hakko project「ナットージャネーゼ」
(画像=hakko project「ナットージャネーゼ」)

クラウドファンディング「キャンプファイヤー」で目標額達成率250%超えを記録した発酵食品「nattojanese(ナットージャネーゼ)」に対する期待値が思いのほか高く、これから注目されそうだ。

「ナットージャネーゼ」というユニークなネーミング。完全な日本語で、「納豆じゃない」発酵食品であることを予め断っているのが面白い。インドネシアの伝統的な大豆発酵食品「テンペ」を日本人好みに改良を加えた食品となっている。

スタートアップのhakko project(神奈川県横浜市)から発売された商品で、大豆は国産にこだわり、秋田産のリュウホウを使っている。

「リュウホウはふっくらした感じで、調理をした時の油との相性が良く、外側はカリッとして、中がホクッとした食感が実現できた」と、高橋晴香社長は説明する。

hakko project・高橋晴香社長
(画像=hakko project・高橋晴香社長)

高橋氏は夫の仕事の関係で、ジャカルタやマレーシア、シンガポールを転々する中で、テンペに出合った。特にジャカルタでは副菜という位置づけで、ほぼ毎日食べられている食品だったという。コロナ禍で長期のロックダウンの最中に、テンペの調理セミナーに参加し、自分で作ったテンペを近所にふるまったところ、好評だったことから、「栄養価が高く、安心安全で、健康に良いテンペをもっと多くの人に広めていきたい」という思いが強くなり、開発に1年をかけて完成させた。日本には2022年2月に帰国し、アジアで知り合った日本人2人と共に、7月に会社を設立して、本格的にビジネスを始動させた。

〈秋田県産大豆「リュウホウ」を採用、食物繊維やたん白質も豊富〉
提携工場は、静岡県の納豆などを製造するメーカーで、製品の出来のほか、さまざまな条件が合致したことから、パートナーに決めたという。

「ナットージャネーゼ」は、本場インドネシアのテンペよりも早い段階で発酵を止めることで、日本人の口に合うように開発したもので、1パック(120g)で成人が1日に必要な食物繊維の約半分、たん白質の約3分の1を摂取することが可能だ。大豆由来の植物性たん白質でコレステロールもゼロとなっている。また、動物性食材・添加物不使用、グルテンフリーであるため、ヴィーガンやベジタリアン、ダイエット中の人、食事制限をしている人などにも幅広く食べてもらえる食品となっている。

「秋田県産大豆『リュウホウ』とテンペ菌、少量の米粉のみでできた100%メイドインジャパンのテンペだ。安心安全な日本の食材とインドネシアの伝統的な製法で作られている。国産大豆なので、遺伝子組み換えなしで、添加物も一切使っていない」と高橋氏は強調する。

そのほかの特徴では、「4つにカットされているので、調理がしやすい。切れているタイプは珍しい。スライスやサイコロ状など、料理によって、形を変えることができる。油で揚げて、塩胡椒で食べるのが一番おいしい。テリヤキバーガーやミンチ肉の代わりにすればガパオライスにも合う。ひき肉と半々で混ぜると全然大豆だと分からなくなる。餃子の餡に肉と混ぜて入れても大豆たん白の味は分からない」とし、代替肉にもなる食品であることにも力点を置いて販促していくようだ。

栄養価が高いため、介護食、病院食、ペット食への起用も考えられ用途は広い。レシピ提案の仕方次第ではブームとなる可能性もありそうだ。

〈大豆油糧日報2022年12月12日付〉