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(画像=Anton Violin/Shutterstock.com)

プライベートバンクと聞くと、どのようなイメージをお持ちでしょうか。実際にお付き合いされたことがある方でも、彼らの資産管理の哲学をしっかりと説明できる方は少ないのではないでしょうか。

UBSやクレディ・スイスなどは日本でも有名

プライベートバンクは「富裕層専門のFP」「一族のCFO的な存在」と呼ばれ、富裕層の資産管理に関するワンストップサービスを担う存在です。サービス内容は、資産運用への助言、税務や法律への助言、遺言執行など多岐に渡ります。

また、資産管理以外のニーズを満たすため、海外不動産の紹介、高級オークションへの招待、子女の海外留学サポート、オーダーメイド旅行の手配、高級人間ドックの紹介などの非金融サービスも外部ネットワークを活用しながら提供しています。

プライベートバンクというと「スイス」を思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。実際、UBSやクレディ・スイスなどは日本でも有名です。

プライベートバンクが富裕層に伝えていること

それでは、プライベートバンクは、富裕層にどんなことを伝えているのでしょうか。軸となるのが「個人のバランスシート」という考え方です。UBSのプライベートバンク部門では「顧客の個人B/Sと個人P/Lを正確に把握することが何よりも重要だ」と所属バンカーに教えているそうです。

「P/L」と「B/S」 は企業がお金を管理するためのお馴染みのフレームワークですが、これを個人版に置き換えてコントロールすることが重要だと言うのです。プライベートバンクの世界では「バランスシートアプローチ」と呼びます。

個人P/Lでは、お金の流れを把握することができます。多くの方にとって、「1ヶ月」や「1年」が馴染みある期間ではないでしょうか。個人B/Sでは、これまで自分がどのくらい資産や純資産を築いてきたかを把握することができます。

プライベートバンクの基本的な方針としては、富裕層に「ご自身のバランスシートを棚卸ししてみましょう」と伝えるのです。それが詳細な提案の出発点になるわけです。

プライベートバンクの手法は誰にでも応用できる

この「バランスシートアプローチ」は富裕層だけの特権ではありません。むしろ、一般の方にこそ実施して頂きたい管理方法です。まずは、ご自身のバランスシートを紙に書き起こしてみましょう。

これらを紙に書き起こしてみるだけで、色々と気が付く部分があると思います。しかし、ご自身のバランスシートをパッと書き起こせる方は驚くほど少ないです。ぜひ一度、個人B/Sの棚卸しをしてみてはいかがでしょうか。

文・THE OWNER編集部

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