2022年度の画像解析システム市場規模は前年度比15.0%増の60億6,000万円を見込む
~顔認証分野の画像解析が急速に拡大、分野別の成長率に関しては濃淡の見込み~
株式会社矢野経済研究所(代表取締役社長:水越 孝)は、国内の画像解析システム市場の調査を実施し、画像解析システムの主要4分野の動向や関連事業者の戦略、市場の将来展望を明らかにした。
画像解析システム市場規模(主要4分野計)推移・予測
1.市場概況
AIを活用した画像解析については普及期にさしかかりつつあると言われてきたが、これまでコスト高や投資効果の不透明さなどの理由から、ユーザー企業が本格的な投資に踏み切れない状況が続いていた。
こうした中で現在、車両そのものや車両のナンバーを認識する車両認識分野、顔により本人と認証したり、顔の情報から属性を判定する顔認証分野、主として小売業で来店客の分析を行うマーケティング分野、製造業で製品の不良品を判定する外観検査分野などで、ようやく画像解析システムの導入が進展しつつある。AIベンダーを含む様々なベンダーによる、主に画像解析ソフトウェアのパッケージによる外販市場が立ち上がりつつある。
2022年度の画像解析システム市場規模(主要4分野計、ベンダー売上高ベース)は前年度比15.0%増の60億6,000万円を見込む。市場は急速に拡大傾向にあるものの、分野別の成長率に関しては濃淡が出る見込みである。
2.注目トピック
画像解析ソフトウェアや画像解析エンジンに関しては、AI系のベンチャーが事業化を目指して、様々なトライアルを繰り返してきた。
しかし、ここに来てAIによる画像解析技術のコモディティ化が進展しつつある。フリーソフトウェアの登場や、特にアメリカのIT大手による汎用のAIソフトウェアの展開、中国等アジア系の低価格ソフトウェアなどが市場に登場している。
また、大手監視カメラメーカーやアイリスオーヤマ、セーフィー等の新興カメラメーカーも自社の機器にこうしたAIによる画像解析ソフトウェアを採用し、画像解析機能を搭載することで、コモディティ化の動きに拍車がかかっている。
今後は、画像解析システム市場の拡大が期待されるとともに、市場ではこうしたハードウェアベンダーとの競合、共棲が図られることとなるだろう。
3.将来展望
導入が進む画像解析システムであるが、技術的な課題の一つは認識率である。外部環境にも影響され、どれだけ優れたアルゴリズムであっても認識率を100%にすることは難しい。一方、人手不足が顕在化している分野では、人に代わって業務を代替できる画像解析システムの導入は今後、急速に拡大する見込みである。
画像解析システム市場は、2021年度から2025年度までのCAGR(年平均成長率)19.2%で成長して100億円を突破し、2025年度の同市場規模は106億5,000万円に拡大すると予測する。
調査要綱
1.調査期間: 2022年12月~2023年2月 2.調査対象: 画像解析エンジンベンダー等 3.調査方法: 当社専門研究員による直接面談(オンライン含む)、電話・e-mailによるヒアリング、ならびに文献調査併用 |
<画像解析システムとは> 本調査における画像解析システムとは、カメラによって撮影した画像(静止画)や動画(映像)等をAI等の技術を使って解析することで、人に代わって何らかの判断を下すシステムを指す。 <画像解析システム市場とは> 本調査における画像解析システム市場は、比較的活用が進んでいる車両認識、顔認証、マーケティング、外観検査等を主な対象分野として、画像や動画の解析機能を提供するソフトウェア(エンジン)やクラウドサービスのベンダー売上高で算出した。 |
<市場に含まれる商品・サービス> 画像解析ソフトウェア、クラウドサービス、画像解析ソリューション |
出典資料について
資料名 | 画像解析システム市場の現状と将来展望 |
発刊日 | 2023年02月27日 |
体裁 | A4 221ページ |
価格(税込) | 198,000円 (本体価格 180,000円) |
お問い合わせ先
部署 | マーケティング本部 広報チーム |
住所 | 〒164-8620 東京都中野区本町2-46-2 |
電話番号 | 03-5371-6912 |
メールアドレス | press@yano.co.jp |
©2023 Yano Research Institute Ltd. All Rights Reserved.
本資料における著作権やその他本資料にかかる一切の権利は、株式会社矢野経済研究所に帰属します。
報道目的以外での引用・転載については上記広報チームまでお問い合わせください。
利用目的によっては事前に文章内容を確認させていただく場合がございます。