食品産業新聞社
(画像=食品産業新聞社)

2023年6月の鶏肉需給は、月間を通してモモの動きが鈍く、それ以外のアイテムはムネを中心に堅調な荷動きとなった。

6月は各地で梅雨入りを迎えたなか、鶏肉需要はというと、5月の大型連休明けからの節約志向や気温上昇も相まって、ムネやササミなどの需要が高まった半面、モモは引続き不振となった。

相場の動きをみると、ここまで高値推移していたモモは、月前半に日経加重平均で700円台半ばを付けていたが、荷動きの弱さからジリ下げ展開となり、月後半にかけては720円~730円台まで下落した。ムネは月間を通して、410円前後とほぼ横ばいとなったものの、最終週はモモの下落に引っ張られる格好で400円を割る日もみられた。

輸入品については、ブラジル・エスピリトサント州の家きん飼養施設における高病原性鳥インフルエンザ発生を受け、6月28日に同州からの一時輸入停止措置が講じられた。ただ、主要産地での発生ではなかったことや、その後、他の地域で発生が確認されていないことから、大きな混乱にはつながっていないようだ。

これらの結果、6月の月間平均相場は、日経加重平均でモモが744円(前月774円)と前月から30円下げ、ムネは405円(前月408円)で概ね横ばい、正肉合計は1149円(前月1182円)となった。ここにきてモモが大きく下落しているものの、2022年同月比では、モモが119円高、ムネが79円高とともに高値水準にある。

〈供給見通し〉
日本食鳥協会がまとめているブロイラー生産・処理動向調査によると、7月の生体処理羽数は2022年同月比1.0%増、処理重量が0.8%増といずれも増加すると予測。

産地別にみると、北海道・東北地区は2022年同月比で、羽数0.5%増、重量0.6%増と微増を、南九州地区は羽数1.3%増、重量0.8%増とともに1%前後の増加を見込み、概ね順調な出荷が続くものとみられる。ただ、7月の気温は平年よりも高くなることが予想され、猛暑や大雨などの天候次第では、発育に影響を及ぼすことも考えられる。

農畜産業振興機構の鶏肉需給予測によれば、7月の鶏肉輸入量は2022年同月比9.8%増の5万100tと予測。5~7月はいずれも5万tを超えるボリュームに上るとみられ、5~7月の3カ月平均は9.1%増の5万1000tとしている。

今後のブラジルにおける鳥インフルエンザへの警戒感の強まりから、ブラジルの輸出業者による積極的な販売などにより、ブラジル産の輸出量が増加することが予想される。その一方で、「庫腹(保管容積)に余裕がなく、ひっ迫している」との声も聞かれ、現状の末端需要や庫腹状況などを勘案すると、各社調達を大きく増やす向きはなく、あくまで足元をみた冷静な対応が取られそうだ。

〈需要見通し〉
夏本番を前に、ムネは季節需要もあって、堅調な荷動きが続くものとみられる。モモは下落傾向にあるものの、まだ相場高で量販店にとっても特売で使いにくい価格帯のため、凍結回しなどで対応している荷受け筋もみられる。輸入品は、ブラジルでの鳥インフル拡大への不安感はあるものの、相場は軟調気味で推移していることもあり、国産高によって、価格次第で比較的安価な輸入品にシフトする動きもあるようだ。

〈価格見通し〉
7月1日の相場は、日経加重平均でモモ724円、ムネ399円でスタートした。7月第2週に入り、月初の手当てからわずかに反発したが、7月4日にはモモ713円、ムネ397円と再び下げている。7月の月間平均は、日経加重平均でモモ710円前後(農水省市況720円前後)、ムネは日によって上げ下げがあるものの、概ね400円前後(405円前後)と予想する。

〈畜産日報2023年7月7日付〉