2022年11月16日、サザビーズ「Contemporary Evening Auction」がニューヨークで開催。アンディ・ウォーホルの「死と災害」シリーズのひとつ《White Disaster [White Car Crash 19 Times]》が35年振りに出品され、開催前から注目されていた今回のオークション。本記事は、落札価格の高かったTOP5の作品とANDART取扱いアーティストの落札情報をピックアップして紹介。1USD=139.31円で計算、落札価格は手数料込み。

5)ウィレム・デ・クーニング《Montauk II》(1969)
落札価格:約17億6415万円($12,663,500)

出典:https://www.sothebys.com/

ウィレム・デ・クーニング(1904 – 1997)は、オランダ出身の画家。クーニングは、ジャクソン・ポロックと並ぶ「アクション・ペインティング」の代表的な作家であり、抽象表現主義の創始者の一人として重要な位置にいる。ニューヨークのモントーク(Montauk)からすぐ近くにあるイースト・ハンプトンに拠点を置いて活動。本作は、クーニングが住んでいた海辺の街に降りそそぐ太陽の光を表現しているような作品。これは《Montauk》と題された5点のうちのひとつで、その他2点は海外の重要美術機関にコレクションされている。(予想落札価格:約13億9310万〜20億8965万円 / $10,000,000 – 15,000,000)

4)ジャン=ミシェル・バスキア《Saxaphone》(1986)
落札価格:約19億400万円 ($13,667,400)

出典:https://www.sothebys.com/

アメリカの現代美術を代表するアーティスト、ジャン=ミシェル・バスキア(1960-1988)。バスキアは熱心なジャズのリスナーだったことでも有名で、本作はアメリカの伝説のジャスサックス奏者、チャーリー・パーカーを描いた作品。パーカーへの敬意が込められた、バスキアの作品群のなかでも最も「音楽的」な作品の一つである。画面の中では文字や記号がランダムに飛び交い、左側に金色のサックスが浮かび上がっている。(予想落札価格:約16億7170万〜25億758万円 /$12,000,000 – 18,000,000)

3)フランシス・ベーコン
《Three Studies for Portrait of Lucian Freud》(1964)
落札価格:約41億7930万円($ 30,000,000)

出典:https://www.sothebys.com/

フランシス・ベーコン(1909 – 1992)は、アイルランド生まれのイギリス人画家。抽象絵画が全盛期を迎えた戦後の美術界において、一貫して具象絵画を制作し続け、20世紀で最も重要な画家の一人とされている。

本作(日本語で「ルシアン・フロイトの肖像のための3つの習作」)は、ベーコンの代表作のひとつで、ベーコンと交友関係のあったイギリスの画家ルシアン・フロイドの肖像画。「トリプティク(三連からなる絵画)」はベーコンが得意とした絵画の構成である。制作された1964年はベーコンのキャリア絶頂期とされ、翌年に国際的に巡回した個展「フランシス・ベーコン展」で発表された。(予想落札価格:約41億7930万〜55億7240万円 /$ 30,000,000 – 40,000,000)

2)ウィレム・デ・クーニング《Untitled》(1979)
落札価格:約48億4722万円($34,794,500)

出典:https://www.sothebys.com/

本作は1970年代後半に制作された数少ないキャンバスのうちのひとつで、クーニングのなかでも傑作と呼ばれている作品。海や空を表現しているかのような青や緑、黄色などの組み合わせは、クーニングの中でも珍しい色彩である。この作品が制作された1979年頃は、クーニングが新たな表現を探る実験に没頭していた時期であり、作家活動の重要な転換期を示す作品として高く価値がつけられている。(予想落札価格:約41億7930万〜55億7240万円 /$ 30,000,000 – 40,000,000)

1)アンディ・ウォーホル
《White Disaster [White Car Crash 19 Times]》(1963)
落札価格:約118億9018万円 ($85,350,500)

出典:https://www.sothebys.com/

アンディ・ウォーホル(1928 – 1987)の代表作「死と惨事」シリーズのひとつである本作(日本語で《ホワイト・ディザスター(白い車の衝突19回)》)は、今回35年振りにオークションに登場することで、開催前から注目を集めていた作品。「死と惨事」シリーズとは、マスメディアで使用される自動車事故や電気椅子、自殺、飛行機墜落事故などの写真を使用した作品群のことで、本作は19枚の白い車の衝突事故の写真が367.7×210.5 cmのキャンバスに収められている。

ウォーホルがこれまでに制作した「車の衝突事故」の作品のなかでも、《Silver Car Crash (Double Disaster)》と並んで頂点を極めた作品。今回の落札を受けて、「死と惨事」シリーズでは《Silver Car Crash (Double Disaster)》に次いで2番目、ウォーホルの歴代オークション記録では3番目の高額作品となり、新たな記録を更新した。(予想落札価格:約111億4480万円〜 /$80,000,000 -)

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【ANDART取扱いアーティスト落札情報】

アレックス・カッツ《Parrot Jungle》(1985)
落札価格:約5億7,200万円 ($3,423,000)

出典:https://www.sothebys.com/

アレックス・カッツ(1927-)の妻であり、創作活動においてのミューズでもある「エイダ」を描いた作品。エイダが着ている黄色のセーターにブルーのシャツが差し色となった鮮やかな色彩は、カッツがファッションに強い関心を持って作品を制作してきたことをよく表している。タイトルの「Parrot」は「オウム」という意味で、フロリダにある何千羽もの鳥が生息するアドベンチャーパーク「Parrot Jungle」からきていると思われる。エイダの着ている服にもオウムの絵が描かれている。(予想落札価格:約2億5076万〜3億4828万円 /$1,800,000 – 2,500,000)

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文:ANDART編集部