図解 オーナー社長のための 相続の基本と節税
(画像=NewAfrica/stock.adobe.com)

(本記事は、税理士法人レガシィ [監修]、円満相続を応援する士業の会 [編集協力者]、エッサム [著] の『改訂2版 図解 オーナー社長のための 相続の基本と節税』=あさ出版、2022年8月23日刊=の中から一部を抜粋・編集しています)

生命保険は納税資金準備と節税の2つをかなえられる

改めて、相続税を賢く減らす節税策について紹介しましょう。まずは生命保険です。生命保険は言うまでもなく、生前に加入して保険料を支払うことで、死亡時に保険金が支払われるものです。

相続で生命保険を積極的に利用したい理由は以下のとおりです。

相続に生命保険が有効な理由

・納税資金の準備として

特に相続財産が自社株や不動産など、換金しづらいものが多いと、相続税の納税資金がないということになりかねません。生前の早いうちから、相続税がいくらかかりそうか見積もって、必要額を保険金として受け取れる生命保険に加入するようにしましょう。

・遺産分割の調整として

自社株や不動産などの相続財産は、換金しづらいと同時に、分割しづらいという面もあります。その点、保険金は分割しやすいうえ、受取人を指定することができますので、分割のバランスをとる調整役を果たしてくれます。

・1人につき500万円まで非課税

保険金には法定相続人1人につき500万円まで非課税枠が用意されています。預貯金として相続するよりも節税できると言えるでしょう。

・生活保障として

生命保険ですから、遺族の生活資金を保障するお金となります。

注意が必要なのは、生命保険の契約形態によって課税される税金が違ってくることです。

相続税の対象となるのは、たとえば「父が自分を被保険者とし、父が自分で保険料を払っていた生命保険の保険金を相続人である子どもが受け取ったとき」です。保険金の原資となった保険料が父のものなので、父が築いた財産を子どもが相続したとみなされるからです。

そのため、たとえば「父を被保険者として、母が保険料を払っていた生命保険の保険金を子どもが受け取った」場合は、母から子どもへの贈与とみなされます。保険金の原資が母のものなので、母が築いた財産を子どもに渡したとみられるからです。

このように、保険金が贈与税の対象とされてしまうと、節税のメリットを受けることができませんので注意が必要です。

改訂2版 図解 オーナー社長のための 相続の基本と節税
【監修者】税理士法人レガシィ
「人々の財産を世代を超えて守り、生活と心を豊かにする」をミッションとして掲げる相続専門の税理士法人。
累計約19,000件、年間約2,000件の相続税申告数は日本最大級。
グループ会社を通じて、相続税申告だけでなく、相続手続き(遺産整理)や、相続対策コンサルティング、不動産売買・活用に関するコンサルティング、事業承継コンサルティングをはじめとする相続前後のさまざまなお客様のニーズをワンストップで対応している。
税理士・司法書士・行政書士・弁護士を中心とした士業との連携に注力しており、さまざまなサービス提供を行っている。
コーポレートサイト:https://legacy.ne.jp/
税理士のための相続サポート制度:https://www.legacy-cloud.net/legacy
士業から士業へ仕事をつなぐプラットフォーム「Mochi-ya」:https://www.mochi-ya.ne.jp/
実務マニュアル・動画の閲覧サービスの運営:https://www.legacy-cloud.net/

■天野 隆(代表社員パートナー 公認会計士・税理士)
アーサーアンダーセン会計事務所を経て、1988年公認会計士・税理士天野隆事務所の所長に。
2008年に現在の社名に変更。
独自の専門ノウハウで業界をリードし、顧客対応の良さで群を抜く専門家集団として、公認会計士・税理士・宅地建物取引主任者など契約税理士事務所メンバー含め1,600名を超えるスタッフを擁する。
士業のための実務動画閲覧サービス「レガシィ@クラウド」を企画し、自ら講師として情報提供している。
Youtube、Twitterでも情報発信を積極的に行っている。
2021年11月、天野大輔に事業承継を行った。

■天野大輔(代表社員パートナー 公認会計士・税理士)
情報システム会社でシステムエンジニアとして勤務。
監査法人兼コンサルティング会社に入り、会計監査、事業再生、M&A支援等を担当。
税理士法人レガシィに入社後、相続・事業承継の実務とともに、士業連携・支援のためのプラットフォーム「Mochi-ya」の企画・開発や、相続顧客との非接触Webサービス「相続のせんせい」の企画・開発を行う。
2021年11月、天野隆より事業を承継。
主な著書に『改訂版 はじめての相続・遺言100問100答>』(2017年、明日香出版、共著)がある。

■陽田賢一(代表社員パートナー 税理士/相続)
某一部上場電気メーカー経理部にて約14年間勤務。
個人会計事務所を経て、税理士法人レガシィに入社。
企業経理で培った対人折衝力及び数字に対する嗅覚を武器に、相続税申告や相続対策、税務調査における課税当局との折衝等を中心に活躍の場を広げている。
士業からの相続に関する専門的な相談に対してもわかりやすく丁寧な対応を行っている。

■富永 拓(マネージャー 税理士/事業承継)
前職の税理士法人では代表社員(共同)として法人部門を統括し、主に顧問先の事業承継や再生支援を担当。
税理士法人レガシィに入社後、事業承継部門の責任者として、年間数十件の事業承継関連のコンサルティングを行っている。
士業からの事業承継に関する専門的な相談に対してもわかりやすく丁寧な対応を行っている。
【編集協力者】円満相続を応援する士業の会
遺産相続は、場合によっては親族間での遺産争いになることがあり、「争続(争族)」などと揶揄されることがあるほどトラブルの生じやすい問題でもあります。
そのような問題をはじめ、いろいろな悩み事の解決を総合的に行っている事務所です。
遺言や贈与、信託はもちろんのこと、円満な相続を行っていただく為のお手伝いをします。
【著者】エッサム
昭和38年(1963年)の創業以来、一貫して会計事務所及び企業の合理化の手段を提供する事業展開を続けております。
社是である「信頼」を目に見える形の商品・サービスにし、お客様の業務向上に役立てていただくことで、社会の繁栄に貢献します。

※画像をクリックするとAmazonに飛びます