相続税には非常に重要な特例が2つあります。 一つは小規模宅地の特例で、もう一つが配偶者控除です。

配偶者控除は、正確には「配偶者に対する相続税額の軽減」といいまして、専門家の間では略して「配偶者の税額軽減」ということが多いです。

今回は、この配偶者控除について、制度の概要と要件、計算方法や注意点について確認していきます。

相続税の配偶者控除(配偶者の税額軽減)とは

配偶者控除
(画像=bearinmind / Shutterstock.com)

「配偶者には相続税はかからない」と、聞いたことがある人も多いかもしれません。これは、あながち間違っていません。

何故かと言うと、配偶者の相続した割合が、民法に定める法定相続分以下であれば、その配偶者には相続税がかからないのです。

すなわち、日本の相続のルールに忠実な遺産分割をすれば配偶者には相続税が一切かからないということです。これは、配偶者控除という制度が用意されているためです。

参考:【相続税申告の基礎知識】基礎控除と法定相続人(法定相続分)について詳しく解説します

配偶者控除制度の趣旨

配偶者控除の制度ができた趣旨は、主に下記の3つであると言われています。

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(画像=税理士法人トゥモローズ)

確かに一緒に頑張ってきた配偶者にフルで相続税がかかってしまったら、納得感がないですよね。

相続税の配偶者控除の仕組み・条件