣味を持とうと思ってもビジネスに役立つものばかり選んでしまうのではないだろうか。趣味は仕事に活かすのではなく、純粋に楽しめるものが本来のあり方だ。もちろん、純粋に楽しめる趣味が仕事に有益な効果をもたらすことができれば一石二鳥。

ぜひ取り組んでもらいたい趣味の一つに料理がある。本記事では、経営者の趣味としての料理の魅力を解説していく。「普段から配偶者に任せている」「外食ばかり」という人も家で料理をしてみてはいかがだろうか。

目次

  1. 料理は苦痛か楽しみか?
  2. 料理をするのがおすすめの理由
    1. 無心になれる
    2. 気分転換できる
    3. 食べたいもの、作りたいもの、食べさせたいものを作れる
    4. 五感を満喫させられる
  3. ビジネス力を磨ける料理の魅力
    1. 段取り力
    2. マルチタスク能力
    3. 市場(相場や流行)感覚
    4. 創造力
    5. コミュニケーション能力
  4. ビジネスができる人ほど料理もできる、カッコイイ人になろう
経営者にオススメ! 1日30分の料理で5つのビジネス力を鍛える
(画像=Elena/stock.adobe.com)

料理は苦痛か楽しみか?

家庭で料理をする場合、毎日献立を考え作るのを面倒に感じたりすることもあるかもしれない。毎日、毎食栄養バランスを考えて作らなくてはならないという義務感。せっかく作っても食べてくれる人が喜んでくれるだろうかという不安。しかし料理をすることでストレス解消ができたり、うまく作れた達成感を得られたりすることもある。

また料理には向き不向きがあるといわれることもあるが、「おいしいものを食べる」「人を喜ばせる」といったことが好きであれば、趣味として料理を楽しむのもおすすめだ。

料理をするのがおすすめの理由

趣味として料理をおすすめする主な理由は、以下の4つだ。

無心になれる

料理をする過程では、野菜を細かく刻んだり玉ねぎを飴色(あめいろ)になるまで炒め続けたりするなど、単調ながらも一つの作業に集中することがある。日ごろから仕事のことばかり考えている人には、まずひたすら野菜を刻み続けたり、魚の小骨を抜いたりといった細かな作業時間をとってみて欲しい。日ごろは、頭から仕事のことが離れなくても、もくもくと下ごしらえをするうちに無心になれるだろう。

気分転換できる

無心になって一心不乱に一つの作業に取り組むことは、気分転換にもなるはずだ。気が重くなるようなことがあっても気分転換すれば、また新たな気持ちで前向きに取り組むことができるだろう。

食べたいもの、作りたいもの、食べさせたいものを作れる

自分が食べたいものや作りたいものを作れることも、自分が料理をすることの魅力の一つだ。もちろん食べさせたい相手がいるなら、その相手に食べさせたいものを作って喜ばせることもできる。

五感を満喫させられる

料理は「視・聴・嗅・味・触」の五感で楽しむものだ。自分で料理をするほど五感を満喫させることができるだろう。例えば、彩りや盛り付けなどによる視覚やおいしいと感じる味覚、歯ごたえや舌触りといった触覚は自分以外の誰かが作った料理でも満足させられるかもしれない。しかし嗅覚や聴覚は、自分で料理をするからこその賜物だ。

オーブンから漂ってくる匂いや、煮込み料理をしているときのコトコトという音、熱々のフライパンで焼き物をするときのジュッという音などは、脳や心に良い刺激を与えてくれるはずだ。

ビジネス力を磨ける料理の魅力

経営者やビジネスパーソンの場合は、特に趣味として料理を楽しんで欲しい。上で紹介した魅力以外にもビジネスで必要とされる数々の能力が自然に鍛えられることがわかるだろう。

段取り力

献立は、複数の工程によってできあがる。例えば、ごはん、味噌汁、主菜、副菜といった一般的な家庭料理の献立でも、米を洗って水に浸し炊飯器のスイッチをセット。野菜は洗い皮をむいてカットし煮込み、炒める、肉や魚を切って焼くなど行うべき工程は数多い。また火の通り方や調味料を入れる順番による味付けの違いがあるため、料理の段取りは非常に大切だ。

食材や調理に関する知識が浅いうちは、段取りよく進まないこともある。しかし経験を重ねていくうちにベストな段取りをつかみやすくなり仕事にも応用できるだろう。

マルチタスク能力

複数の工程を効率よくこなすには、段取りのほかにも同時進行で複数の工程・作業をこなすマルチタスク能力が求められる。前述したように、一つの作業に没頭する工程もあるが、その横では鍋が火にかかっていたりオーブンが機能していたりするため、状況に応じて煮加減・焼き加減などの確認も必要だ。経営者やビジネス能力が高い人ほど、こうしたマルチタスク能力は身につけておきたい。

作業内容は違うとしても、料理を楽しみながらマルチタスク能力を養えられるのは魅力といえる。

市場(相場や流行)感覚

料理の前には、食材を買いそろえる必要があるが、自分でスーパーや商店街を歩くことは市場の状況を知るのに役立つはずだ。旬の食材や流行、相場はビジネスにおいても非常に大切な知識である。また予算内の買い物をすることでコスト管理能力も磨かれるだろう。

創造力

経営者やビジネスパーソンにとって、商談などで取引先とおいしい食事をとる機会は少なくない。「あの店の料理をまた食べたい」などと思うこともあるのではないだろうか。自分でその味を再現したいと思うとき、切り方、火の通し方、味付け、盛り付けなどを思い出し、真似てみることで創造力が磨かれる。磨かれた創造力は、製品開発などにおいても活かせそうだ。

コミュニケーション能力

冒頭で述べたが、料理はおいしいといって喜んで食べてくれる人がいるから楽しみとなる。そのためには、食事のシーンや食べる人の好みを考えたり見せ方を演出したりするなど、楽しい時間を共有するためのコミュニケーション力を発揮する必要があるだろう。

また買い物の際、店頭で知らない食材を見たときに店の人に尋ね、調理の仕方やよりおいしい食べ方を教えてもらうといったコミュニケーションも楽しいものだ。

ビジネスができる人ほど料理もできる、カッコイイ人になろう

普段から仕事で忙しく、これまで料理とは縁がなかったビジネスパーソンも一度料理に挑戦してみて欲しい。意外とさまざまな能力が活かされていることがわかり、料理にはまる人もいるかもしれない。ぜひビジネスもできて料理もできる、カッコイイ人を目指してはいかがだろうか。

續 恵美子
著:續 恵美子
ファイナンシャルプランナー(CFP®)。生命保険会社で15年働いた後、FPとしての独立を夢みて退職。その矢先に縁あり南フランスに住むことに。夢と仕事とお金の良好な関係を保つことの厳しさを自ら体験。こうした経験をもとに、生きるうえで大切な夢とお金について伝えることをミッションとして、マネー記事の執筆や家計相談などを行う。

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