セルクラウドは、3月1日から、「Makuake(マクアケ)」において、たった1回の採血だけで全身のがん(血液がんを除く)のリスク判定が可能な「マイクロCTC検査」サービスの先行予約販売を開始した。同日には、新サービスおよび事業戦略説明会をマクアケと共同で開催した。「マイクロCTC検査」のサービス概要説明に加え、元順天堂大医学部先任准教授で悪性腫瘍の専門医の太田剛志先生から、世界におけるCTC研究の論文の紹介とマイクロCTC検査の優位性の説明も行った。
「我が国におけるがん検診の受診率は低く、がんで亡くなる人も増えている」と、セルクラウド 中島謙一郎社長。「がんのリスクと課題解決を行いたいと考え、『マイクロCTC検査』サービスを提供しようと思った」と、「マイクロCTC検査」でがん検診率を高めたいと訴える。「『マイクロCTC検査』に関する論文は、2万9000にもおよび、がん研究の題材として取り上げられている」と、「マイクロCTC検査」は多くの先生によって研究されているのだと述べていた。
では、「マイクロCTC検査」とは、どういった検査でどんながんを発見してくれるのだろうか。元順天堂大医学部先任准教授で悪性腫瘍の専門医の太田剛志先生が詳しく解説した。「マイクロCTC検査とは、たった1回5分の採血だけで血中に漏れ出した悪性度の高い『間葉系のがん細胞』そのものを捕捉して、その個数まで明示することで『全身のがんリスクが明確にわかる』という画期的な検査となる」と、採血だけでがんのリスクを発見できる検査なのだと紹介する。「『浸潤・転移』をおこさなければ、『がん』は部分的に切除も可能で実はそんなに怖くない。しかし、がんが進行(悪性化)すると、上皮間葉転換(EMT)によって細胞間接着の強い『上皮性がん細胞』が、細胞間接着が弱く運動性能が高い『間葉系がん細胞』の形質を獲得。EMTが生じることで、がん細胞は『間葉系のがん細胞』となり、高い運動性を獲得し、多臓器への『浸潤・転移』が引き起こされる」と、悪性度の高い「間葉系のがん細胞」について解説する。「この“本当に恐い”『間葉系のがん細胞』は、高い運動性能を活かし、周囲への浸潤を進め、やがてリンパ・血管まで行きつき、多臓器へ移動し、そこで増殖を始める。これが転移とされている」と、本当に怖いがんは、「間葉系のがん細胞」なのだと断言する。「がんは増殖の過程で血管とがん細胞をつなげる独自の血管『新生血管』をつくり、そこから酸素や栄養を吸収してさらなる増殖をしていく。この新生血管を通して血中に漏れ出しているがん細胞の中で、本当に怖い『間葉系のがん細胞』のみを特定して捕捉しかつ、『がん細胞の個数』まで明確に提示できるのが『マイクロCTC検査』といわれている」と、「マイクロCTC検査」は、本当に怖いがんのみを捕捉するのだと力説する。
「日本人の2人に1人以上はがんに罹り、40代以上に限るとがんで亡くなる率は43%以上になる。ステージ別5年生存率でみると、がんは何よりも早期発見が大事だとわかるが、毎年しっかりがん検査をしている人はごくわずか。がん検診を受けない一番の理由は“時間がないから”となっている」と、がん検査率を高めるには、もっと短時間で簡便に検査ができる必要があると語気を高める。「従来の全身がん検査にはPET-CT主体のものとMRI主体のものがあるが、どちらも本当に全身の検査ができているかというとそうではなく、PET-CTは発見が苦手ながんも多く、またMRIでも胃や大腸がんはわからない。本当の意味で全身をくまなくチェックしようと思ったら、追加で足りない部位の検査が必要で、時間も丸一日以上かかり多額の費用がかかる。それに対して『マイクロCTC検査』ならたった5分の採血のみで、血液がん以外のすべてのがんリスクを細胞レベルで非常に高い精度でスクリーニングできる」と、たった1回5分の採血でがん検査が完了するのが「マイクロCTC検査」なのだとアピールする。
「従来のがんの早期スクリーニング検査では、“がんの人は尿からこういう匂いがする人が多い”“こういう因子を持っている人が多い”と、あくまで“間接的な傾向値“を元にリスク指数をおおまかに表示しているにすぎない。そのため信頼感や納得感に大きな課題があった。それに対しマイクロCTC検査は、血中に流れる悪性度の高いがん細胞そのものを直接捕捉してその個数まで明示できるので『提示されたがんリスクに対する圧倒的な納得感』がある」と、従来の早期リスク診断に比べて、結果に対する高い納得感が得られるのだと説明する。
「がんは大きさが1センチを超えないと、CTやMRIなどの最先端の画像診断でも見つけることができない。しかし、1センチの段階で約10億個のがん細胞があり、乗数で分裂増加していくので、1センチを超えたくらいから加速度的に成長する。半年や1年でステージ2や3に進行するがんも珍しくない」と、安全に発見できる期間が実は非常に短いのががんという病気なのだと紹介する。「また、従来であれば、がんの手術や抗がん剤治療が終了したあと5年間は、再発のチェックのために半年ごとにPET検査やCT検査を受けることになる。しかし、PET検査やCT検査には医療被ばくのリスクがともなう。マイクロCTC検査なら医療被ばくのリスクはなく、再発リスクの早期発見が可能となっている」と、がんの治療を受けた人も再発リスクの発見などに有効な検査なのだと解説する。「CTC検査はがんの再発リスクの早期発見に対しても有効だということが、アメリカの『MDアンダーソンがんセンター』の研究論文で発表されている」と、再発や転移の早期発見につながる検査なのだと強調した。
「最新の画像診断で全身のがん検診を受けたとしても、PET、CT、MRI検査で異常な影が見つかっただけでは、まだ『がんが疑われている段階』。がんと確定するには組織を取り出し(生検)、顕微鏡で病理診断をすることが必要となる」と、細胞の一部を取らなければいけないなどリスクをともなうがん検査が多いという。「しかし肺や内臓の生検はリスクが大きく実施できない場合も多いので、確定診断できないまま(がんが進行してしまう恐れがあるのに)ずっと様子を見たり、わからないまま切除手術に踏み込むなどの厳しい判断に迫られる。そんな場合もマイクロCTC検査によって、その『がんの疑い』が良性か悪性かの大きな判断材料となる」と、がんの放置や急な手術などもなくなる可能性もあるのではないかと話す。
「がん細胞が増殖の過程で血管内に漏れ出し、血中を循環しているがん細胞のことをCTC(Circulating Tumor Cells)=血中循環がん細胞といい、そのCTCを検出できる最先端の検査がCTC検査とされている」と、CTC検査について解説する。「CTC検査は日本の厚労省にあたるアメリカのFDA(食品医薬品局)承認済みで、欧米で2万9000を超える研究論文が発表されている」と、CTC検査は、欧米のがん研究現場ではすでに当たり前の最先端研究ツールとして使われているのだという。「FDA承認のセルサーチ社のCTC検査でも悪性度の高い『間葉系のがん細胞』は捕捉できなかった。かつ検出精度も『特異度83.35%』だったが、『マイクロCTC検査』は世界有数のがんの研究・治療機関であるアメリカの『MDアンダーソンがんセンター』が開発した特殊抗体『CSV:細胞表面ビメンチン抗体』を世界独占利用することで『間葉系のがん細胞』を『特異度94.45%』という圧倒的な精度で検出することを可能にした」と、CTC検査をさらに進化させたのが「マイクロCTC検査」なのだと力説する。
「現在、国内のがん専門クリニックで、血液を海外に輸送することでCTC検査を実施しているところもあるが、血液検体は非常に繊細なため、検査までに長時間経つと劣化が進み分析精度が低くなってしまう、という課題があった。実際、我々の実験では『採血から丸2日たった血液は、抗凝固剤入りの採血菅で保存していたとしても、遠心分離機でまともに分離できない』ということがわかっている」と、採血後の迅速な検査実施が不可欠とのこと。「今回、国内初の検査センターを構築し、迅速な検査体制と高い検査品質を確立した」と、民間では初となる、マイクロCTC先進医療研究所(検査センター)を東京代々木に設立したのだと教えてくれた。
再び、中島社長が登壇し、「マクアケ」での販売について説明した。「今回、『マクアケ』で『マイクロCTC検査』の先行予約販売を開始する」とのこと。「定価は19万8000円(税込)となるが、数量限定の特別早期割引プランも用意している」と、45%オフ、40%オフ、35%オフで購入できるプランもあるのだとか。「さらに、夫婦で2回セットやファミリーで4回セット、仲間で一緒に6回セット、会社で10回セットなど、まとめて購入できるプランを設けている」と、まとめて購入して大切な人に配ることもOKとのこと。「マクアケ予約購入者には、予約専用URLを送信し、予約サイトから会員登録および検査申し込みをしてもらう。そして、当社が提携する89のクリニックのどれかに来院して採血してもらう。検査結果はマイページで確認することができる」と、採血後、1週間程度で検査結果が出るという。また、太田先生が院長を努める代々木ウィルクリニックでも採血することができるのだと教えてくれた。「今後のスケジュールは3月1日からマクアケ会員に先行販売を開始し、5月7日に先行販売を終了する予定となっている。5月8日からは『マイクロCTC検査』オンライン予約の受付を開始する」と語っていた。
マクアケ 坊垣佳奈取締役は、応援購入サイト「マクアケ」について紹介した。「当社はクラウドファンディングをサイトで展開。新しいモノやサービスの応援を支援するサービスを行っている」と、マクアケについて説明する。「新しいモノやサービスを知ってもらい、体験してもらうことで、さらなる良いモノづくりや画期的なサービスにつながっていくように出展社をサポートをしている」と、多くの人に利用してもらえるためのビジネスを行っていると紹介する。「商品や活動に対する想いをしっかり理解してもらえるように、1つ1つのプロジェクトの背景などを伝えるページも開設して、より多くの人に知ってもらえるような手助けを行っている」と、商品やサービスの販売提供だけでなく、商品やサービスのバックボーンも知らしめることができる仕組みを構築しているサイトが「マクアケ」なのだとアピールする。「世の中にまだ出回っていないモノやサービスについて、まずは使ってもらい、作り手の想いを伝えるというサービスは他にはないと自負している」と胸を張る。
「今回のような医療や健康関連のプロジェクトも多くはないが実績はある。それだけに、今回のセルクラウドのサービスに対する反応に興味があると同時に、多くの共感を得ることができると期待している」と、がんによる不安を取り除く画期的なサービスであると認識し、「マイクロCTC検査」サービスを予約購入する人が多く集まってほしいと期待を寄せていた。
セルクラウド=https://cellcloud.co.jp/
Makuake=https://www.makuake.com/