キャンピングカーはあおられやすい? クルマ旅の安全確保にドライブレコーダーを取り付けてみた

キャンピングカーでのクルマ旅好きの筆者は、時間があれば知らない町の知らない道をトコトコ走っています。すると、のんびり安全運転になるのですが、時折その遅さのせいか、結構無理な追い抜きを受けることがあります。これがかなり怖い…。

そこでクルマ旅の安全対策の一つとして「キャンピングカーにドライブレコーダーを…」と思っていたところ、3カメタイプの「Sarmert DC4213」を試す機会に恵まれました。その結果をみなさんに紹介します。

目次

  1. キャンピングカーにドラレコを導入する場合、まず「取り付けられるのか?」が大事
  2. キャブコンへのドライブレコーダー「Sarmert DC4213」設置の実際
  3. ドライブレコーダー「Sarmert DC4213」の基本性能には大満足

キャンピングカーにドラレコを導入する場合、まず「取り付けられるのか?」が大事

6メートルのリアカメラ用ケーブルでは、キャンピングカーには取り付けられない?

どうやら世の中の多くの方が「キャンピングカーはスピードが出ない」と思っているようで、旅先をトコトコ走っていると、かなり強引な追い抜きや合流での割り込みを受けることがあります。筆者の場合、子どもを乗せて走っていることも多く、これが非常に怖いのです。

先日などは、ゆずり車線の終点近くの合流で走行車線に戻ろうとしていたら、かなり後ろを走っていたクルマにパッシングされ、道を譲ることを強要されました。しかも、パッシングまでして前に出たそのクルマが、前に出た後遅いというまったく何がしたかったのか、分からない事態も発生。

キャンピングカーはあおられやすい? クルマ旅の安全確保にドライブレコーダーを取り付けてみた
今回、実際に筆者のキャンピングカーに設置した「Sarmert DC4213」。
4K、3カメ、Wi-Fiなどに対応して実勢価格は1.5万円程度です

キャンピングカーは撮影旅や車中泊旅の時にしか乗らないので、これまでドライブレコーダーを付けていませんでした。しかし、さすがに事故にあってしまった場合等の証拠も含め、ドライブレコーダーを付けようと思っていたところに3カメタイプの「Sarmert DC4213」を使ってみないか? というお誘いが。非常によいタイミングだったので了承したのですが、まず問題はキャンピングカーに取り付けられるか? という点です。

筆者のキャンピングカーは、日本を走っているトラックベースのキャブコンとしてもっともメジャーなトヨタの旧型カムロードベースで全長は約5m。スペック表などを見ると「Sarmert DC4213」のリアカメラ用コードは6m。ちょっと配線の取り回しができないと思ったのですが「もし使えなかったら、返送してくれればいいから」という提案に、とりあえず試しに使ってみたわけです。

キャブコンの死角をカバーしてくれる「Sarmert DC4213」は便利

とりあえず「Sarmert DC4213」が到着した翌日から家族でクルマ旅に出掛けるスケジュールでしたので、とりあえず最短距離で見た目に構わずメインと室内、リア用のカメラを配置したところ、どちらのカメラもほぼ直線でケーブルを配置すれば、なんとか接続はできるといった感じ。仮のテストなので我慢しましたが、そのままでは「ケーブルはとても邪魔だし」、「見た目は悪いですし」といった印象でした。

これで事故などに備えて、動画が記録できるだけなら「ハッキリ言っていらない」と思っていました。まあ、本来ドライブレコーダーは事故などに備えた安全装備なわけで、装備したからといって、すぐになんらかの目に見えるメリットがあるわけではないのが当たり前でしょう。

しかし、目に見えるメリットがあったのです。

キャンピングカーはあおられやすい? クルマ旅の安全確保にドライブレコーダーを取り付けてみた
走行時にはドライブレコーダーとしてだけでなく、リアモニターとして活躍してくれている「Sarmert DC4213」。
背後が見える安心感があり、とても便利

「Sarmert DC4213」はフロントガラスに取り付けたメインカメラの背面に3.99インチのIPSタッチスクリーンを搭載しているのですが、このモニターにカメラの画像を分割や指定したカメラのものといった形でリアルタイム表示が可能なのです。

リアウインドウはありますし、ルームミラーもあります。しかし、キャブコンタイプのキャンピングカーを運転したことのある方なら分かると思うのですが、恐ろしく真後ろが確認しにくいのです。サイドミラーもあるので、背後が見えないわけではありませんが、真後ろが予想以上に見づらい。背後にクルマがいるのかすら、わかりづらいこともあります。

ですが「Sarmert DC4213」の背面モニターにリアカメラの様子を写しておけば、真後ろの様子は一目瞭然です。事故などの際に事実をしっかりと記録してくれるだけでなく、より安全快適にキャンピングカーを運転するのに「Sarmert DC4213」は役立ってくれることがわかりました。これで実勢価格1.5万円前後なら、かなり安いと感じ、本格的な設置を検討しました。

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「Sarmert DC4213」のパッケージを開けた同梱物。
メインカメラのほかに室内用、リア用の2つカメラ、ケーブル類など、細かなパーツも充実しています

「Sarmert DC4213」に同梱されているマニュアルは英語版のみです。日本語版が必要な場合は、Sarmertサポートメールアドレスに日本語のマニュアルPDFを送ってくれるように問い合わせると、PDFファイルを送ってくれるといいます。また、現在Amazonの商品ページなどからダウンロードできるように調整中だということです。

2.5mm 4極ミニミニプラグの延長ケーブルでカムロードにも取り付けられた

「Sarmert DC4213」を普通乗用車に装着する場合は、メインカメラをフロントガラスに吸盤で取り付け、その横に室内撮影用のカメラ、さらにリアガラスにリア撮影用のカメラを貼り付けるという設計です。しかし、筆者のようにキャブコンのキャンピングカーに取り付けるなら、メインカメラはフロントガラスに、そして室内用のカメラは運転席部分ではなく、キャビン部分が撮影できるように運転席後部、リアカメラについてはリアガラスといった配置にしたくなるでしょう。

キャンピングカーはあおられやすい? クルマ旅の安全確保にドライブレコーダーを取り付けてみた
「Sarmert DC4213」に付属するケーブル。
メインカメラからリアカメラへのケーブルは付属のものでも約6mですが、キャンピングカーには短いのです

この配置を配線ができるだけ目立たず、邪魔にならないように行うには、標準で付属する室内用、リア用のカメラケーブルではまったく足りません。延長する必要があるのですが、カメラ用のケーブルはヘッドセットなんかに付いているのをみたことがある形ではあるものの、名称や型式などが分かりません。そもそも汎用ケーブルなのかも怪しいと思っていました。

そこで近所の家電量販店で実物を見ながら購入しようと出掛けたのですが、筆者の思っていたオーディオ用のコネクタよりも小さいのです。仕方ないのでお店の方に聞いたところ、「これ、2.5mm 4極コネクタです。すごく珍しい」とのこと。当然、お店に在庫はありませんでした。

しかし、名称が分かってしまえば、ネットで検索するだけなので、非常に簡単。とても珍しいと言われましたが、Amazonで普通にドライブレコーダー用などとして販売されていました。筆者は3mと5mの「2.5mm 4極」の延長ケーブルを購入しましたが799円と980円とかなりリーズナブルなケーブルです。

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「2.5mm 4極」5mと3mの延長ケーブル。
筆者はAmazonで2本で2,000円以下とかなりリーズナブルに購入することができました

筆者が見た限り「Sarmert DC4213」の商品紹介ページや、マニュアルなどにも室内用やリア用のカメラケーブルが「2.5mm 4極」ケーブルであることは明記されていませんでしたが、キャンピングカーにドライブレコーダーを取り付けるならカメラケーブルが延長できるかどうかは超重要です。

「Sarmert DC4213」でカメラケーブルが市販品で延長できなかった場合を想像すると、筆者は間違いなく返送していました。逆にいえば、2,000円以下の追加投資でカムロードに装着できたのはラッキーともいえます。

キャブコンへのドライブレコーダー「Sarmert DC4213」設置の実際

キャンピングカーはあおられやすい? クルマ旅の安全確保にドライブレコーダーを取り付けてみた
リアウインドウに設置したリア用カメラ。
キャブコンを運転する際、これがあるかないかで安心感が大きく違ってきます

カメラケーブルの延長に成功したあとは、室内キャビンを撮影するためのカメラを運転席の後ろに、リア用のカメラをリアウインドウに設置するためにキャンピングカーの室内をケーブルを這わせていく必要があります。もしかするとクルマの内装を剥がして、そのなかにケーブルを設置する必要すらあるのでは? とかなり面倒な状態を想定しました。

しかし、実際は「Sarmert DC4213」に付属してきた「バールツール」と素手でキャンピングカーのパーツとパーツの隙間にケーブルを押し込んでいくと、かなりなんとかなってしまいました。

キャンピングカーはあおられやすい? クルマ旅の安全確保にドライブレコーダーを取り付けてみた
メインカメラからサンバイザーの上を通して、ドアの上の部分にカメラケーブルを這わせているところ。
実はドアの上の部分のカバーは手で引っ張ると外れます

具体的にはカメラのケーブルは、フロントガラスの中央上部に設置したメインカメラから運転席の上部にあるサンバイザーの上を這わせて、運転席のドアの上に誘導、ドアの上部の隙間カバーの中を通して運転席の後ろまで誘導し、運転席とキャビンを仕切るカーテンの後ろを通して室内撮影用のカメラの位置まで誘導。室内用カメラのケーブルの設置は、これで終了。

キャンピングカーはあおられやすい? クルマ旅の安全確保にドライブレコーダーを取り付けてみた
角の部分をしっかり両面テープ系のもので止めれば、もっときれいに仕上がるでしょうが、
隙間に押し込んでいくだけでキャンピングカーのリア部分までケーブルを回せました

一方、リアウインドウまで引っ張る必要があるリアカメラ用のケーブルは、そこからさらにキャビンスペースのもっと大きな窓の設置されたカーテンレールの上を這わせて、後方にあるマルチルームまで引っ張り、マルチルームのドアを避けるためにキャビンの屋根まで這わせた後、マルチルームとキャンピングカーの屋根の間の隙間に押し込みながら、最後部の二段ベッドまで誘導。ベッドの仕切り部分に沿って二段ベッドの一段目まで這わせた後、ベッドのクッションの間を通してリアウインドウまで配線しました。

両面テープなどを使って、ケーブルを固定すれば、さらにキレイに仕上がるのでしょうが、筆者は撤去の可能性も考え、ほとんど隙間に押し込むだけで、ここまでの配線を行っています。筆者のキャンピングカーに隙間が多いせいなのか、思ったよりも簡単に短時間で配線できてしまいました。

電源ケーブルだけはAピラーの内装を剥がして配線

内装の一部を剥がすことになったのは、メインカメラから伸びる電源供給のためのケーブル配線です。サンバイザーの上を這わせて運転席のドア側にまで誘導するのは、ほかのケーブルと同じなのですが、そこからフロントガラスの右脇を通してダッシュボード付近まで配線し、シガーソケットにつなげたいわけです。

キャンピングカーはあおられやすい? クルマ旅の安全確保にドライブレコーダーを取り付けてみた
カムロードのAピラー部分。
アシストグリップの根元にカバーの掛かったネジが2本あるので、これを外すと内装部分を剥がすことができます

しかし、フロントガラスの脇からぶら下がったケーブルがブラブラしている状態では、見た目も悪いですし、運転時に気になった安全性も低下するかもしれません。そこでAピラーと呼ばれるフロント部分のピラーの内装を取り外し、その内側に電源ケーブルを這わせて、ダッシュボードまで誘導、そこからシガーソケットに届くように配線しています。

カメラケーブルではなく、電源ケーブルを配線するために内装の一部を剥がしたというところです。これがもっとも大がかりな配線工事? となりました。

ドライブレコーダー「Sarmert DC4213」の基本性能には大満足

キャンピングカーはあおられやすい? クルマ旅の安全確保にドライブレコーダーを取り付けてみた
運転席の背後に設置してキャビン内の様子が撮影できるように設置した室内用カメラ。
なんとなく、隙間にケーブルを押し込んでいくと設置できました

細かな話を抜きにするなら、3カメラのドライブレコーダー「Sarmert DC4213」をキャンピングカー・カムロードに装備したことには大満足です。キャンピングカーだとクルマ旅の長距離をのんびり走ることも多いせいか、結構強引な追い越しなどに出会うことも多いのではないでしょうか。そのため、もしものためにドライブレコーダーの装備はオススメです。

しかも、3.99インチと大きめの画面は見やすく常時リアルタイムでキャンピングカーの背後が確認できるのは、キャブコンユーザーにとってはメリットでしかありません。実勢価格約1.5万円という価格を考慮しても多くの方のおすすめしたいアイテムといえます。

ただし、細かな点では、そこまでやるなら、もう少しなんとかしてほしいという部分があったのも事実です。例えば「Sarmert DC4213」は4K録画と記載されていますが、これはメインカメラのみで録画したときの性能になります。筆者のように3つのカメラすべてを使って録画すると1080P+1080P+1080Pでの録画になります。カメラを2つにした場合でも2K+1080Pでの録画なので、現実的に4Kで使用することは、少なくても筆者はないでしょう。

またAmazonでの紹介文などでは「Wi-Fiとアプリケーション制御を内蔵」と書かれているので、筆者はインターネット経由で離れた場所からキャンピングカーの室内やクルマのまわりの状況を確認できるのかと期待したのですが、Wi-Fi機能を使ってスマホなどとカメラをペアリングできる機能。車内やクルマのまわり程度の距離で操作は行えますが、遠隔操作は行えません。

おそらく、これは「Sarmert DC4213」がSDメモリーカードではなく、内蔵の64GB eMMCストレージを採用しているため、ここに記録されたデータをスマホなどの外部デバイスに転送することを目的にWi-Fi対応とアプリケーションが開発されたためでしょう。リアルタイムでカメラ画像を確認する機能などまでついているのは優秀ですが、Wi-Fi対応と記載されて、多くのユーザーが期待するほどの機能ではないといった印象です。

キャンピングカーはあおられやすい? クルマ旅の安全確保にドライブレコーダーを取り付けてみた
筆者はパススルー充電に対応した「EBL ポータブル電源 1000」から電源を供給しているので、
常に周囲を録画している状態です。防犯性も期待できるのでは?

最後の駐車モードについては「Sarmert DC4213」固有の問題ではありませんが、エンジンを切って駐車している状態でも、遅延駐車モニターモードや動体・衝撃を感知すると録画を行う駐車モードが搭載されています。しかし、これらの機能を使うには、エンジンを切った状態でもドライブレコーダーに電源を供給し、かつメインバッテリーの電圧が低くなったときには自動で電源供給をストップする「降圧ケーブル」が必要になります。

この設置や配線は、ちょっと素人では手に余る印象です。実際のところ、筆者は駐車モードは諦めて、パススルー充電可能なポータブル電源から常時電源を供給し、常にキャンピングカーの室内とまわりを撮影するといった使い方にしています。普段、筆者は自宅の駐車場に止めたキャンピングカーに電源をつないでいるので、この使い方で十分なのです。

「Sarmert DC4213」に限らず、ドライブレコーダーの商品紹介ページなどには、4KやWi-Fi、駐車モードなどの文字が大きく躍り、説明の詳細を読めば「Sarmert DC4213」と同じような内容のものが多く見られます。筆者はそれらを確認してから導入したので、ドライブレコーダーとしてしっかり録画を行ってくれ、走行時のバックモニターやキャビンの息子の様子などを問題なく確認できる「Sarmert DC4213」に十分満足しています。


約1.5万円という価格を考慮すると、キャンピングカー、特にキャブコンタイプに乗っている方には非常におすすめです。ただし「Sarmert DC4213」に限らず、4K、Wi-Fi、駐車モードなどの単語のイメージだけから過剰に期待すると、がっかりすることになるので、しっかりと商品解説を読み込んでからドライブレコーダーを購入することをオススメします。

ドライブレコーダー「Sarmert DC4213」

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2.5mm 4極 延長ケーブル

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