矢野経済研究所
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2021年度の国内主要企業の臨床検査薬・機器事業規模は前年度比14.1%増の1兆2,378億円

~2022年度も新型コロナウイルス関連検査需要が続き、事業は好調を維持と予測~

株式会社矢野経済研究所(代表取締役社長:水越孝)は、国内の主要な臨床検査薬・機器事業展開企業35社の事業規模調査を実施し、関連市場、参入企業動向、将来展望を明らかにした。

臨床検査薬・機器事業規模推移と予測

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1.市場概況

2021年度の国内主要企業における臨床検査薬・機器事業規模(臨床検査薬・機器事業を展開する国内主要35社の事業者売上高ベース)を前年度比14.1%増の1兆2,378億円と推計した。
当該事業を国内向けと海外向け別にみると、国内向け事業は前年度比15.6%増の6,427億円、海外向け事業は同12.5%増の5,951億円であった。一般的な臨床検査薬・機器の販売が前年度から復調してきたのに加え、新型コロナウイルスのPCR検査、抗原検査の需要が大幅に拡大し、関連する臨床検査薬・機器企業の売上増加が顕著となった。

2.注目トピック

新型コロナウイルス関連検査薬・機器市場が拡大

新型コロナウイルスの検出方法に関しては、遺伝子検査(主にPCR法)と抗原検査に大別される。さらに抗原検査は迅速抗原検査キット(定性)と抗原定量検査に分類される。日本国内においては、2020年の中頃から新型コロナウイルスPCR検査、抗原定性検査、抗原定量検査の検査薬・機器などの供給が本格化し、医療機関、民間検査センターなどで広く検査が行われるようになった。

主要参入企業の売上状況などから判断し、2021年度の新型コロナウイルス関連の遺伝子検査および抗原検査薬・機器の国内市場規模は1,800億円以上になったと推計する。2022年度上期についても、新型コロナウイルス感染者数はオミクロン株出現に伴い増加し、あわせて検査需要も拡大した。臨床検査薬・機器業界では2022年度も前年度に続き、新型コロナウイルス関連検査の特需が継続している。

3.将来展望

2022年度の国内主要企業における臨床検査薬・機器事業規模(臨床検査薬・機器事業を展開する国内主要35社の事業者売上高ベース)は、国内向けが前年度比8.0%増、海外向けは同12.4%増、あわせて同10.1%増の1兆3,630億円になるものと予測する。

新型コロナウイルスの検査では、2022年から迅速抗原検査キットを活用する場面が増えている。医療機関における発熱患者に対しての検査のみならず、セルフチェックとしての検査利用も進展しており、新型コロナウイルス迅速抗原検査キットの増加が臨床検査薬・機器の全体市場を押しあげると考える。
また、2022年度は為替レートが円安に傾いており、海外向けに臨床検査薬・機器を販売する企業の売上が大幅に伸長することも想定される。

調査要綱

1.調査期間: 2022年8月~10月
2.調査対象: 国内の主要な臨床検査薬・機器事業展開企業35社(日本企業および海外企業日本法人)
3.調査方法: 当社専門研究員による直接面談(オンライン含む)、電話・eメールによるヒアリング調査
<臨床検査薬・機器事業規模とは>
医療機関や検査センター等で行う検体検査(血液・尿・便・組織などの検体)に用いられる、臨床検査薬・機器に関する事業を対象として、国内の主要企業35社における国内向けおよび海外向け臨床検査薬・機器事業の売上高ベースの合計を、本調査における事業規模とした。
<市場に含まれる商品・サービス>
臨床検査薬および臨床検査機器全般

出典資料について

資料名2022年版 臨床検査市場の展望
発刊日2022年10月31日
体裁A4 379ページ
価格(税込)198,000円 (本体価格 180,000円)

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